「最前線の映画」を読む(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル) [Kindle]

  • 集英社 (2018年2月12日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • とりあげられている映画は、社会派やSFが多い印象で、見ていないのも多かったし、難解そうだったり暗そうだったりで、この先も見なさそう(失礼)と思うものも多かったんだけど、解説がさすがに手際よくてわかりやすくて、興味深く読んだ。
    とくによかったのは、「マンチェスター・バイ・ザシー」の章。これは映画を見ていて好きだったのでなおさらだけど、解説読んで脚本家のケネス・ロナーガンにすごく興味をもった。わたしなんか、映画って、だれが出演するかを重要視してるけど、もっと監督や脚本家に注目すべきなんだなーといまさら思った。ケネス・ロナーガンの前作で、つくるのに約十年かかってしかも成功しなかったっていう「マーガレット」も見てみたくなった。
    あと、映画自体はホラーなんで見ていないし見るつもりもないんだけど「イット・フォローズ」の章もよかった。まず、監督が「アメリカン・スリープオーバー」っていう、わたしも最近見た青春モノの監督だっていうのに驚いて。(やっぱり映画って監督にも注目すべきなんだとここでまたしても思ったわけで。)「イット・フォローズ」の恐怖は結局「死」への恐怖で、「アメリカンスリープオーバー」で描かれる「大人になること」っていうのもつまり「死」に近づくことなのだ、っていう解説になるほどなーと感心した。で、死への恐怖をやわらげるのは、恋愛、というか、ひとりでいるよりはふたりでいること、っていうのになんだかとても感動した。

    町山さんていったいどのくらい、映画見るだけじゃなくて、周辺のことすべて、アメリカの文化や歴史やさまざまなことも、勉強してるんだろうって心底感心する。。。

  • すんげー映画見てたころだったから収録された20作品中18作品見てて我ながらすごいと思った。
    町山さんの文章は気持ちが前のめり気味で読みづらいときあるけど、影響を受けた過去作などの情報がすごくて勉強になる。

  • ちょっと怖い映画が多いかな

  • Vol.2よりは読みやすく、有名な映画・自分の好きな映画が多く含まれていて、とても参考になった。それにしても、洋画をちゃんと観るにはある程度キリスト教の基礎知識はあった方が良いようだ。

  • 778/マ/17 棚:18〜19

  • 映画の解説といえばこの人、町山智浩さんが2016年〜2017年ぐらいの作品たちを解説しています。

    昔の映画の知識だけでなく様々に豊富な知識で背景やその場面の意図を解説してくれる町山さんの文章は本当にわかりやすい。

    特に昔の映画のオマージュなんかに関しては素人にはまったくわからないものなので、素直に感嘆の声が出る。映画はやはりその秘められたメッセージを読み解いてこそだと改めて思う。もちろん純粋に映像を楽しむという見方もあるし、全て頭を使わなくてはいけないというわけではない。楽しみ方のオプションが増えるだけで良い。そして知識がつながった瞬間、それが本を読んだり、勉強をしたりする際の楽しさに繋がるのではないか。

    例えばアメリカン・ヒーローもののワンダーウーマンも時代背景からくるメッセージが隠されている。観たことのある作品も観たことない作品もまとめて観たくなる。そんな本です

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『トランピストはマスクをしない コロナとデモでカオスのアメリカ現地報告』(文藝春秋)、『映画には「動機」がある「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。

「2021年 『町山智浩のシネマトーク 恋する映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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