トレバー・ノア 生まれたことが犯罪!? [Kindle]

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  • 英治出版 (2018年5月9日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 笑いもあって歴史や人生観について学べた

  • 自分が一生かかっても経験できないことを、数時間という時間で仮想体験することができる。
    読書の楽しみ・効能のひとつの側面だと思います。

    この本は、人種差別が法律として肯定されていた時代の南アフリカで、白人と黒人という組み合わせの両親のもとで、生まれ育ったという著者による自伝。
    のちにアメリカで有名なコメディアンとなった著者が、どのような苦労を味わい、それを自らの成功につなげていったのか。
    元気を分けて欲しいということも含めて興味があり、読んでみることにしました。

    主人公トレバーが生まれたのは、1984年。
    西欧人がこの地を知るようになってから、長い年月をかけて構築されてきた、人種隔離政策。
    白人男性と黒人女性との結婚は、禁固刑に処せられるとされていた、当時の南アフリカ。
    まさにその組み合わせの両親のもとで誕生した、トレバー少年。
    「犯罪行為の証」という存在だった彼は、どのような幼少時代を過ごしたのか。
    重いテーマながらも、コメディアンらしい、軽快な文章で綴られているので、スムーズに読み進めることができました。

    禁止されていることをわかっていながら、あえて白人との子供を産んだ母親。
    人種や生活レベルの違いによって、対立が絶えない、南アフリカという国。
    母親とともに歩んだ著者の幼少時代は、日本で生まれ育った自分には想像もできない、死と隣り合わせの危険な日々だったことが、本書を読んで理解できました。

    著者が生まれ育ったのは、アパルトヘイト政策が崩れ、ネルソン・マンデラが大統領になった時代と重なります。
    随所に時代背景の解説も書かれているので、南アフリカという国がどのようにできたのか、その過程でなぜ、アパルトヘイトという制度ができたのかについて、理解を深めることができました。

    与えられた状況に不平不満を言うだけでなく、自らが正しいと信じることを貫く。
    どんな困難な場面でも、客観的に状況を判断し、何をすべきか考え行動する。

    自分が経験している苦労は、乗り越えられないものではない。
    「前を、上を向いて進もう」と、元気を与えてもらった一冊でした。

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