ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方 [Kindle]

  • 大和書房 (2018年3月16日発売)
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  • NHK「チョイス」でストレス対処について出演されていた清水先生の健康番組を観て、再度手に取る。以前に読んだ記憶があるのだけれど、色々な出来事が起こりその時々の自分も変化しているので、今の私に助けとなる1冊だった。

    印象的だった箇所(内容を抜粋):
    ※P168
    「認知」「感情」「行動」
    認知:~と考えている
    感情:~と感じる
    の違いを明確にする。「認知」が変われば「感情」に変化が起き、自ずと行動も変容する。

    感情は自然と湧くものだが、「認知」は自分自身でいかようにも変えられる。すると感情もコントロールできるものとなる。
    例)「私は自分が嫌いだ。なぜならばこだわりが強すぎて偏狭な自分が嫌だからだ」
    →「一方で好きなことに集中したり、気に入った人にはとことん尽くす一面もある」
    →「それは私の強みでもあるのだから、そこまで自分のことを嫌いになる必要もないのかもしれない」
    →「私はそれほど悪い人間ではない」
    と認知を変えられれる。

    すると「私は私について愛おしい。面白い」と感情もコントロールすることにも繋がる。

    ※P172
    誰しも感情に振り回されず、毎日をすっきり快適に心地よく過ごしたいと思うもの。
    心に重くのしかかるような苦しい悩みがないことはもちろん、ちょっとしたことで落ち込むこともなければ、ささいなことでイライラすることも一切ないピカピカの毎日だったらどんなに楽だろうと思いがち。

    ところが実際は、誰にでも落ち込んでしまう日や気持ちが乗らない日もあるもの。SNS上ではハッピーな姿を見せ続けている人であっても、せつない気持ちになるときもあれば、かちんと来るときだってあるはず。

    つまり、いつだって誰だって私たちの心にはもやもやしたグレーの部分があって当然。

    だからこそ、私たちには2つの力が必要。
    2つの力とは
    ①「心のモヤモヤを減らす力」
    必要以上に溜まってしまったモヤモヤは苦しくなる前に、吐き出したり、どこかで吹っ切るようにして、心を健康な状態にキープする力が必要。

    ②「心のモヤモヤを受け止める力」
    私たちの毎日には白黒つけられないこと、すっきりしないことが起こる。納得いかないことや理不尽なことを我慢するための忍耐力や粘り強さが必要になるときもある。

    心のモヤモヤを減らすことだけに注力すると、減らせないときにがっかりしてしまう。だから減らせない場合もあることを肝に銘じて、モヤモヤを受け止める力を磨いてみると、毎日がより穏やかで、豊かなものになる。

    以上。

    どうしても完璧主義に陥りがちで、ささいなことを不安に感じたり、イライラしてしまう自分を責める日常。まずは不安に感じる自分、怒りを抱える自分を認めることからかな。この年齢まで何とかやってきたわけだし…。
    たゆたえども沈まず。

    辛いときどんどん狭いところに自分を追い込み視野狭窄に陥り、頭ぐるぐる心もんもんの日々だけれど、きっと状況は変わるはず。今回の喪失から得られたこともきっと後にわかるはず。

    視野を広げてくれる1冊でした。ありがとうございました。

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著者プロフィール

千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授、医学部附属病院認知行動療法センター長、子どものこころの発達教育研究センター長。精神科医。
1965年山梨県生まれ。1990年千葉大学医学部卒業。千葉大学医学部附属病院精神神経科、プリンストン大学留学等を経て、現職。
専門は認知行動療法。
精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、公認心理師。

「2023年 『認知行動療法でつくる 思考・感情・行動の好循環』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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