分断した世界 逆転するグローバリズムの行方 (集英社ビジネス書) [Kindle]

  • 集英社 (2018年4月26日発売)
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  • ほんの少し前までは「インターネットのお陰で世界はフラット化に向かっている」という話だった。
    この話にはすごく腹落ちしていた。
    テクノロジーの進化によって、地球の裏側にいても瞬時につながることが出来るようになった。
    SNSの発展は国境すらも越え、発展途上の国民も等しく情報へのアクセスが可能になった。
    そのために、世界中の有名な学術論文を読んで、勉強することも簡単にできるようになった。
    知識を得た途上国の人々は、今まで搾取されていた立場から逆転し、先進国を打ち負かしていく。
    そして、世界には格差が減り均衡化されていく・・・
    一見すると、今までの先進国の立場が危ぶまれ、途上国に夢を与える内容だ。
    しかし話の本質はもっと奥深い。
    実は、テクノロジーの進化が、新たな格差を生み出しているからだ。
    しかもその格差は、今までとは比較にならないくらいの「富の差」を生み出している。
    「世界で最も富裕な8人が、最も貧困な36億人分と同じ資産を所有している」と発表されたのは2017年だ。
    テクノロジーと情報を使いこなせる人だけが富む。
    たとえ先進国でさえも、それらを使いこなせない人は徹底的に搾取され貧する。
    そして貧困は遺伝的に次世代にも引き継がれるため、一度落ちたら二度と這い上がれない。
    EUからのイギリス離脱(ブレグジット)だけでなく、アメリカ内でさえも、シリコンバレーとかつての工業地帯(ラストベルト)との摩擦が過熱している。
    移民を受け入れた国々も、逆に自国民の生活が脅かされてしまった。
    今では移民受け入れに歯止めをかけている。
    つまり「平等」は建前で、本音は自分たちが優先。
    トランプが大統領になった流れも、これらを踏まえると納得がいく。
    世界はフラット化に向かいつつ、搾取された白人たちは「自国ファースト」を掲げて反撃に出たのだ。
    アメリカは移民の国だ。
    そのために今の人口統計上では2050年頃純粋白人の割合は30%程度まで落ち込む。
    ヒスパニック系やアジア系が大きく割合を増やし、アメリカは最早ホワイトアングロサクソンの国ではなくなるのだ。
    世界は新たな格差が生まれ、分断化されていく。
    これが今の世界の潮流であり、紛れもない事実なのである。
    (2019/8/23)

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著者プロフィール

高城 剛(たかしろ つよし)
1964年東京都葛飾区柴又生まれ。
日本大学芸術学部在学中に、「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、ソニー・プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。著書に『世界はすでに破綻しているのか?』『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』(集英社)、『ヤバいぜっ! デジタル日本』『オーガニック革命』(集英社新書)、『2035年の世界』(PHP研究所)、『人生を変える南の島々』『LIFE PACKING2.1 未来を生きるためのモノと知恵』(パブラボ)などがある。

「2017年 『不老超寿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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