サマーウォーズ 2009
『サマーウォーズ』(SUMMER WARS)は、マッドハウス制作の日本のアニメ映画。2009年8月1日に、新宿バルト9、池袋HUMAXシネマズ、丸の内ルーブルほか全国にて公開された。
キャッチコピーは、「これは新しい戦争だ。」(ティザーバージョン)「つながりこそが、ボクらの武器。」(本ポスターバージョン)
主な賞としてシッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門 (Gertie Award) 最優秀長編作品賞(第42回)、星雲賞メディア部門(第41回)を獲得している。
概要
細田守の初の長編オリジナル作品で、脚本の奥寺佐渡子、キャラクターデザインの貞本義行など、『時をかける少女』のスタッフの多くが引き続き参加している。インターネット上の仮想世界とリンクする世界を舞台に、インターネットの中で起った世界を揺るがすサイバーテロと、それに立ち向かう田舎の大家族の現実社会でのつながりとインターネットを介した世界中の人々とのヴァーチャルなつながりが描かれる。
物語は、ふとしたことから仮想空間で起こった事件に巻き込まれ、指名手配されてしまった天才的な数学の才能を持つ主人公が、憧れの先輩やその家族・親戚一同とともに、世界を危機から救うべく奮闘する姿を描く。砦の様な旧家の豪邸に集った大家族は、曾祖母の持つ政財界の人脈、家族のそれぞれの職業、スーパーコンピューター、自衛隊の通信用最新機器、イカ釣り漁船、携帯ゲーム機などを駆使し、格闘ゲームや花札など意外な能力も発揮して人工知能と闘い、主人公も得意の数学を武器にその戦いに参戦する。細田は「普通の人たちがそれぞれの能力を出し合って大きな力になる。そういう関係が僕の理想。アニメ作りの現場もそう。だから僕は『みんなと一緒で楽しい』という話を作って現場を肯定したい。『孤独でつらい』なんて話をスタッフに強要できない」と語っている。
テーマは大家族の絆。本作で細田は、結婚や親戚付き合いを中心に描いている。
舞台は長野県上田市で、城下町の町並みや上田電鉄別所線、上田交通真田傍陽線などが作中に登場する。上田市には細田の妻の実家があり、訪れた際に抱いた「日本の原風景」のイメージを投影することを考えた。細田は「当時既に両親を亡くし自らも一人っ子だったため、妻の親類の家族の繋がりに深い感銘を受けた」と語っており、妻の親類が物語の中核をなす陣内家のモデルとなっている。作中の陣内家のモデルは真田氏である。
本作品で登場する仮想空間OZは、Twitterをはじめとするソーシャル・ネットワーキング・サービス(いわゆるSNS)とよく比較され、『サマーウォーズ』のTwitter公式アカウントと連動して作中で登場するこいこい(花札の遊び)のアプリケーションが公開されるなどした。また、テレビ放送時には、作中での登場人物の行動・台詞になぞらえて「あなたのアバターを貸してください」というツイートがTwitter上に書き込まれて拡散(リツイート)され、最終的には3000人前後が参加する企画となった
あらすじ
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界OZ(オズ)。ユーザーはパソコン・携帯電話・テレビなど]から自分のアバターを操って、ショッピングやゲームだけでなく、納税や行政手続きなどの様々なサービスを利用できる。OZの管理権限や個人情報などは、世界一安全と言われるセキュリティによって守られていた。
ある日、佐久間と共にOZの保守点検のバイトをしていた、東京に住む高校2年生の健二は、憧れの先輩である夏希から、”一緒に夏希の実家に行く”という「バイト」に誘われる。長野県上田市にある実家には夏希の曽祖母である栄おばあちゃんの90歳の誕生日を祝うために、26人の親族が一堂に集まり、健二はひょんなことから栄のために「夏希の婚約者のふり」をすることになった。
2010年7月30日の午前0時25分、健二の携帯電話に数字の羅列が書かれた謎のメールが送られてくる。数学が得意な健二は、それを何かの問題だと思って回答してしまう。しかし、それはOZの管理権限を奪取できる暗号であった。翌日、OZは謎の人工知能・ラブマシーンに乗っ取られてしまう。その影響はOZと密接に連携していた現実世界の各種インフラにまで及び、社会全体に大きな混乱を引き起こしてしまう。人々が対応に苦しむ中、栄は人脈を駆使して被害の軽減を図り、事態は収束に向かう。しかし、栄は翌朝、心臓発作(狭心症)で死去してしまう。
陣内家の女性陣が葬儀の準備を進める中、健二と陣内家の男性陣有志は敵討ちや被害拡大の防止のためにラブマシーンを倒す準備を進めていた。作戦の結果、一時はラブマシーンを封じ込めることに成功するが、作戦に使用していたスーパーコンピューターの冷却のために使っていた氷を翔太が栄の遺体の保存のために持ち出したために熱暴走を起こすというアクシデントで逃げ出されてしまい、あげくにはキングカズマのアカウントまでもが奪われてしまう。ラブマシーンは、奪った4億を超えるアカウントの権限を利用して、小惑星探査機・「あらわし」の再突入体を世界に500か所以上ある核施設のどこかに落とそうとする。落ち込む一同だったが、健二の言葉と栄の遺言により気力を取戻し、夏希は栄に仕込まれた花札(こいこい)勝負でラブマシーンへ最後の戦いを挑む。
一度はラブマシーンに一瞬の隙を突かれ敗北し、掛け金が二桁にまで減らされるという窮地に陥るものの、全世界の人々の厚意によって得たアカウントを使ってラブマシーンに奪われたアカウントのほぼ全てを解放することに成功。その後、ラブマシーンは「あらわし」の再突入体を陣内邸に落下させることを画策。だが健二の機転と計算能力、侘助のラブマシーンへのクラッキングと佳主馬が奪い返したキングカズマのラブマシーンへの一撃によってGPS制御の「あらわし」の再突入体の落下地点を陣内邸からずらすことに成功。陣内家の家屋は半壊するも、陣内家の面々は生き残ることができ、怪我の功名で源泉まで手に入れた。
明けて栄の葬儀の日と共に栄の誕生日。OZの混乱を終息させた立役者であり、陣内家を救った功労者である健二と、彼への好意を認めた夏希の仲を、一族みんなが見守るのだった。
登場人物
主要人物
小磯 健二(こいそ けんじ)
声: 神木隆之介
本作の主人公で17歳。東京都内にある久遠寺高校に通う高校2年生。物理部に所属している。引っ込み思案で内気な性格。数学が得意で、その力は国際数学オリンピックの日本代表を狙えたと評されたほど。
父は海外に単身赴任、母は仕事で忙しく、自宅ではほぼ一人の生活をしている。
夏希からアルバイトの誘いを軽い気持ちで受け、彼女の本家である陣内家を訪ねたところ、いきなり婚約者として紹介され、偽の恋人役を演じる羽目になる。
訪問した当日の夜、ラブマシーンから送られてきた暗号に返答(最後の一文字をタイプミスしたため誤答であったが)したことでアカウントを乗っ取られ、OZの混乱の犯人という濡れ衣を着せられたことから、事件解決に乗り出す。ハッキングAI「ラブマシーン」との戦いで劣勢に追い込まれるものの、「まだ負けたわけじゃない!」と自身を奮い立たせ、その姿が陣内家の結束を促していく。
夏希の嘘が判明してしまったが、それでも栄から夏希を「よろしく頼む」と懇願された。
OZ内で使用しているアバターは、最初はミッキーマウスに似た丸耳が付いた少年だったが、ラブマシーンにアカウントを奪われて以降はデフォルメされたリス(佐久間が陣内家の健二に電話した際、使用した番号を仮アバターとして登録したもの)。
篠原 夏希(しのはら なつき)
声: 桜庭ななみ
本作のヒロイン。1992年7月19日生まれ。18歳。久遠寺高校の3年生で、健二が想いを寄せている相手。剣道部に所属しており、明るくノリが良い性格で、校内のアイドル的存在。
一緒に実家に行くという「バイト」に健二を誘い、彼氏のふりをしてもらった。
曾祖母である栄を心から尊敬しており、栄を自分の目指すべき理想の大人の姿としている。同様に、一族のことも非常に愛しており、未成年の中では最年長であることから、自ら積極的に他の子供の面倒をみたり年長者の手伝いを行うといった描写も見受けられる。
幼いころから侘助に恋心を抱いていたが、小説版や漫画版では曾祖母の栄から「本当に人を好きになるということがまだ解っていない」と評されている。侘助への思慕も、実際にはかつて栄に「侘助を家族の中で孤立させないように」と侘助の事後を託されていたのを、侘助についているうちに、いつしか栄からの言いつけを忘れ、義務感を恋心と混同するようになってしまったことによる。
OZのユーザーであるにも拘らず、「アカウント」の概念を理解していないほどのコンピューター音痴ながら、天性の勝負強さをもっており、3度目の一族とラブマシーンとの対決のキーパーソンになった。
使用アバターは、仔鹿の耳を生やした袴姿の和装少女「ナツキ」。ラブマシーンとの戦いの途中でOZの守り主より吉祥のレアアイテムを授かり、着物が変化した。
上述の通り、学校では健二を含むあらゆる男子から憧れを一身に受けるマドンナだが、恋愛遍歴はほぼ皆無に等しい。曾祖母の武勇伝を聞くうちに曽祖父に対する愚痴すらも聞かされて育ち、軽い男性不信を吹き込まれているため、告白されればその場で即座に付き合いを断ってしまう。そのために恋愛に関しては奥手かつ鈍感で、傍目から見ても明らかな健二の好意も、本人は全く気付けていない。
本来は親族以外の男性の手すらも握ることができず、体に触れられたら、その場で投げ飛ばしてしまうほどの恋愛潔癖症。他の同世代の女性親族からは「恋愛に対する考え方が明治時代並み」とすら揶揄されている。
池沢 佳主馬(いけざわ かずま)
声: 谷村美月
13歳。夏希の又従兄弟の中学1年生。
OZでは格闘ゲームの世界的チャンピオンとしてスポンサーがつくほどで、長身のウサギ型アバター「キングカズマ」を操る。
いじめを克服するためにOZ経由で少林寺拳法を教えてくれた祖父の万助を「師匠」と呼ぶ。劇中においては、健二が到着した日の夜は納戸で1人でパソコンを弄っていた。初見の健二に対して冷めた反応を示すも、事件発生後は成り行きで健二に協力する。その後も暗号を解いた健二に感嘆の念を抱き事件解決に協力する。
『クライシス・オブ・OZ』では、中学1年生。OMCの世界チャンピオンにまで登り詰めるが、戦う理由がないにもかかわらず戦い続けることに疑問を持っている。GW中いきつけのネットカフェからOMC大会に参加していたが会場で真紀のアバターに出会い、偶然ネットカフェ内で真紀の部屋のとなりであったため現実でも出会うことになる。140cmも超えていない身長のことを気にしている。
『キング・カズマvsクイーン・オズ』では、小学6年生。OMCの公式上位ランクプレイヤーで、去年OZでの連勝を理由に現実で仕返しを受けたことを引きずっているが徐々に克服していく。OMC夏の大会にエントリーし予選を突破。夏帆と南の策略により、二人と天敵である力也を連れて陣内家に行くことになる。夏帆に好意を抱かれているが気付いていない。
陣内 栄(じんのうち さかえ)
声: 富司純子
1920年(大正9年)8月1日生まれ。89歳。夏希の曽祖母。戦国時代から続く陣内家の16代目当主。
元教師で、教え子には政治家、官僚、地方の実力者なども多く、政財界に幅広い人脈を持つ。カリスマ性においては作中に比類なく、一族はもとより、国を動かせるだけの影響力をもち、教え子や古い友人たち(中には現職警視総監もいる)を励ますなどして、OZの不具合による混乱の鎮静化に大きく貢献することとなる。人と人とのつながりの大切さを家族に説き、作品における陣内家団結の重要なキーパーソン。人を見る目に長けており、嘘が発覚した後でも健二に夏希を託す。
ラブマシーンの一件でその場の一族郎党の罵声を浴びながらも悪びれない態度と、開発に自分がなけなしの山を売って持たせていた資金が活用されていた事を明かした侘助に対し宴席で薙刀を振り回して追い出し、「身内の不始末は身内で片付けるよ!」と叱咤する姿を見せる。その後、健二と一緒に花札をして勝利した。
そして翌日の早朝、持病の狭心症により誕生日直前の7月31日に死去する。死亡時刻は午前5時21分、満89歳没(享年91)。実はOZの混乱による影響を受けており、体調が万作に送られていなかった。彼女が万が一の時のために残していた「一番悲しいことは、お腹を空かせる事と一人でいる事。」という手紙が、侘助と陣内家との和解と再結束に繋がった。OZのアバターは陣内家の家紋。
夏希が「自分の彼」と偽って連れてきた健二を一目で夏希を任せられるだけの器がある男と認め、後に夏希による嘘であったことがバレた後も健二に夏希のことを頼んでいる。
栄が一族全員に花札を教えているという設定は、富司が主演した加藤泰監督の『緋牡丹博徒 花札勝負』へのオマージュである[13]。薙刀の一件の直後、健二に自らの介抱を頼み、彼に花札(こいこい)勝負をするよう誘って、「私が勝ったら夏希を頼む」と頼んだのが生前最後の姿となった。彼女の葬儀は彼女の誕生日に行われたため、一族の一部が誕生日の歌を彼女の遺影の前で歌っていた。
陣内 侘助(じんのうち わびすけ)
声: 斎藤歩
41歳。入り婿だった陣内徳衛の隠し子。幼少時に陣内家に引き取られ、栄の養子となった。夏希・佳主馬の祖父達と年の離れた弟で四男ではあるが、栄の孫と同世代。
一族の資産を持ち逃げしたまま10年間行方知れずだったが、栄の誕生日を祝うために親族が集まる中、突然帰ってきた。風来坊だが、天才的な頭脳の持ち主。東大卒で、留学経験もある。アメリカでカーネギーメロン大学の教授としてセキュアプログラミングのブロックとクラック、さらに人工知能の研究をしており、自動クラックAIプログラム「ラブマシーン」を開発した。
口と態度、過去の行状から一族からは嫌われているが、育ての親である栄を内心慕っており、同様に慕ってくる夏希には優しく接する。克彦達三人から一連の責任を問い詰められた際は「俺は(ラブマシーンの)製作者なだけであって、あいつにああしろこうしろ命令はしていない」とこともなげに一族郎党に言い放った上に、皆の前で栄にアメリカ国防総省からの正式オファーの文章を見せながら「これでこの家にじいさんの代以上の多額の金が入るから、ばあちゃんに恩返しが出来る」「ばあちゃんの金のおかげで(ラブマシーンの)独自開発が出来た」と言ったことで怒らせてしまい、栄から突きつけられた薙刀の刃を手で退けて「帰ってくるんじゃなかった」と言い翔太の車を奪って家を出て行く。
その後あてもなくぶらついていた所、パソコンのパスワード(栄の誕生日の英語表記である0108)を使って海外回線で連絡を入れてきた夏希から栄の死を知って大急ぎで引き返し、健二や陣内家と共にラブマシーンを止めるために奔走する。
夏希の初恋相手であり、健二を家族に紹介したときの偽の経歴は彼のものである。いわゆるガラケーを使う陣内家の中で唯一、公開当時に発売されたばかりのiPhoneを使用している。なお、陣内家以外では佐久間がiPhoneらしきスマートフォンを使用している。
最後はアメリカ当局に出頭して一連の事件の原因を告発した。CNNのキャスターは「しかし彼はあくまで開発者にすぎない。実験を一般の場で行った国防総省は責任を免れ得ないだろう」と事件を報じた。
「伊丹十三を完璧にキャラクター化してほしい」という細田の意向に沿って、貞本が若い頃の伊丹をモデルに描きあげたキャラクターである。
地上波テレビ放送の視聴率
回数 放送日時 視聴率
1 2010年8月6日 13.1%
2 2012年7月20日 14.1% 『おおかみこどもの雨と雪』公開記念
3 2015年7月3日 11.8% 『バケモノの子』公開記念
4 2017年8月18日 10.4%
5 2019年7月19日 10.9% 初の本編ノーカット放送・20分拡大
6 2021年7月16日 10.7% 『竜とそばかすの姫』公開記念・10分拡大
以上のようにWikipediaで紹介される細田守氏によるアニメ映画。
2009年公開で、当時友人に誘われ見に行った。
視聴後の良さ、爽やかさは間違いなくあり、やはり世間で広くヒットした。
地上波TVでも何度か放送されている。
ただ一部カットがデフォなのでやはり動画配信かDVDなどで見ることを勧めたい。
この後も細田守氏の映画作品を見ている。
『時をかける少女』2006
『サマーウォーズ』2009
『おおかみこどもの雨と雪』2012
『バケモノの子』2015
『未来のミライ』2018
『竜とそばかすの姫』2021
やはりこの中ではサマーウォーズが最も個人的には好きだ。
もちろん他の作品も良いが・・
これだけ多くの登場人物が出るけれども物語が破綻していないのはメインキャラクターが限られているから。これで良い。
見どころはやはりアカウントを開放するためにゲームで闘う場面だろう。
特にドイツ人の子が自分のアカウントを差し出し、多くの人が集まってくる所は胸が熱くなる。
2009年の作品なのでガラケーやゲーム機で仮想空間内を闘うのだが、侘助など一部キャラクターはiPhoneを持っている(2008年発売)。こういった細かい所でも作り込まれているなと思う。
TV放送の視聴率もいつも高いと言える。
それだけ多くの人を引き付ける魅力があるアニメ映画だと思う。
久しぶりに見ても楽しめる作品だ。良い。
2023/05/28(日)記述