- 飛鳥新社 (2018年4月25日発売)
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感想・レビュー・書評
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インターネットの黎明期に「ネット世界ではプラットフォームの1社のみ生き残る」となぜ先読みできたのか?
「ペイパル・マフィア」と言われる中でも筆頭の人物。とにかく発想が普通ではない。
当時、彼の目に「インターネット」という新技術はどのように見えていたのだろうか?
技術面だけに留まらずに、それを「ビジネス」として想像する発想はどこから生まれてきたのだろうか。
本当に「どういう思考回路で、そうなるのだろうか?」と考えてしまう。
今となれば「インターネットを利用してあらゆる情報が流通される」ということは理解できるだろう。
しかしながら、ほとんどきちんとしたインターネットの機能が開発されていない時代において、当時どこからどうしてその発想ができたのか。
考えれば考えるほど、不思議でならない。
ピーター・ティールは根本的に「逆張りの発想」でいるという。
単なるひねくれ者であれば、人と異なることをするだけでいい。
しかしそれだけで大きな成功を獲得するとは到底思えない。
例え他人が「止めた方がいい」と忠告したとしても、彼なりの勝利への確信が見えているから「敢えて逆に張る」訳なのだ。
インターネットの本質がまだまだ見極められていなかった時代、彼の目には「プラットフォームの1社のみが生き残るはずだ」と見えていた。
だからこそ、国家情報機関を顧客とするデータ企業「パランティア」を創業し、業務を独占した。
「ペイパル」だって、「未来のデータ化されたお金」をあわよくば独占しようと企んで運営されていた。
彼の論理は一貫している。
まずは、「自由」と「テクノロジー」を心の底から信じている。
その上で、「独占できる企業にだけ1点張りする」のだという。
ついつい、我々の感覚では、張った1社が倒れたらどうするのだと思ってしまう。
複数に分散させて投資することが、リスク回避の常套手段だと思ってしまう。
しかし、ティールの考え方は違う。
結局独占企業でなければ、他社と競う内に双方疲弊してしまうことをよく分かっている。
戦って勝ち残る企業に張るのではない。
最初から戦わずして、独走できる分野を選んだ企業に張るのだ。
いかにして独走分野を選択するかが、ある意味での勝利の方程式であるのだが、彼にはそこが見えている。
「独占を勝ち取るために、他の追随を許さずに、あっという間にグロースさせる」というのだ。
今でこそ、この戦略を理解しているベンチャー企業は多い。
とにかく独占してしまえば、利益は後から付いて来る。
だから短期での利益を度外視して、先ずは超拡大路線&急成長路線を敷く。
これをあの時代に気付き、そして迷いなく実行できたことがすごい。
そういう意味では当然に優れた起業家なのであるが、ティールの場合はさらに一味異なる。
実業家というよりも、やはり視点は「投資家」なのだろうと思う。
「ビジネスの何たるか」ということよりも「お金を増やすとは何たるか」が、心底身に沁みついているのではないだろうか。
投資の神様であるウォーレン・バフェットは「私はIT系企業には投資しない」と言っていたらしい。(今ではIT系デジタル系にも投資をしているようだ)
そこでも、ティールは逆張りしていた。
むしろバフェット風に言う「怪しいIT系」にこそ張り続け、そこで大きな収益を上げたのだ。
初期のFacebookに投資し、企業として大きく成長させたのは有名な話。
あの段階でFacebookの将来の成功が見えていたのだから、本当に恐ろしい。
大統領選挙にしても、逆張りでドナルド・トランプを支持し、結果勝利している。
彼には世界がどんな風に見えているのだろうか。
どういう点が他人と異なるのか。
次の未来をどう見据えているのだろうか?
本書を読みながら、ティールの思考回路を想像するだけでも、自分の凝り固まった視点を変えるには有効だと思う。
自分自身は平凡な思考回路しか持っていない人間であるが、ほんの少しでも「逆張りしたらどうなるか?」と考えてみるだけでも意味がありそうだ。
考え方の役に立てられればと思う。
(2023/5/25)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ペイパルやパランティアといった企業を創業し、テスラのイーロンマスクやリンクトインのリードホフマンなどを輩出したピーターティールについて半生を書いた一冊。
スタンフォード大学に進学し、法律事務所に勤めるもののすぐに退職し、そこからITの分野で電子決済に目をつけペイパルを創業し、アジャイル型開発で発展を遂げ上場し多くの成功者を輩出しました。
また、政府の情報機関を相手にする企業パランティアを起業したことやこれらのスタートアップの成功の秘訣についても触れられており、勉強になりました。
投資においてウォーレン・バフェット氏との比較やFacebookやパランティアを対象に深掘りされているのも面白かったです。
また、Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏との出会いやドナルド・トランプ氏との交流なども書かれていて興味深いものでした。
起業家として投資家としてまた大統領に近い人物として生きてきたピーターティールの様々な経験を通してその思考と行動は刺激を受けました。
そして、ティールがどのような行動を取るのか気になった一冊でした。 -
前半5章までは、かの有名なティールがいかにしてペイパルという企業を組み立て運営したか(というよりは、いかに同志を募ったかかも)とその後のテクノロジーへの投資哲学。スタートアップ企業を見る目、そして自分で参加するときの規範を学べる。ただ、6章以降はそういう目線では完全に蛇足。政治信条としてリバタリアニズムをサポートしリベラリズムに反対するという意見と行動が並べられている。
投資
・革新を目指す企業のCEOの報酬は15万ドル程度に抑えるべき。でないと保守に走る。
・トレンド」は過大評価されがち。バズワードを連発する会社、人は避けるべき
・PEGレシオ:PER/成長率
起業
・スタートアップは「早すぎもせず、遅すぎもせず、とりくむにふさわしい顧客との約束を果たす」ことが大切
・成功するスタートアップのカギは、「唯一無二であること」「秘密」そして「デジタル市場で独占的ポジションを確保していること」
経営
・経営者の仕事は、社員全員にそれぞれ一つの仕事の責任を任せること
・起業精神は後から加わった社員にも伝えることが重要
・就職希望者の経歴や成績を重視しない。また、社員募集はヘッドハンターに委託せず自社で直接行うべき
・優秀な応募者ほど「自分はほんとうにこの会社の人たちと一緒に働きたいか?」と考える
・まずは終盤戦の作戦を練ること -
ピーターティールの父世代は移民でアメリカン・ドリームを実現している。
ただ今は、没落した米国が目の前に広がっている。
どことなく、高齢化社会を迎えている日本とも被る光景に親近感が湧いた。
端から見たら個人としてみたら、大いなる成功者に見えるが、その個人が属する国家としてみると、むしろ荒廃している。
競争を好まず、独創性を指向し、莫大な利益をあげる。
個人的にも独創性のほうが好きなので、彼の思想は大変よく分かる。
自由至上主義者、これからの風の時代の風そのものという印象を受けた。 -
彼のルーツであるドイツで出版されたピーターティールについての書籍。
ピーターティールと言えば、PayPalの創業に始まり、シリコンバレーにおける立志伝中の人のためにとても楽しみにしていたが、書籍としては正直微妙。
原因としては、最初に抽象化したメッセージがあり、そこから具体論に入っていくのだが、投資にせよ、事業戦略にせよ、ややこの抽象化した部分が長く、多いため、全体像がぼやけてしまう。少し勿体無い。 -
「欲望の見つけ方」を読んだ流れで。
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ピーターティールの人物像を第三者目線からの視点で描かれた本。参考になった。ゼロトゥワンも併せて読みたい。
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この本は2017年9月にティールの出身地ドイツで刊行された本の翻訳になります。
シリコンバレーにも大きな影響力を持つピーター・ティールですが、その生い立ちと独自戦略、破壊的思考法を読みますと非常に興味深い人間であると同時に、動向を追いかける必要があるなと思いました。
アメリカ社会の現状から、アメリカで成功している起業家の戦略と哲学的な考えを知ることができる内容となってます。 -
前提として、会社や投資、政治について素人の自分の感想である。
ティールは、大学時代の恩師のジラールの「模倣」と「競争」の考え方を考え方の基礎としている。
ティールはトランプの支持者である。なぜなら、テクノロジーが発展するには、トランプが良いみたいなことを言ってた気がする。
ティールは学歴というレールの上で生きてきたが、
途中で脱線して、自由を掴む決意をした。
ティールぐらいのレベルなら、レールの上に乗り続ける価値はあると思う。なぜなら、環境のレベルが世界屈指であるから。これを自分と照らし合わせると、自分のいる環境がティールのような環境ではないと思っているから、自分はすぐにドラップアウトのようなことをした。世界を変えるような人がするドロップアウトとは違うが、自分でこの選択でいいと思っている。 -
スタートアップの10のルール
1.君は自分の人生の起業家である
2.1つのことを他人を寄せ付けないほどうまくやろう
3.きみの人生の会社に、自分と結びつきのある人を的確に配置しよう。互いに補い合える相手と組もう
4.独占をめざそう 競争からはさっさと身を引き、他社との競争を避けよう
5.フェイク起業家になるな
6.ステータスや評判だけを基準に評価するな ステータスに惑わされて下した決定は長続きせず、価値がない
7.競争は負け犬がするもの まわりの人間を倒すことに夢中になってしまうと、もっと価値があるものを求める
長期的な視野が失われてしまう
8.トレンドは過大評価されがち 最新ホットトレンドに飛びついてはいけない
9.過去に執着するな なぜ失敗したのかをすばやく分析し、あとは前を見て方向を修正していこう
10.成功に通じる秘密の道を探そう その他大勢がすることを真似してはいけない
すごいテクノロジー企業とは
1.何に価値があるのか
2.自分には何ができるのか
3.他の誰もしないことは何だろうか -
起業について、非常に勉強になりました。
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はじめに――iPhoneはイノベーションではない
第1章 はじまりの地、スタンフォード大学
第2章 「競争する負け犬」になるな――挫折からのペイパル創業
第3章 常識はずれの起業・経営戦略――ペイパル、パランティアはなぜ成功したのか
第4章 持論を発信する――『ゼロ・トゥ・ワン』と『多様性の神話』スキャンダル
第5章 成功のカギは「逆張り思考」――スタートアップの10ルール
第6章 ティールの投資術――なぜ彼の投資は成功するのか
第7章 テクノロジーを権力から解放せよ――ティールのリバタリアン思想
第8章 影のアメリカ大統領?――トランプ政権を操る
第9章 ティールの未来戦略――教育、宇宙、長寿に賭ける
おわりに――テクノロジーがひらく自由な未来へ
ピーター・ティールがシリコンバレーを離れる日――訳者あとがき
原注 -
2019年60冊目。満足度★★★★☆
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ペイパルマフィアの信念や、成功するまでの苦難の道程。
ゼロ・トゥ・ワン以降の、トランプ政権支持など相変わらず世間を騒がし続ける行動。
OYOを生んだティール・フェローシップ。
改めてピーター・ティールという異能の人がもつ特異性を思い知らされる。 -
名前は何度も聞いたことがあるけど「ペイパルマフィア」ということ以外よく知らなかったので読んだ。影のボス感がある。もちろん俺ですら名前を知っているのだから全然「影」ではないのだが。とりあえず逆張りで成功し続ける人という感じ。
『ゼロ・トゥ・ワン』を読んでから読みたい。 -
革命的決済サービス「ペイパル」を成功させ、フェイスブックを最初期から支えた大物投資家ピーター・ティール。ドナルド・トランプの政策アドバイザーも務める。なぜ彼は、いくつもの企業を成功させることができたのか? 氏の戦略と思考法を暴く。
はじめに――iPhoneはイノベーションではない
第1章 はじまりの地、スタンフォード大学
第2章 「競争する負け犬」になるな――挫折からのペイパル創業
第3章 常識はずれの起業・経営戦略――ペイパル、パランティアはなぜ成功したのか
第4章 持論を発信する――『ゼロ・トゥ・ワン』と『多様性の神話』スキャンダル
第5章 成功のカギは「逆張り思考」――スタートアップの10ルール
第6章 ティールの投資術――なぜ彼の投資は成功するのか
第7章 テクノロジーを権力から解放せよ――ティールのリバタリアン思想
第8章 影のアメリカ大統領?――トランプ政権を操る
第9章 ティールの未来戦略――教育、宇宙、長寿に賭ける
おわりに――テクノロジーがひらく自由な未来へ -
知識へのアクセスと、知識をシェアしあう姿勢こそが、より早いイノベーションの循環を生み、それによって全員が利を得るとマスクは考えた
知識のシェア本当に難しいです。闇ツモに集めるとカオス状態で使い勝手が悪いですし、整理しようとすると、誰が整理するんだ、となります。WikipediaやLinuxのように緩やかな統制を取るにしても、結局管理者が必要です。
というわけで、周りに認められるかどうかはさておき、自分が管理者の一端を担うことにしました。まずは徹底的に集め、その後はやる気のある人たちで分類する。色々上手くいかないこともあるでしょうけど、やらなければ何も進歩がない。知識のシェアが組織の活性化に必ず繋がると信じて、取り組んでいきたいと思います。
