「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 著者は、偏差値35から一念発起、能動的な読書術で東大に合格できた現役東大生。そんな著者が語る、能動的読書のノウハウの数々。

    読書術の本を既に幾つか読んでたので、特に目新い内容はなかったが、 "○○読み" をたくさん登場させていて、そのネーミングセンスはなかなか面白いと思った。

    本書の○○読みを全て実行すると、とにかく手間ひまがかかる(それに、本を読む楽しみ自体は半減すると思う)。なので、受験とか資格取得とか、特定の目的がある場合にのみ使えるスキルだな。以下、著者推奨の○○読みを列挙してみる。

    ○読む前の準備:「装丁読み」(カバー・帯を読み解く)と「仮説作り」(内容の推測、何を学ぶか設定)、付箋にメモして本の見返しに貼っておく。

    ○「取材読み」(著者の考えに沿って問いを立てる「質問読み」、疑わしきを自分で調べる「追求読み」)

    ○「整理読み」(各節・章を30字以内に要約する「要約読み」、次の節・章の展開を推測する「推測読み」)

    ○同分野の2冊を同時並行で読む「検証読み」(共通点と相違点を探す「パラレル読み」、議論が分かれるポイントや争点を探す「クロス読み」)

    ○「議論読み」(仮説を検証する「答え合わせ」、帯コメントを作る「アウトプット要約」、著者に同意できたか「自分なりの結論」)

    ブクログに要約・感想を載せるのも、「要約読み」や「議論読み」になるのかな?

    本書で著者は、おすすめ本をたくさん挙げている。その中では、内田幹「寝ながら学べる構造主義」、高松平蔵「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか」、坂口安吾「堕落論」等を読んでみたいと思った。

  • 20年以上前に落ちこぼれ東大生やってたけど、時間の使い方に後悔が残っているため、未だに「東大講義」とか「東大」を冠した本が気になってしまう。本書は現役東大生が自身の読書法を纏めたものだけど、対象読者層は高校生から大学生くらい?ちょっとオッサンには目新しさもなく、内容も軽くて。書かれてることはマトモだと思うけど、著者には本の内容を語り合える友人が周囲にいるっぽいことが何よりなんじゃないかと。それこそ最高の読書だ。

  • 「情報」を「知識(=自分で活用できる)」に昇華させる、能動的読書の方法。 #東大読書

    読書法の本は何冊か読んで「つまみ読み」「ページ内に書き込み」「繰り返し読み」「要約ノート」などなど色々見てきたけど、こちらは「地頭力を鍛えるための読み方(=読解力と一緒に思考力も身につける)」という切り口で、(自分にとっても子どもに伝えるためにも)参考になった。

    ====== 以下、印象に残った箇所(ネタバレ)======

    ★読書前の事前準備が大事!
    読書は「森」
    - 装丁読み … ライト(部分・ミクロ)
    - 仮説作り … 地図(全体像・マクロ)

    【装丁読み】
    ・本のカバー・タイトル・帯・説明文・作者情報などから「ヒント」を取得
     →1つの付箋に1つの情報(引き出したヒント)を書いていく(3枚以上・10枚程度が理想)
    ・付箋を見返しに貼っておいて、何度も見返す。(記憶の定着・読み返しに役立つ)
     →怪しい情報は「?」を入れたり、途中で書き込む

    【仮説作り】
    ・ 完璧な地図は作れない。間違っていてもOK → 読み進めながら、地図を修正
    ・装丁読みの段階で「自分に合った仮説」を作ってみる
    ・「どうしてその本を選んだのか(目標)」を付箋に書く(読者によってレベル・目的は違う)
    →「どうすれば目標達成なのか(ゴール地点)」「自分の立ち位置(スタート地点)」
    ・ 「目標」を先に設定する方が、より遠くへ行ける(ゴール地点から逆算)
     → 本はより遠くに行くためのツール

    【取材読み】
    本の読者ではなく、記者として取材しながら読む
    → メモを取り、相槌を打つ(納得)、質問を考える(疑問)

    ・質問読み(=読解力が身につく)

    ・追求読み(=思考力を鍛える)

    ・整理読み(情報整理 → 要約読み・推測読み)

     「本は魚」… 「骨」が一本ある。骨=著者が言いたいこと。
     頭(文頭)としっぽ(文末)が著者が言いたいこと(要約)
     身は言いたいことを補強するもの(例示)など。
     
     →整理読み:「骨」と「身」を分離する。 
     →推測読み:著者が本当に言いたいことを探す(骨を探す)

    ・検証読み(同時並行で複数の本を読むパラレル読み・クロス読み)

    ・議論読み(アウトプットが大事)
     仮説の答え合わせ = 目標は達成できたか?道筋は正しかったか?
     2周目は同じ目標で読まない。新しい目標を持って読み返す

    「仮説」→「質問」→「整理」→「検証」 =「議論」のため
     

  • ‪学生もしくは若手社会人特有の、山頂で思い切り深呼吸する快感にアドレナリンが出まくっている時のような高揚感が微笑ましい。‬彼の30年後くらいが楽しみ。

    肝心の中身だが、誰もが無意識にやっているものと思っていたことが、ジューシーに肉付けされて書かれており、一種のカルチャーショックとでもいおうか…。この内容で「なるほどー!」という口コミが結構な数あるのを目にして、過去に受けてきた教育に感謝した。対話型の読書なくして、一体なにを本から得ようというのか…(もちろん本に限らず、全ての情報についても同様の向き合い方が必要なのはいうまでもない)。

    また、同じように読書をしたところで、皆が皆東大生的思考や知能を手に入れられるわけでもない。

    東大生には、成功法と言われている「当たり前の事」を1から100まで地道にこなし続ける才能がある人が多い。例えば、
    ・天声人語を毎日要約し続けたら東大にだって行けるよ
    ・塾に行かなくても教科書を端から端まで理解すれば東大に行けるよ
    ・毎日英字新聞を読んで、知らない単語が出てくるたびに英英辞典でひいて覚えていけば東大にいけるくらいの英語力が身につくよ

    凡人は「またまたぁ」とか、「そりゃそーだろうけど、ムリ」と言ってやらない。もしくは興味を惹かれて一瞬だけやってみてすぐ飽きる。たが東大に行く才能がある人は大抵、驚くほどの実直さ・素直さを持って東大合格を手にするその日までやり続けるのだ。

    つまり、この「100%にできるだけ近いレベルで1冊を自分のものにするためには、なりふり構わず時間もかけまくる」読書術を、本作を読み終えた瞬間から永遠に実践できる人には、東大に行く素質があると言えそうだ。

    だが、この本を読むであろう多くの社会人は、別に今から東大を目指そうとしているのではない。東大生的思考や地頭力を「いっきに」身につけたいのである。
    皮肉にも筆者が推奨する(いつも自然に行なっている)装丁読みをした結果、見事に期待を裏切られるかたちとなった。いかに必要な情報を短時間で効率的に自分のものにするかが重要になることが多い社会人の読書法としては、適していない。

    そして残念ながら、やはり東大生には一夜にしてなれないことをあらためて思い知らされる結果となった。

    読書法は1章程度で紹介して、実際にその読書法で読んだ本への見解をいくつかまとめてくれた方が、東大生の読む力と地頭力をいっきにのぞけた気分になれた気がしてならない。

    30年後の彼に期待したい。

  • この本は「そんなことあたりまえ」「知ってる」と言ったレビューが多いです。本をレビューするほどの人たち(おそらく読書習慣があるでしょう)にとっては学びは少ないかもしれませんが、ただ漠然と読書をしている人や、読書習慣のない人にはおすすめできます。

    僕は読書習慣がありますが、読書の仕方を言語化して確認する意味で役立ちました。

  • 現役東大生の読書法というフレーズに惹かれ本書を購入。

    以下、具体的な読書法まとめ
    STEP1 読書前の準備
    ●装丁読み ➡︎ タイトルや帯、著者のプロフィールから引き出した情報を付箋に書き出し、本の見返しに貼っておく

    ●仮説づくり ➡︎ 本全体の大きな流れを理解する。本を読む目標を定めて、どうやってその目標を達成するのかという道筋を考える。そして、本を読む前の自分がいる現在地を把握しておく

    STEP2 取材読み
    ●質問読み ➡︎ 読み進めていく中で、著者に質問したいことを考えながら読む方法。
    効果:「ここに質問はないかな?」を本を隅々まで読むことにつながり、内容をより詳しく理解できるようになる。

    ●追求読み ➡︎ 書かれている内容が本当に正しいか疑問を持ちながら読む方法。
    効果:疑問を持ったり自分で解消したりを繰り返すことで、考える力や意見を深める力を鍛えることができる。

    STEP3 整理読み
    ●要約読み ➡︎ 節・章の要約的な一文を探し、部分的なまとめを30字以内で書く。それらを見ながら、140字いないで全体のまとめを書く。
    効果:商法を取捨選択に慣れて、「端的に伝える力」が身に付く。

    ●推測読み ➡︎ 今までの要約を見返し、次の節・章の推測をノートにまとめる。その章でも要約を行い、推測の正誤を確認。
    効果:「骨」になる主張が何なのかを見極める能力が向上する

    STEP4 検証読み
    ●パラレル読み ➡︎ 関連性のある2冊の本を並行して読み、共通点と相違点を見つけたら付箋に書き出す。読み終わった後に相違点の理由をひとつつひとつ検証する。
    効果:一つのことを多面的・客観的に捉える力が身に付く

    ●クロス読み ➡︎ 二つの本で議論が分かれる点があったら、別の本で調べてみる。調べて分かったことをノートに書く。
    効果:多面的な思考力を鍛えることができる。

    STEP5 議論読み
    ●答え合わせ ➡︎ STEP1「仮説づくり」で設定した仮説が正しかったかどうかを確認。想定と違っていれば、目標と道筋を修正し、もう一度本を読み直すか、新たな本を読み始める。

    ●アウトプット要約 ➡︎ 読んだ本の帯コメントを30文字以内でつくる。STEP2「仮説づくり」、STEP3「要約読み」を踏まえながら、著者が本当に言いたかったことを考える。 

    ●感想を書く ➡︎ STEP4「クロス読み」の交錯ポイントのまとめを見て、その本の意見が正しいかどうかを”自分の考え”で判断する。
    —————————————————————————————————————
    まあ、これだけ時間をかけて吟味しながら読めば、そりゃ内容忘れないよね、
    って感じ。
    僕が知りたかったのは、それなりのスピードで読んで、かつ内容を忘れない読書法。
    読書後のアウトプットは最低限必要だと思いますが、全てを実践するのは正直しんどいです。

    ただ、受動的ではなく能動的に読書をするということは大切かも。
    著者に何かを投げかけながら読むというのはアウトプットにもなるため、
    今後の読書に取り入れてみようと思います。

  • 本から得た「情報」を己の「知識」にしていくための熟読法を紹介している。
    というか、本を熟読するための訓練法、といえる。
    正直、手順自体はかなり愚直で煩瑣だ。

    本を読み始める前に、表紙や帯等の情報から内容に対する仮説を立て読書目標を立てる。
    本の中で質問がつくれる文章が出てきたらチェックし、回答を探す。
    読み終わったら、今度は批判的な目で読み疑問が生じる箇所がないかを精査する。同時に疑問の答えも探す。本の中で解消されなかった疑問点は別の方法で解を探す。
    各章ごとに要約を作りながら読み、最後に一冊分の要約を作る。
    同一分野の本を2冊並行して読み、共通点と相違点をピックアップしていく。
    同一分野の本で議論が分かれる論点があれば、それぞれの本の主張をまとめていく。
    最後に、読んだ本の感想を残す。

    ざっと書き出しても一冊読むのに相当な手間をかけることが分かる。
    敢えて手間暇かけて本と向かい合う経験を積むことを本書は推奨しているのだ。これは読解力を身につけるための基礎トレーニングという位置づけだと理解した。
    未来永劫この読み方を続けねばならないというものではなく、何十冊とこの手法を続けていけば、どんどん手順を省略できるようになり、最終的には一読して本から多くの知識を得られるようになる・・・という塩梅だろう。
    この読書法の難点は、時間がかかるのももちろんだが、常に付箋やノートを開いてメモを取れる体勢を前提にしているというところであろうか。
    電車の中などが数少ない読書タイムな社畜にはなかなか厳しい。

    とは言え、お手軽さを謳う(そして実践の観点からはかなり怪しい)速読本が巷に溢れるなか、こういう愚直な手法を提唱する姿勢は結構好きである。
    初心に帰ってちょっとやってみますかね。

  • 流石東大生と言えるくらいわかりやすく書かれていました。これのおかげで本を読むのが楽しくなりました

  • 本を血肉にするための方法が書かれてる。
    装丁からしっかりヒントを得、どのようなことが書かれているか仮説を立て、その本から何を学ぶのか目的をはっきりさせてから読む。
    面倒くさがりの私は本を読むのが嫌になってしまうかも。と最初は思っていたが、本書を読むうちに、せっかく読むならそうしないと勿体ないと思うようになった。
    本を読み慣れてない人でもこの本のアドバイスを実践すれば、かなり読解力がつくと思う。
    「クロス読み」はかなり深い知識が手に入るけど、時間がかかりそう。
    本書を読んで、速読では「知識」は得られないと思った。

  • クリティカルシンキング

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著者プロフィール

西岡 壱誠(にしおか・いっせい):1996年生まれ。偏差値35から東大を目指し3年目に合格を果たす。東大入学後、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)の監修(東大監修)を担当。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立し、代表に就任。経験に基づく教育プロジェクトを全国20校以上の高校で実施。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)シリーズのほか、『東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』(日経BP)、『それでも僕は東大に合格したかった』(新潮社)など著書多数。

「2023年 『東大生と学ぶ語彙力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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