ハッピーエンド [DVD]

監督 : ミヒャエル・ハネケ 
出演 : イザベル・ユペール  ジャン=ルイ・トランティニャン  マチュー・カソヴィッツ 
  • KADOKAWA / 角川書店
3.19
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感想 : 11
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988111254146

感想・レビュー・書評

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  • スマホの画面から始まる スマホのビデオでは日常の一コマを誰かに送っている
    「ハッピーエンド」ってタイトルは何を示唆しているのか?興味が湧く…
    名匠ミヒャエル・ハネケが、難民が多く暮らすフランス北部の町カレーを舞台に、不倫や裏切りなどそれぞれに秘密を抱えた3世代の家族の姿を描いた人間ドラマ。建設会社を経営し、豪華な邸宅に3世代で暮らすロラン一家。家長のジョルジュは高齢のためすでに引退し、娘のアンヌが家業を継いでいた。アンヌの弟で医者のトマには、別れた前妻との子で13歳になる娘エヴがおり、両親の離婚のために離れて暮らしていたエヴは、ある事件をきっかけにトマと一緒に暮らすためカレーの屋敷に呼び寄せられる。それぞれが秘密を抱え、互いに無関心な家族の中で、85歳のジョルジュは13歳のエヴにある秘密を打ち明けるが……。「愛、アムール」で親子を演じたジャン=ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールが、今作でも家長のジョルジュと娘のアンヌを演じ、親子役で再共演。
    ファンティーヌ・アルドゥアンが、重要な役割を担う13歳のエヴに…(本当に可愛い少女 将来が楽しみな女優さん(個人的意見))今風なsnsの世界で淡々とクールに生きてるが、少女らしい不安が垣間見える
    ミヒャエル.ハネケの映画の撮り方 面白いですね
    工事中の音とか 車が往来する 生活の中で発生するたわいもない音の中で会話するシーンが結構多く 何か会話を普通にしてる事は分かるが内容が聞こえない 聞こえないから気になる…普段の生活感を感じる 家族それぞれが問題を抱えながら 無視する事で 普通を装ってゆく 観ている者に それは 何か?問いかけているような視点
    出演している俳優陣も良かったけど、日常の物事の捉え方人の捉え方が とても良かった ブルジョアと難民という形もさらりと問いかけ 捉えている…そして無音のエンドロール

  • HAPPY END
    2017年 フランス+ドイツ+オーストリア 107分
    監督:ミヒャエル・ハネケ
    出演:イザベル・ユペール/ジャン=ルイ・トランティニャン/マチュー・カソヴィッツ/ファンティーヌ・アルドゥアン
    http://longride.jp/happyend/

    もうすぐ13歳になる少女エヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン)は、メンヘラの母親を嫌っている。母が薬の飲みすぎで入院したことで、離婚した父親トマ(マチュー・カソヴィッツ)のもとへ、エヴは一時的に引き取られることに。父親の家族たちとエヴは対面するが…。

    冒頭から、少女が撮影するスマホ画面がいくつも映しだされる。エヴ本人はなかなか映画の画面に現れない。スマホ動画からは、エヴが愚痴ばかりのメンタル病んでる母親を憎んでいること、飼っているハムスターの餌に母親の抗鬱剤を混入して殺す実験をしていることなどが伺われる。そして母親の薬物入院。あれ、これエヴがやったな、と観客は察する仕組み。

    父トマの実家はフランス北部、移民の町カレーで建設業を営んでおりとても裕福。エヴはきっと母親から離れたかったのだろう。しかしこの父の一家も問題だらけ。祖父ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)はすでに引退し、長女でトマの姉、ヤリ手のアンヌ(イザベル・ユペール)が今は会社を切り盛りしている。アンヌは一人息子のピエール(フランツ・ロゴフスキ)を溺愛しているが、このピエールはポンコツで、とても母の跡を継げそうにもない。トマにはすでに新しい妻アナイスと赤ん坊のポールがいるが、どうやらfacebookを使って愛人だかセフレだかとエッチなやり取りをして楽しんでいる。

    物語は群像劇風に進むが、序盤なかなか人間関係が把握しづらいのと、ひたすらSNSの画面が映ってるだけのシーン、無音で説明なくこちらで察するしかない場面も多く、かなり注意して映画に集中していないと、細かい情報を拾い損ねそう。

    中盤、祖父ジョルジュが車で木に激突、どうやら故意の自殺未遂だったようだが、一命を取り留めた彼は車椅子生活。そして父トマの浮気に気づいてしまったエヴもまた、薬物自殺を図る。終盤、この自殺未遂の祖父と孫の対話が、この映画のいちばんの見どころ。

    以下ネタバレだが、お祖父ちゃんはかつて、介護の必要になった妻を自分自身で殺めたことをエヴに話す。エヴは、臨海学校で嫌いなクラスメートの食事に薬物を混入させたことを話す。祖父はおそらく、入院後亡くなったエヴの母を薬で殺したのはエヴだと察している。必要な死もある、と祖父は孫に諭す。おそらくこのとき二人は、ある約束をしたのだろう。

    アンヌが再婚し、その結婚パーティの日。海辺の明るいレストランから、エヴは車椅子の祖父を連れだし、海へ。祖父は一直線に、海へと入ってゆき、エヴはそれをスマホで撮影し続ける。(たぶんタイトルのハッピーエンドとは、エヴがこの動画につけるコメントだろう)

    裕福だけどいろんなトラブルを抱えまくっている家族、SNS依存のディスコミュニケーション、ハムスターも母親も薬で殺すサイコパス少女、というとかなり不穏な映画のようだけれど、意外にも後味は悪くないし、まあエヴはエヴでちゃんと生きていくんだろうなとは思える。死ぬタイミングをどうしても自分で決めたいお祖父ちゃんの姿もいっそ潔くて爽やかなほどだった。

  • ハネケ作品を見るたび、ストーリーでもポエジーでもないところにも映画の可能性がとめどなく広がっていることに気づく

  • B。
    例によって唐突に終わる。
    ミュンヘンとクリムゾンリバーもう一度見る。

  • 日本で起きた、少女による毒物混入事件が明らかにモチーフとなっている。
    それだけにとどまらず、その子がなぜここに至ったか
    周りはどんな人間環境なのかが描かれる

    何故したのか、本当に分からない(理由がない)んだろうなと伝わった

  • 観るのは二度目ですけれども…これはまあ、普通に難しい映画ですねっ! 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    一応、粗筋は読みましたけれども…そもそも家族の人数が多すぎて? なんか関係性とかなかなか把握しづらいですしねぇ…それは僕が馬鹿なだけだろうか?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    でもまあ、不思議と最後まで飽きずに観れましたよ…ええ…

    女の子の女優さん? は将来かなりの美人になるのではないでしょうか…13歳ってことですけれども、それよりも幼く見えましたね…

    ↑老人役の人も僕と同じこと言ってましたが…まあ、何がハッピーエンドなんだか…

    分かりませんけれどもまあ、アレですね、ラストのシーンがちょっと衝撃的というか、ショッキングなのかなぁ…? 人によっては…

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 「あれ?ここで終わります?」という終わり方だったので、放り投げだされた感満載なんですが。


    まぁ、フランス映画ってこんなもんよね。というのに久しく出会ってなかったせいもありましょう。

    最近予定調和的な内容のものばっか見てたから、観終わった瞬間消化不良で結末解説速検索。いかん。脳みそが緩んでる。

    何も解決していない。何がハッピーエンドなんだか、考えてみる。

    なんとなくうわべだけの家族。家族だから何でも話すってのもちょっと違うと思うので、それでもいいんだけど、それぞれが「家族」を演じすぎるがあまり、本音と切り離されて生きている。ゆえにゆがみが生じている。


    それでも最後の会食のシーンは、小さいながらも本音が少し繋がった。人の命や権利を考えられるゆえに心を病んでしまった息子の行動により明かされる彼の優しい本音。おじいちゃんを海辺まで運び、入水する様子を録画することによって露になる「おじいちゃんの望み」と、「孫娘の狂気」「ぱぱ!」と叫び助けに行く様子が録画画面に一瞬描かれることによる「家族への関心」を取り戻せる力がまだあることが現れたロラン家。

    表面的で、繋がってる様子が外からでは全く分からないけれど、その小さな力が垣間見えたということが、ハッピーエンドなのかもしれません。

  • 子供と老人はもっとも過激な存在であり、それゆえに密かに心通じあっている。そして、お互いの酷薄さも十分にわかっている。それゆえに、互いの違いを十分に尊重しあっている。その重要な、しかし隠蔽されがちな真実を描いたのが本作。面白すぎたけれど、もはや監督にいかなる賞を与えても、愚行にあたる。なにせ、ある年齢を過ぎた老人は、あるいは老人とみなされた人間はもはや、ただ年齢を尋ねられるだけの存在でしかないということをしっかりと直視しているのだから。それを自覚している老人にとっては、もはや表現とは、テロリズムでしかありえないのだ、若者がそうであるように!!

  • 原題:HAPPY END (2017年) ※日本公開 2018年

    だめだ、全然入り込めなかった。
    先に5パーセントの奇跡見たのがダメだったのか、私の状態がダメだったのか。
    めっちゃ楽しみにしてただけに残念。
    30分以上見ても全然引き込まれなかった…。

    “ミヒャエル・ハネケ監督が描く群像ドラマ。フランス北部の街・カレーで暮らすブルジョワジーのロラン家。かつて建築業を営み今は引退している家長のジョルジュと、幼い頃に捨てられ愛に飢えた孫娘の出会いをきっかけに、家族の秘密が炙り出されていく。”


  • SNSは今目の前で起こっている事に、
    分厚いフィルターをかけ隔たりを作る。

    社会問題、人間関係の問題....。
    個人主義が悪なのではなく、最大の原因は無関心にある。


    世の中は道化の世界である。
    しかし我々は人生の傍観者ではない。

    気が付けば我々観客も映画の中に引き摺り込まれている。
    お前はもう傍観者ではないのだと。

    この物語がハッピーエンドを迎えられるかは
    我々の手にかかっている。

    淡々と現状を映し込む、
    それは痛烈で挑発的な問題提起である。

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