弱法師 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋 (2007年2月9日発売)
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みんなの感想まとめ

人が生きる上で追い求めるものを、独自の視点から深く描いた作品です。登場人物たちの思いが交錯し、止められない感情のうねりが展開される様子は見事で、愛の力や人間の素晴らしさを再認識させてくれます。義父と義...

感想・レビュー・書評

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  • 本を整理していて、積読していたことすら失念していたもの。
    中山さんの本は初めて。

    人が生きていく上で追い求めていくもの、それを3つの視点で描いています。
    どうしようもない、止められない思いがうねり、展開していく。
    見事としか言いようがない。
    人はそこまで愛せるものなのか。
    人って素晴らしい、とおもってはたと。
    私は疲れてきているかもな~
    ここまで人を愛せるようになりたいです。

    よい一日をお過ごしください。

  • コンセプトが現代の謡曲集ということなので、感想は的外れかもしれないけれど(謡曲詳しくない)

    弱法師
    義父×義息子と聞いて手に取ったのでまったくもって消化不良。こちらが勝手な期待を抱いて読んだので不当な感想なわけですが……。

    ただ、お互いひとかたならぬ想いを抱いているのに手を取り合わないのはどうしてだ?とは思った。一番の障害となっていた実母が事故で亡くなった後、ふたりきりの生活だったのにね。一線を超えなかった躊躇いがちょっと掴めなかった。

  • 「中山可穂版•現代能楽集」という帯コピーがついた3つの物語からなる短編集。
    そう銘打たれたのは、三島由紀夫の「近代能楽集」へのオマージュとのこと。

    私は能楽には全く触れたことが無かったが、物語として十分楽しめた。

    「弱法師」には病魔に侵されていく、聡明で美しき少年が登場する。
    美しい少年というのは、どうしてこうも人の心を揺らすのだろうか。
    女でもない、まだ男でもないその僅かな期間にだけ許された、退廃的な美しさに、自らが失い、二度と取り戻すことの出来ない若き日々の象徴として投影しているのだろうか。
    映画「ベニスに死す」の老作曲家も、主治医である鷹之も彼らに心酔し、そして老いを加速させていく。

    「卒塔婆小町」では、担当編集者に身を滅ぼすほどに恋し、最後には自死してしまう小説家が出てくる。

    最後に小説家のお墓を抱き、雪の中生き絶えた彼女は、彼を愛していたと言って良いのだろうか。
    「肉体の中に魂はある」という言葉があったが、求める愛と与えられる愛が異なる時、こんな悲劇を産んでしまうとは、愛とはなんて恐ろしいものだろう。


    「浮舟」

    かなり古いドラマで「青い鳥」を思い出した。
    駅員である青年が、娘を持つ美しい人妻と破滅的な恋に落ち、逆上した夫から青年を守るために人妻は崖から身を投げてしまう。青年は人殺しの罪で刑務所に長らく入り、出所後美しく成長した人妻の娘と再会し、結ばれる話だ。

    小さい頃はなんとも言えない気持ちの悪い展開だと思っていた。

    この世で1番大事なものを失ってしまった2人、薫子さんと碧生は、2人にしか癒せない孤独や悲しみがあり、これからそれらを抱えて生きていかねばならない。
    未来ある碧生のことを思い、自らに縛られることなく未来を生きることを、ギリギリの理性で薫子さんは碧生に促す。

    ただ、過去に薫子はどんなに辛くて文音から離れても、結局は未練がましく絵葉書を送るなどして彼女との僅かな繋がりを手放すことは出来なかったのである。

    そしてそれが、文音を更に薫子さんに縛りつけ苦しめた。

    もう、薫子さんも、碧生もお互いのためなどと、不毛な言い訳をせず、心のままにお互いを自分の体の一部のように、片時も離れず、共に生きていって欲しいと思った。


  • 心臓がキリキリ、

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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