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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988021147118
感想・レビュー・書評
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黒人差別を描いた映画はこれまでも何作か見てきましたが、この作品の緊迫感、出口の見えない恐怖は、ドラマというよりもスリラーやホラーに近いものを感じます。そしてそれは、人種差別と簡単に一線を越えてしまう人の恐ろしさを、描いたもののように思います。
舞台は1967年のデトロイト。警官たちによる多数の黒人逮捕がきっかけで、住民たちが暴徒化。街には軍隊が派遣され、外出禁止令が出されるなど、緊張状態となります。
そんな中、警官たちの中に生まれた一つの噂。それは黒人のスナイパーが警官たちを狙っているというものでした。
そして、ある日。不満のたまった黒人の若者がイタズラでおもちゃの銃を発射。警官隊はすぐさま音のしたモーテルに踏み込み、黒人たちを確保すると尋問を開始するのですが……。
興奮、恐慌、恐怖、そして差別感情……、警官たちは自制心を失い、取り調べには暴力を辞さなくなり……
延々と続く尋問シーンは、見ているこちらも精神的に参ってくる……。それだけ白人警官たちの狂気の演技がすさまじく、真に迫っていました。
そして差別というのは、単に暴力を振るったデトロイト市警だけの話ではありません。中で異常な尋問が続いているのに、責任逃れのため知らない顔を決め込んだ、軍や応援に来ていた違う街の警官隊。
行動を起こさないという差別もまたあるのだな、ということをなんとなく考えた場面でした。
物語のラスト近くで、裁判のシーンがあります。その判決の理由で、裁判長は自白や取り調べの正当性を語ります。それがあまりにも皮肉で、呆然としました。
公的には検証されておらず、当事者の話から再構成されたというこの映画。これがどこまで真実か、安易に語ることはできません。
しかし、これまでの人の歴史を考えると、この映画と事件からのメッセージは決して見過ごしてはならないものだと思います。 -
ここ数年観てきた映画が、この『デトロイト』で全部つながった感じがしてびっくり。いつものように事前情報なしで観たので、デトロイト暴動の際に起きたアルジェモーテル事件って知らずに鑑賞しました。
直接的に関係してるもので、この映画を観た方にもお薦めなのが『ドゥザライトシング』と『LA92』。
特にお薦めはしないけど最近たまたま観たのが『永遠のモータウン』。それぞれの拙レビューもよろしければ読んでみて下さい。
そこで私は、「モータウンは白人向けにチューニングされた音楽」と書きましたが(良い意味で)、このへんを理解しておくと主人公のひとり、ラリーの気持ちもよりわかると思う。
『永遠のモータウン』によると、ファンクブラザーズのメンバーたちは、暴動中にスタジオから安全な場所までなんとか脱出したと言っていたんだけど、この映画のラリーはというと……。
ストーリー仕立てをされた映画として考えるとありがちな内容なので☆4ぐらい。やはりドキュメンタリー映画の『LA92』の方が良かったのだけど、67年だしドキュメンタリーとして作れない内容。キャスリンビグローはドキュメンタリータッチの再現映像として作ってます。作るのはかなり大変だったのではないかと。
ドキュメンタリーのよさと、ストーリー仕立ての映画のよさはまた別で、より伝わりやすくなるんじゃないかなと思います。とにかくこの映画は、全編にわたって張り詰めた緊張感がハンパなかった。
キャスリンビグローの映画は、普通に『ハートロッカー』『ゼロダークサーティ』ぐらいしか観ていない。(あ、『K-19』も観てるか)
その流れでいくと、この映画のもうひとりの主人公ディスミュークス(ジョンボイエガ)は『ハートロッカー』のジェレミーレナーと重なって見える。暴動という内戦状態、板挟みの中で、職責を果たそうとする。
『ゼロダークサーティ』との関連性で言うと、大量破壊兵器があるとしてイラク戦争を始めたのに結局はなかったことなんかが、この映画の内容と完全に重なっている。
そう考えていくと、キャスリンビグローがなぜこういう映画を作ったのかとか、彼女の作家性が見えてくるような気がします。1967年の話ではあるけれども、完全に「現在の話」としても考えられるような内容。
あとは音楽が良かったです。
デトロイトだと、私が知ってるのはモータウン〜(Pファンク〜)デトロイトテクノっていう流れと、他はエミネムぐらいしか知らないのだけど。
歳をとってくると、10代20代の頃みたいにビビッとくる音楽って少なくなってくるなあ……と思ってた矢先に、ザルーツのエンディング曲を聴いて、すごく良かったです。クエストラヴってディアンジェロのドラムやってるような人なのね、と。そこからJディラやクリスデイヴ……宇多田ヒカルの『初恋』、そういや聴いてないわ。
と、色んな音楽を聴く理由ができたのも嬉しかったです。 -
The Great Migration(アフリカ系アメリカンの南から北への移住。差別社会から逃れて、北部の工業地帯でよりよい生活を得ることを求めて)について、それが必ずしもすぐ結果に結び付かず、アフリカ系住民の不満が溜まり内戦状態になったこと、それにまつわる差別的な経験、そんなことを全部教えてくれた映画だった。見ていて辛かったけど、知れてよかった。
Becoming by Michelle Obamaを読んでいて、The Great Migrationについて触れられていて、数年前に観たことを思い出した。 -
レイシストは悪であるという常識が根付きつつあるデトロイトで起きた、レイシスト白人警官たちの心理の揺らぎが妙にリアルだった。本心では差別しているのに、表面上は平等に扱わなければならない。あるいはその逆。
ところが程度は違えど日本におけるイジメの構造と酷似していてゾッとさせられた。 -
ウィルポールターの演技というか、存在に釘付けになって見続けていた。
あの常にへの字に曲がった眉は、誰の目にも彼の人格を刷り込ませてこの先のストーリーに影を落とし、こやつを成敗して欲しいという期待を掻き立てる。知性を欠き、利己的な行動をとる人間の典型的な表情を見事に演出し、振る舞い続けた。
でもこの映画を観るまで知らなかったが彼の他の作品ではまったく違うキャラを演じている。
こういう“役者”になれたら、映画も楽しかろうに。
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日本人は人種差別を永遠に理解できない(理解する権利がない)と思い知らされた作品
彼ら/彼女らが受けた屈辱は、平和な日本に住んでる以上意見できるほど理解することはできないと思いました
日本人が考えている差別と、実際アメリカで昔行われた差別とのレベルが違いすぎる。 -
1967年のアメリカ・デトロイト、黒人差別の暴動から起きた悲劇「アルジェ・モーテル事件」を、「ハート・ロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティ」を手がけた女性監督・キャスリン・ビグローが描いた。
終始、硝煙や火薬の消えない臭いがこびりつくような、汗臭い、ざらついた緊張感がつきまとう。
白人であり暴走した正義の象徴である警官を演じたウィル・ポールターと、黒人であり常に理知的で善意の第三者である警備員を演じたジョン・ボイエガの見事な対照が、酸欠になりそうな現場を再現する。
アメリカの黒人差別問題は非常に複雑で根深く、それ故に単純な勧善懲悪といかない側面がある。ほんの些細な、あそこであんなことしなきゃ、言わなきゃ良かったな、という場面が双方にほこりのように薄っすら積み重なっていき、取るに足らないきっかけで、ブワッーと巻き散る、そんな遣る瀬無さを感じる。
ドラえもんに出てくる「どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ」ということばを、鑑賞後の後味の悪さを感じながら思い出した。
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別途
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とにかく息が詰まる瞬間が続き、苦しくなってくる。
怖い。
人種差別も、
隠蔽工作も、
人間の心理の裏にある迫害不安が横たわっており、
人類はいつまでもこの精神病理から抜け出せないのかと、
現在を思っても考えさせられてしまう。 -
67年のデトロイト暴動のアルジェ・モーテル事件を映画化。
人種差別の色濃かった頃に起きた事件を映画にしたものだが、密室における狂気と恐怖の実話でもある。
劇中でこんなことが許されるはずがないという意味で「今は67年よ!」という言葉を発するのが強く印象に残った。
話が重すぎてやや見づらくなってしまったか。とにかく重い。 -
日本ではあまり知られていない、デトロイト暴動の際に起こった、白人警官による黒人虐殺を描いた映画。
どうも、社会派映画とかノンフィクション系映画を観てると、本当の所はどうだったんだろうとか、この映画の演出をどの程度割り引いて事実を捉えないといけないんだろうという、気持ちになって素直に楽しめない。
説教臭さも、最近は受け付けなくなってきた。
しばらくは、こういったタイプの映画を観るのは止めておこう -
実際にデトロイトで起きた暴動の中起こった白人警官による黒人3人の殺人について、裁判までを追ったドラマ。
警官の職務、について、やり過ぎていることに現場で気づいたものがいても、そこに介入するのに人種問題が面倒だと関わりたがらない姿勢がなかなか興味深い視点でした。
証言者が警官側の弁護士に犯罪歴を質問され、俺の裁判じゃなくて殴ったのは警官たちで、お前も同じことをしてる、というシーンが印象的だった。なんかアメリカの法廷って証言者に対しセカンドレイプみたいな質問平気でするけどそういうもんなのかな…。
ラリーが人気や金を捨てて二度と警官を信用せず、親友フレッドを弔うように教会で歌い続けている、という事実は心に残りました。一度深く損なわれてしまった信頼は復活しない。人種問題深く根ざす事件のことを知れて良かった。
シングストリートのお兄ちゃん、ジャック・レイナーがアホだが自白すると決めた警官役で、一応救いがある役でよかった… -
時は未だ有色人種への差別が根強い1967年のデトロイト。デトロイト市警は酒類販売の許可が取れていないとの言い掛りを付け酒場にいた多数の黒人客を逮捕。これをきっかけにデトロイトの街は混沌を迎える事となる。地元デトロイトの黒人青年5人によって結成されたバンド、ザ・ドラマティックスはレコード会社との契約を目指し地元の音楽堂でのライブにてその歌声を披露する直前、暴動の影響により公演中止に追い込まれてしまう。ボーカルのラリー( アルジー・スミスさん)は友人とアルジェ・モーテルに宿泊する事になるのだがこれが彼のその後の人生を決めてしまう事となる。人種間の憎悪と対立で黒人社会に広まる厭世的気分とそれでもアメリカンドリームを求めて明日に向かおうとする黒人青年達。色々と考えさせられる映画です。
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ありがち。
もう一声。 -
1967年のデトロイト暴動のさなかに起きた、白人警官による黒人射殺事件を描いた映画。
乾いたドキュメンタリー・タッチで描かれたデトロイト暴動の様子が、まず凄まじい。暴動というより、白人対黒人の「内戦」に近かったのだ。
同じ60年代の黒人差別を描きながら、『ドリーム』がポップで軽快な映画だったのに対し、『デトロイト』は暗く重い。そして、最初から最後まで緊張感が続く。
とくに、事件の舞台アルジェ・モーテルで、レイシストの警官たちが居合わせた人々を追いつめていく40分間のシークェンスの重苦しさはすごい。
結果的に3人の無実の黒人を射殺しながら、犯人の白人警官3人がいずれも無罪になるあたりも、なんともやりきれない。
しかし、そのようにヘビーで、およそ「娯楽的」ではない映画でありながら、まぎれもない傑作である。最初から最後まで目が釘付けになる。監督のキャスリン・ビグローはすごい。 -
デトロイト暴動の後のアルジェモーテル事件を題材にした映画。
途中、40分ほど警官による黒人への暴行及び殺害の場面があり、はっきり言って正視できません。あまりに酷いです。
しかも、警官は全員無罪という、正義が実行されないもどかしさもあります。
ノンフィクションだから仕方ないですが、これがフィクションだったらいたたまれなくて絶対嫌です。
最後の聖歌には救われました。
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