ハッピーアワー [Blu-ray]

監督 : 濱口竜介 
出演 : 田中幸恵  菊池葉月  三原麻衣子  川村りら 
  • NEOPA
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感想 : 5
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4580007020011

感想・レビュー・書評

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  • 5時間通して観られなかったのが残念だ。何日かに分けて観た毎日が楽しみで仕方がなかった。

    勝手にこう呼んでいるのだけれど、本作は細雪型のフィクションだ。つまり血縁関係があるなしに関わらず、3、4人の姉妹ないし姉妹のような友人たちが登場するフィクションのことだ。

    本作では友人どうしである4人の既婚未婚の女性たちが登場する。彼女たちはそれぞれ違う性格の持ち主だ。それが次第に、仲違いなどをきっかけとして、あたかもお互いがお互いに変容していくようなプロセスが描かれる。ある者はふと自己を発見し、ある者は他者を発見する。
    でも、そんな説明より、ヒロインの一人である、おとなしい性格のサクラ子(関西弁を話す)の、夫に対するこのセリフが本作をうまく集約してくれる。

    「あやまりたい。でも、できひん」「こうすることしかできひん」

    それに呼応するように、もう一人のヒロイン、あかりが別の場所、別の時にこう呟く。

    「サクラ子にあやまりたい」

    この2人のセリフが、この長大な作品のまわりを、ゆるい円環をなして回っている気がする。

    ずっと、「他人事ではない」という思いを抱えながら本作を観た。それは似たようなことが自分の身に起きているという意味ではない。誰かに感情移入してしまうというのでもない。なんというか、うまく言えないけれど、いつの間にか自分も作品の中のその場に居るという感じが近いだろうか。

    観終えた瞬間から、自分の一部が、この作品の中で生き始めた気がする。本気でそう思っている。

  • B。
    1週間くらいかけてすこしずつみた。
    毎日みてたら知ってる場所もでてるし親近感をもってしまった。

  • 5時間連続は観れず、途切れ途切れだったけど
    一気に観れた。
    初めのワークショップのシーンはちょっと面白味は
    感じられなかったけど、ほぼ素人の登場人物が演じる
    演技でないような演技が等身大のそれぞれの役を引き立たせていて、4人とも共感してしまった。
    それぞれに置かれた、それぞれの境遇は私も経験済みであり、あの時感じた葛藤とか悲しさや寂しさまでもが蘇るくらいだった。
    でも、みんなそれぞれその時その時を精一杯生きていて
    精一杯の選択だったんだと思う。
    どんなに仲がいいと思っている友達でも、適度な距離は
    必要だし、自分のことを全て知ってもらう必要もなければ
    知る必要もない。そして、男性と女性はやはり別の生き物であると思っておいたほうがいいと、改めて思ったのでした。

    2019.6.22

  • 5時間17分はさすがに長い。

    最近見たものだと《クー嶺街少年殺人事件》が長かったが3時間台。《愛のむきだし》も3時間台。昔の《宮本武蔵》《人間の條件》は長かった記憶があるが、別の映画になっている。

    最初のセミナーなどはドキュメント風というのかそのまま切らずに撮っている感じだ。後半の朗読も長い。映画のリズムとしてそのほうがベストという判断なんだろうが、ワタシの感覚では、そこまで面白いシーンではなかった。

    2回休憩を入れても物理的に映画館では持たない気がする。題材としては面白いのでテレビドラマにアレンジできないものかと思う。



    独白、会話が深くて面白い。最初の看護師の仕事はタイヘンという話、相手が浮気して離婚した話となっていくのだが、どの話も引き込む力がある。写真を撮ってくれた人との話などずいぶん脇道の話なども面白いので飽きない。これがこの映画の肝ですね。監督の実力を感じる。

    素人の起用も一つの挑戦だ。なにせ5時間の映画で素人を使うというのは大胆だ。どういう演技指導をしたのだろうと思う。主役4人は結構演技力があって、自然と役を生きてる感じがする。ただ時として素人っぽくなって、そのあたりの移ろう感じがスリリングだったりする。

    脇役で、棒読みの演技の人がいて、そうなると全員が棒読みになってしまう。それはそれで味があるのではあるが。後半になってのキスシーンなどはちょっと見てられなかった。

    リアリティというが、打ち上げで飲み食いしているのに面接受けてるような雰囲気は現実ではまずない不自然さが漂う。実はリアルではない映画なのではないかと思う。

    三組の夫婦は結局ほぼ破綻する。いずれも奥さんが、デリカシーのない夫の生き方をなじり絶縁していく形になる。女性の抱える不安、孤独、夫に対する不満はよく分かるが、一方的に夫につきつけられてもなぁと思う。

    一人は仕事を辞め、一人は信号待ちの交差点で腰を落として泣き出す、一人は交通事故を起こす。男だって基本的には誠実で、「こんな生き方しかでけへん」と言っているのだが否定されてしまう。

    人と人が真に出会うことは難しい と伊丹十三が言っていたのを思い出す。自分自身と出会うことすら難しいのに、その先の他者との出会いはさらに難しい。結局三組の夫婦とも出会えてはおらず、女性陣の申し立てには一理あるが、真に出会えなければ夫婦になれないのなら結婚というのは難事業ということなる。実際難事業なんだろうが。

    どの奥さんも耐えに耐え、もう時間切れと言い渡すことになるのだが、真の出会いに向かおうとしてない点では同じだと思うのだが。

    結局5時間も見て、男女の仲に否定的な気分になって終わるというのもさらに疲れる。

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著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も日韓共同製作『THE DEPTHS』がフィルメックスに出品、東日本大震災の被災者へのインタヴューからなる『なみのおと』『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(共同監督:酒井耕)、四時間を越える長編『親密さ』、染谷将太を主演に迎えた『不気味なものの肌に触れる』を監督するなど、地域やジャンルをまたいだ精力的な制作活動を続けている。

「2015年 『カメラの前で演じること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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