武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本書中でも強調されているが、時系列に依らない形で編まれた希少な哲学入門書。
    「役に立つか否か」という、俗の極みのような観点からセレクトされた哲学者・項目は確かに「役に立つ」。
    いわゆる「哲学者」以外、たとえばアラン・ケイなども紹介されているが現代社会を読み解くにあたってはむしろ「哲学者」の埒外にこそ目を向ける必要があるわけで、本書はそういった重要な役割もこなしている。

  • 「環境が変化する」のに対して、「企業が永続する」という点で、これはつまり、企業というのは「どんどん変化していく」ことが前提になっているということ

    「イノベーションを起こそう」と思って仕事をしているのではなく、必ず具体的な「解決したい課題」があって仕事をしています。イノベーションの停滞が叫ばれて久しいですが、停滞の最大の原因となっているボトルネックは「アイデア」や「創造性」ではない、そもそも解きたい「課題=アジェンダ」がないということ

    地理的な空間、あるいは歴史的な時間の広がりを持った人であればあるほど、目の前の状況を相対化してみることができる

    実務家と呼ばれる人は、個人の体験を通じて得た狭い知識に基づいて世界像を描くことが多い

    私が非常にフラットで階層や階級を嫌うこと、合理的な個人主義者で根性論や感情論に流された全体主義を嫌悪することをよく知っています。しかし、そういう私が、非常に階層意識が強く軍隊的にマッチョな行動様式を求められる会社、あるいは根性論と全体主義が合理性に先行する会社に所属していた際に、自分らしい振る舞いを組織の影響を受けずにずっと保っていられたかというと、やはりこれは非常に難しかった

    自由であるということは、社会や組織が望ましいと考えるものを手に入れることではなく、選択するということを自分自身で決定することだ

    「鋭い考察」はいつも「鋭い問い」から生まれます。

    人間は「合理的な生き物」なのではなく、後から「合理化する生き物」

    アドルフ・アイヒマンは、良心の呵責に苛まれることがないよう、できる限り責任が曖昧な分断化されたオペレーションを構築することを心がけた

    人が創造性を発揮してリスクを冒すためには「アメ」も「ムチ」も有効ではなく、そのような挑戦が許される風土が必要だということであり、更にそのような風土の中で人が敢えてリスクを冒すのは「アメ」が欲しいからではなく、「ムチ」が怖いからでもなく、ただ単に「自分がそうしたいから」ということ

    私たちはそれを計画的・意図的により良いものに変えていけるのだという傲慢な考えを改め、自分の意図よりもむしろ「ポジティブな偶然」を生み出す仕組みを作ることに注力した方がいいのかも

    「要は○○でしょ」とまとめてしまいたくなったときには、そうすることで新たな気付き・発見が失われてしまう可能性があるのだ~中略~容易に「わかる」ことは、過去の知覚の枠組みを累積的に補強するだけの効果しかありません。本当に自分が変わり、成長するためには、安易に「わかった」と思うことを、もう少し戒めてみてもいいのではないでしょうか。

    「未来はどうなりますか?」という問いではなく「未来をどうしたいか?」という問い

  • 哲学という切り口ながら、いわゆる素人が考えるような哲学だけでなく、思想を汲み取って、現代のビジネスの課題に置き換えている。古代の哲学者が考えていたことも、現代のビジネスマンが悩んでいることも、根本は同じなのだと改めて気づかせてくれる一冊。
    なん度も読み返したい、そして古代からの叡智を自分の糧にしたい、そう思わせる。
    度々、めくってみたい、そして、巻末の参考文献がまた良い。何冊かは、ぜひ手に取って読んでみたい。まずは簡単なやつから。

  • ビジネスする上での教養として哲学が有効であることを説く本書。「人」「組織」「社会」「思考」の四つのキーワードに哲学の代表的テーマを分類し、要するに、の形で説明。わかりやすく、各哲学者の提唱した時代背景も踏まえたうえで今日日的な効能についても解説。この本を軸に各者の単行本、解説本に進んでいくためのブックガイドも巻末に掲載。

    テーマの中で心に残ったこと
    ・”悪の陳腐さ”/”認知的不協和”
    ”悪の陳腐さ”
    ナチスドイツのユダヤ人虐殺計画の主導的役割を果たしたのはあまりにも普通の凡人だった。ハンナアーレント曰く「悪とはシステムを無批判に受け入れることである」
    ”認知的不協和”
    朝鮮戦争で捕虜になった米兵は短期間のうちに共産主義に洗脳。共産主義を礼賛するメモと引き換えに小さな報酬を受けること、その落差からくる「不協和」に合わせる形で自分の考えが変わる、洗脳されることになった。社会的圧力等から、あとからつじつまを合わせる形で合理化するのが人間。
     前職で、業務のいそがしさにかまけ小さな嘘をつきはじめ、次第にその思考が当然になっていったことを思い出し、そうならないために、どうすればよいか。考えることをやめず、前提、社会とシステムを疑う勇気をもつ必要があるな、と。「エルサレムのアイヒマン」を読みたくなった。
    ”反脆弱性”
    脆弱性は外的ストレスによって崩れてしまう意味で、その反義語「外乱や圧力によって、かえってパフォーマンスが高まる性質」
    不確実な社会の中で頑強に見えるものを積み上げていくのでなく、ストレスのなかでどのように生きていくか、しなやかな気持ちとキャリアを築きたいと思った。

    ほかにも”フロー”や最近よく目にするキーワードも多数。これらのエッセンスを自分なりに理解し、自己啓発するのに便利な本である。

  • 一度は聞いたことのある言葉・概念の説明なので軽く読めるだろうと思って読み始めたが、久しぶりに数学や英語のテキストを読んだ時のような頭が疲れる感覚を味わい、自分がいかに勉強してなかったか、知らないことを知らなかったかを思い知らされた。

    巻末のブックガイドに載ってる本は自分も少しは読んでるはずなのに。

    仕事にかまけて勉強を怠ることのないようにしなければ。

  • 「哲学を実戦に活かす」ための本。
    ともすればとっつきにくかったり、古い部分があったりする哲学から、実践に使えるエッセンスをうまく引き出している本だと思う。「哲学」と銘打ちつつ、哲学以外のことも含まれている。
    古くから語られていることは、やっぱり普遍的なこと、現代にも活かせることが多いなと再認識。良い本です。
    「ビジネスパーソンのための哲学ブックガイド」で紹介されている本も面白そう。

  • 哲学という考え方について、この時代に役立ちそうなものをセレクトした辞書的な存在。
    上澄みをすくうだけでは真の理解には至らないのかもしれないけど、触れるきっかけにも良いし、解説も分かりよかった。出典も記されているので、深く学びたい人はそちらを読む必要がある。
    昔の人のものばかりかと思えば、東浩紀のような現役な人のものまで、取り上げる時代は幅広い。

    ところで、このようなアイテムの羅列される本を読むと、小中学生のころに買った、魔導具事典のようなTruth In Fantasy事典シリーズっぽいものを読んだような気分になる。知らなくても困ることはないけど、知ると得した気分になるところが似ているというか。

  • Amazon Unlimited

    本書の「はじめに」の部分で本書の目的を記載しているが、本屋に並んでいる哲学に関する入門書とは異なり、
    ・ビジネスパーソンに向けて有益な哲学を紹介
    ・その哲学がどのようなものなのか、というよりもなぜこのような問いを問題にするのか
    ・ビジネスに使えそうな人間のみをPick up
    ということらしい。

    が、内容は巷の哲学入門書とそれほど大差はない。
    哲学者ごとにその哲学内容を紹介するというこれもまたどこかで見たことがある構成。

    あと余談であるが、ヨーロッパでは哲学を日本より真剣に学ぶので彼らの教養に並ぶためには哲学を勉強する必要がある、とよく書かれているがいまだかつてヨーロッパの人と哲学論争をしたことがなく、本当に必要かと疑問を感じる。
    私がエンジニアだからなのかもしれないが。

    佐藤優が言うように、哲学を学ぶことで彼らの行動原理を理解するという主張は大変同意できるが、それならば本書よりも適する本がたくさんあると思う。

  • まあまあ

  • 久々に哲学。
    ざーと眺めるにはとても良い本でした。
    それぞれの有名人を著者なりに
    消化してるのがすごいなぁー。

    『脱構築』と『エポケー』が
    やったわかってきたよ(^-^;トホホ

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著者プロフィール

山口周(やまぐち・しゅう)
1970年東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。ライプニッツ代表。
慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了。電通、ボストン コンサルティング グループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)でビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。その他の著書に、『劣化するオッサン社会の処方箋』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。2019年7月4日、『ニュータイプの時代』(ダイヤモンド社)刊行。

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