ナチュラルウーマン [DVD]

監督 : セバスティアン・レリオ 
出演 : ダニエラ・ヴェガ  フランシスコ・レジェス  ルイス・ニェッコ  アリン・クーペンヘイム  ニコラス・サヴェドラ 
制作 : ジェフ・スコール  ジョナサン・キング 
  • アルバトロス
3.33
  • (3)
  • (9)
  • (13)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 12
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4532318413211

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • チリ、サンティアゴ。トランスジェンダーでナイトクラブのシンガーのマリーナ(ダニエラ・ヴェガ)は、歳の離れたボーイフレンドのオルランド(フランシスコ・レジェス)と暮らしている。
    マリーナの誕生日を祝った夜、自宅に戻ると突然オルランドの意識が薄れ、亡くなったことで、彼女は思いもかけないトラブルに巻き込まれる。
    最愛の人を失った悲しみの最中に、オルランドの遺体から痣があったりアルコールやマリファナを摂取したことが警察に疑われたり、オルランドの息子からアパートの追い出しを食らったりお葬式に出席することも許されないなど不躾で容赦のない差別や偏見が浴びせられるが、それでも女性として生きていく権利を胸に、自分らしさを守るための闘いに挑むことを決める。
    マリーナの目線で、警察や市民からいわれのない差別や不当な扱いをされていることがリアルに描かれているので、マリーナの怒りに共感出来る。
    マイノリティに対する偏見や憎悪が、ヘイトクライムを生む現実を知るにはもってこいの映画。

  • オルランドは女性と結婚し、子供をもうけ、家庭を持ったが、自分がゲイをカミングアウトして別れ、マレーナというトランスジェンダーの女性と暮らしていた。

    そのオルランドの視点から本作は始まる。彼の視界を通して、はじめてマレーナの姿が映し出される。そして冒頭、オルランドは死に、視点はマレーナに移る。が、このオルランドの視線が、ずっと作品中に漂っていて不思議な雰囲気を作り出している。

    夫であり父親であるオルランドを奪ったマレーナは、オルランドの家族から恨まれており、それでいろいろと差別的な仕打ちを受ける。マレーナはそれに毅然と立ち向かう。

    とはいえ本作の魅力はそんなとこにはない。マジックリアリズム小説を思わせるような大胆な表現にこそある。
    例えばマレーナの歌声をバックに、マレーナが強風に煽られて斜めに傾くシーンとか、
    オルランドの親類に顔中を透明なテープでぐるぐる巻きにされるところとか、
    金銀のきらきらした上着を着ていきなり踊り出すところとか、
    通りに現れた巨大な鏡に映し出されたマレーナの姿が歪んで波打つところとか。

  • 血が沸騰しそうだった。
    なぜ「理解出来ない・周りと違う」というだけで
    暴力や理不尽を受け続けなければならない
    なぜ化物扱いされなきゃならない?

    自分はこうだ、と説明(釈明)し「ふつうの人から」理解を得らなければならない?

    自分が自分であることに罪なんてない


    チリの作品、他のものも見てみたい。
    セバスティアン・レリオ監督の他作品も。
    「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」の監督だったとは。確かに繊細だった。

  • UNA MUJER FANTASTICA
    2017年 チリ+アメリカ+ドイツ+スペイン 104分
    監督:セバスティアン・レリオ
    音楽:マシュー・ハーバート
    出演:ダニエラ・ヴェガ/フランシスコ・レジェス/ルイス・ニェッコ
    http://naturalwoman-movie.com/

    チリ、サンディアゴ。昼間はレストランでウエイトレス、夜はナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナ(ダニエラ・ヴェガ)は、初老だけれど紳士な恋人オルランド(フランシスコ・レジェス)と穏やかに愛を育む日々。誕生日を祝ってもらった夜、オルランドの部屋に帰宅後の深夜、突然オルランドが不調を訴え、マリーナは彼を連れて病院へ。しかし動脈瘤であっけなくオルランドは死去。悲しみに打ちひしがれるマリーナを待ち受けていたのは、犯罪を疑う医師や刑事の理不尽な尋問、そしてオルランドの家族の残酷な仕打ちだった・・・。

    トランスジェンダーの歌手である主人公マリーナを演じるのは、本物の(というのも変だけれど)トランスジェンダー歌手であるダニエラ・ヴェガ。女性にしては筋肉質で顎のラインが男っぽいかもしれないけれど、比較的小柄で美人だし、正直ふつうに会ったら女性と信じてしまいそう。欧米ならこのくらいの体型の女性も沢山いそうに思うのだけれど、やはりにじみ出る何かがあるのだろうか、病院の医者らは彼女を奇異な目でみつめ、不審者のように扱う。

    基本的には、LGBTの一人である主人公が差別や偏見にさらされながらも強く立ち向かう、みたいな構図になっているのだけれど、あまりにも差別する側の人たちがステレオタイプの悪人のように描かれすぎているのがちょっと気になった。もちろんそういう人たちは実在するのだろうし、偏見まるだしの医者や、理解のあるふりをしていることがさらに最悪な女刑事等のマリーナに対する言動は虫唾がはしる。彼らの仕打ちに傷つくマリーナは心から痛ましかったし、見ていて辛くなった。

    けれど、オルランドの家族のほうはどうだろう。話が進むうちにどうやら、マリーナはオルランドとはいわゆる不倫略奪?のようなものだったらしく、元妻ソニア、すでに成人しているくらいの息子ブルーノ、さらにまだ7歳だという娘がいる。自分たち家族を捨てて出て行った夫(父)と、その若い愛人を恨む気持ち、これは正直トランスジェンダーかどうかは関係ないんじゃなかろうか。もちろんマリーナを怪物だ変態だと罵倒する彼らが正しいとは思わないけれど、マリーナがもし普通の女性だったとしても、やっぱり淫売だ売女だと罵られただろうし、これを差別や偏見と戦う、みたいな筋書きに入れてしまうのはちょっと違うんじゃないかと思う。

    戸籍上男性であるマリーナは法律上のオルランドの「妻=家族」になることができない辛さはあったとは思うが、例えばオルランド名義のアパートを出て行かなくてはならないことは彼女の性別とは関係のない話だし、愛犬を奪おうとする息子と争うのも、たしかにこの息子の言動はむかつくが「子供の頃はこの犬と一緒に寝ていた」という彼にも、父だけでなく愛犬まで奪われた恨みつらみがあるのだろうし、あながちマリーナ可哀想ブルーノ酷い奴、で済ませられないものがある気がする。(だからといって彼女に暴力をふるっていいとはもちろん思わない)

    そしてマリーナは何故か、オルランドの通夜や葬儀に参加することに強くこだわる。もちろん最後に一目、と思うのは恋人としてなら自然な心情かもしれないけれど、彼女に来てほしくない、という家族側の気持ちもわからなくはないので複雑。その家族の気持ちを踏みにじって教会に押しかけるマリーナの意思の強さを、私は正直素敵だとは思えなかった。家族側がマリーナの気持ちを汲まないのは確かに残酷だけれど、マリーナだって彼らの気持ちを汲む気が全くないわけで、どっちもどっち、と思ってしまう。

    オルランドの家族の中で唯一マリーナをセニョリータ扱いし親切にしてくれる弟のガボ(ルイス・ニェッコ:ネルーダ演ってた人だ!)に何故か彼女は塩対応なのも解せなかった。マリーナの姉夫婦は口うるさいけれどマリーナを心配してくれているし、彼女を大切に思い愛おしんでくれるひとはオルランド以外にもちゃんといるのに。

    『わたしはロランス』や『リリーのすべて』を見たときにも思ったのだけど、彼ら彼女らマイノリティが「私らしさ」「ありのままの私」を貫きたいがために、自分以外の人間を傷つけけることを躊躇しないことに時々違和感をおぼえる。もちろんそれ以上に彼女らは傷ついてきたのだろうけれど。たとえばタクシーの先客をマリーナが降ろさせる場面など、単に「高慢で自己中で感じ悪いやつ」だ。「私のほうが大変、私のほうが急いでいる」は彼女の主観であり、観客は背景を知っているから彼女に同調せざるをえないけれど、あのおじさんだって家族が危篤だったかもしれないよ?

    というわけで、若干のモヤモヤは残りつつ、終盤マジックリアリズム的な描写もあり、そのへんはおおー南米!と嬉しくなった。イグアスの滝へのチケットはどうなったのか気になるけれど。イグアスの滝といえばウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』を思い出す。マリーナとオルランドもあの映画を観たのかしら。

    マシュー・ハーバートが担当したという音楽と、挿入曲のセレクトは良かった。最近危篤の話題が出ていたアレサ・フランクリンの「(You Make Me Feel Like)A Natural Woman」(https://www.youtube.com/watch?v=dEWuAcMWDLY)映画の原題はどちらかというとファンタスティックウーマンなのに、邦題がナチュラルウーマンになったのはこの曲のためですね。エンディングはアラン・パーソンズ・プロジェクトの「タイム」(https://www.youtube.com/watch?v=zhRzORqNa0E

  • 別途

  • 性別を超えて人であるということを、
    真っ直ぐに生きようとするのは、
    どうしてこんなにも難しいのだろう。

    理解できないものは排除しようとする。
    理解しているのと言って、
    自らの使命感と投影で近づく女性刑事も罪深い。

    哀しみと喜びを表現する歌声が、
    彼女の決意の象徴でもあった。

  • 自分を貫くことはとても勇気のあること
    マリーナは、どんな目にあっても誰も責めることなく、運命を乗り越える強い人
    「苦しみを越えて強くなるのよ」
    っていいきかせてグッときた

    私も頑張ろう
    きっとこれを越えたら最強になるんだ

  • 不思議な感覚に襲われた
    でも、なんだか いい映画だった。 

    綺麗な歌手?のような女性と年の離れた男性が 慣れた感じで仲良くして 彼女の誕生日を祝うところから始まるんだけど…、
    えっ この女性の年齢も判断しにくいし、名前を告げると まわりの人が妙な反応する
    時々 美しい男の人にも見える
    まわりの偏見の眼差しには 考えられないくらい嫌な気持ちになったりしたが、付き合ってる男性は そのままの彼女を受け止めたんだろうなぁ ( ´∀`)

    最初は内容が分からないままに展開してゆく作品だが、撮り方も面白い!
    強い風に煽られて 風を体に受けて押し返そうとしてる映像も素晴らしかった
    逆境に耐えてる感じが まさに生きている現実の中で 自分たちが 吹かれてる風の重み 男でも女でも関係ない 「ただの人間」ってセリフ良かった

    セバスティアン・レリオ監督が、自分らしさを守るため差別や偏見に闘いを挑んだトランスジェンダーの女性を描き、第90回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品。ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーとして歌うトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていた。しかし、オランドは自身の誕生日の夜、自宅のベッドで意識が薄れたまま亡くなってしまう。最愛のオルランドの死により思いがけないトラブルに巻き込まれ、容赦ない差別や偏見を受けるマリーナは、女性として生きていく権利を胸に前を向いて歩くことを決意する。主人公のマリーナ役を自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ベガが演じる。
    歌も良かった ダニエラ.ベガは綺麗だし 溌剌として 素敵な人だと思う
    それは 男であるととか女性であるとか関係なく
    綺麗な人だなぁと思うそれだけ。
    でも、現実なトランスジェンダーには様々な問題がある事も 改めて知る
    不思議な気持ちになるのは見た目だけではなく それぞれの人の感覚かもしれない
    何を問いかけ どう捉えるか?それ自体を問いかけている作品かもしれない(分かりづらい感想)

全8件中 1 - 8件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×