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Amazon.co.jp ・電子書籍 (410ページ)
感想・レビュー・書評
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笑いもあって歴史や人生観について学べた
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自分が一生かかっても経験できないことを、数時間という時間で仮想体験することができる。
読書の楽しみ・効能のひとつの側面だと思います。
この本は、人種差別が法律として肯定されていた時代の南アフリカで、白人と黒人という組み合わせの両親のもとで、生まれ育ったという著者による自伝。
のちにアメリカで有名なコメディアンとなった著者が、どのような苦労を味わい、それを自らの成功につなげていったのか。
元気を分けて欲しいということも含めて興味があり、読んでみることにしました。
主人公トレバーが生まれたのは、1984年。
西欧人がこの地を知るようになってから、長い年月をかけて構築されてきた、人種隔離政策。
白人男性と黒人女性との結婚は、禁固刑に処せられるとされていた、当時の南アフリカ。
まさにその組み合わせの両親のもとで誕生した、トレバー少年。
「犯罪行為の証」という存在だった彼は、どのような幼少時代を過ごしたのか。
重いテーマながらも、コメディアンらしい、軽快な文章で綴られているので、スムーズに読み進めることができました。
禁止されていることをわかっていながら、あえて白人との子供を産んだ母親。
人種や生活レベルの違いによって、対立が絶えない、南アフリカという国。
母親とともに歩んだ著者の幼少時代は、日本で生まれ育った自分には想像もできない、死と隣り合わせの危険な日々だったことが、本書を読んで理解できました。
著者が生まれ育ったのは、アパルトヘイト政策が崩れ、ネルソン・マンデラが大統領になった時代と重なります。
随所に時代背景の解説も書かれているので、南アフリカという国がどのようにできたのか、その過程でなぜ、アパルトヘイトという制度ができたのかについて、理解を深めることができました。
与えられた状況に不平不満を言うだけでなく、自らが正しいと信じることを貫く。
どんな困難な場面でも、客観的に状況を判断し、何をすべきか考え行動する。
自分が経験している苦労は、乗り越えられないものではない。
「前を、上を向いて進もう」と、元気を与えてもらった一冊でした。
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