発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術 [Kindle]

  • KADOKAWA (2018年5月25日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 【酩酊物質との付き合い方】
    お酒を飲むという行為は、酩酊物質を体内に取り込む行為ではなく、文化を飲むこと。
    誰と、どんな理由で、どんな場所で、どのように飲むか。
    依存が深まれば、これらの文化はいとも簡単に失われる。
    文化は往々にして高くつく。
    文化の欠損を加速させるのは貧困である。
    自分なりのささやかな文化を見つけ出し、その文化の中で飲酒を行うこと。
    同じくらいの目線で共有できる人間関係、気の合う友人と2人で飲めば、それは文化である。
    そういったものがあれば、人は結構死なない。
    酒から「文化」が失われると危ない。



    【茶番センサーを解除しよう】
    怜悧に茶番を茶番と認識しながらも、同時にその茶番に突撃していけるマインドセット。人生は分業できないので、この矛盾を丸ごと飲み込むしかない。
    「やるしかない」という局面において、勝ちたければ全力を出すしかない。

  • 発達障害の人じゃなくても役立つ内容が多い。ひらくPCバックをオススメするのは自分にも充分理解できる。

    しかし知的に相当高い人だと思う。

  • 借金玉さんの本二冊目

    軽く読んだ感想だが、自分の症状はここまで酷くない。
    一応、精神科に通い始めているが、
    いわゆる発達グレーなんだろう。

    しかし、ネットをして疲れてしまう頭を無理矢理休めるノウハウは参考になった。
    サバイバルガイドと大きく内容は変わらない。

  • 根拠のある自信は根拠がなくなればなくなる。
    茶番を活用せよ。
    あいさつは機械的に実行する。
    あいさつしない人にもあいさつする。
    職場の飲み会は部族の祭礼。
    つまり面子を保つことは所属税。
    税が払われていないと罰がくだる。
    ルールがわからないうちは無難にこなす。

  • 発達障害について医師や教育関係者ら外側から書かれた本は多いが、当事者によって書かれた本で、興味深く読んだ。物や行動の管理、人間関係などに感じていた困難さを克服していくスキルなどは、様々な人に役立ちそう。二次障害としての依存症や躁鬱病の苦しさ、服用している薬の効果と副作用など、本人でなければ分からない内側からの記述は秀逸。当事者も支援者も理解が深まることで、葛藤が減っていくだろう。

  • いい大人になるまで全く意識せずに生きてきましたが、ひょっとして…と思うこと多々あり。ネットの自己診断をしては当てはまる~~~!と思い悩んだりしていました。
    こちらの本のあとがきの弁を借りると…私はいわゆるグラデーションタイプなんじゃないかと…。なるほど、重症の方はもっと人生ハードモードなのか…お薬のことなど勉強になりました。
    ハックも面白かったし、メンタル面でも気持ちの整え方が参考になりました。

  • あえて、何もしないという努力をする、というのがものすごく刺さった。何もしないことの意味を知ってとても気持ちが楽になった。今からでもすぐに実行したい。

  • 「発達障害サバイバルガイド」と同じ著者だったので。

    前に読んだ著書と共通の内容もかなりあったが、
    面白かった。
    上下関係とか、社会的つきあいに疎い人たちには、
    かなり役に立つ「仕事術」が含まれていると思う。

    人間関係で流通する「見えない通貨」は。
    お礼とか、挨拶だとか、
    その通貨の一つ「褒める」のは内容よりタイミングだとか、
    絶対に無礼講は存在しないとか、
    共感の言葉は適当に、とか。

    そういうことがよくわからない人には、
    言語化されていて上手く説明されていたと思う。

  •  ユニバーサルデザインというのがある。誰にで使いやすいをコンセプトにした道具たち。
     この本はユニバーサルライフハックというか、発達障害ではなくとも、使えるワザが盛りだくさん。(概説を読むとユニバーサルデザインではなさそうなので、使えそうなライフハックを試してみると良いのかも)

     生きていれば、いつか何かが変わる。まず生き延びる。そうして生き続ける中で、こうしたら楽に生きられるかもと試行錯誤している。工夫の割り合いが多い人や少ない人はあれど、誰もがそうして生きているのだろう。
     このコロナ禍の中、まず生きることだよなぁと実感した。

     文化的な側面がなくなったら依存と言うことが書かれていて、例えばアルコールも友人と久しぶりに会うから飲む、などではなく、酔うために飲むようになると、もうそこには文化的な側面はない。己の過食やゲーム依存も文化的な側面あるかな? ないかも、となった。怖い。

  • 最新作が面白かったのでこちらも。生活の工夫をユーモラスに記した役立つエッセイ本の趣。生活の工夫を凝らして、自分を変えるのではなく、まわりを変えて生きやすくするそのアイデアは、さまざま参考になる。筆運びもやさしさがあり、とても良い作品だと感じる。

  • <感想>
    発達障害の著者が、自身の経験から編み出したライフハックをまとめた本。私自身は発達障害ではないが、空気が読む能力が低いため、本書を手に取った。
    第二章の人間関係に関するパートは、空気を読むのが苦手な人が読むと楽になると思う。コミュニケーションを「取り引き」という経済の概念で解説しているが、これが非常に理解しやすい。KY扱いされてる人はみな賛同してくれると思う。

    <アンダーライン>
    ・人間関係の価値基盤「見えない通貨」
    ・むき出しのビジネスの世界は「空気が読めない」人間
    にある意味でやさしいと言えます。なにせ、金の流れさえ読めれば基本は大丈夫なのですから。
    ★お礼を言わないという行為は、場所によっては「商品購入の対価を支払わなかった」という罪科
    ・部族の人間関係には「見えない通貨」が流通している
    ・人は、与えたものに対価が支払われないと怒る
    ・褒め上げ、面子、挨拶
    ・面子を立てるとは、部族の掟に従い「私はあなたに敬意を払い、顔を立てるべき相手と認識しています」という表明
    ★「数字が全て」の世界では「面子」の価値が小さくなる
    ・人間というのは「雑談」を経て、その人間がコミュニケーションが可能な相手なのか、そうでないのかを測っている
    ★雑談は通信プロトコルの相互確認
    ・雑談は「議論」でも「意見交換」でも「情報交換」でもない
    ★★雑談は、同意、同意、同意
    ・共感(わかるよ)は雑で適当でいい
    ・相手の苦労、努力、能力。この3つに理解を示そう
    ・茶番センサーを止めろ
    ・世界は茶番だ。無意味でくだらないクソだ。でも、勝ちたかったら全力を出せ

  • わたしは人から発達障害のケがあると言われ、かつ家族が皆して発達障害なので、読んでいて「これはわたしか?」とか「親やん…」ってなる内容でした。非常に参考になります。

  • うーん、鞄とかの話は別として、コミュニケーション上のライフハックとか、ニヒリスティックというか、そういう思考のパターンというか思想というか、よくわかる感じだ。グサグサくるな。オレも発達障害なのかな。。忘れる、とか、段取り組めない、とかそういうのじゃないんだけどな。生きづらいな。

    P18 自分が30歳になるなんて信じられなかった
    僕が破壊的にふるまえばふるまうほど喜び、承認を与えてくれました。このようにして、僕の反社会性は20代になっても衰えることなく保存されていったのだと思います。
     僕は自分に30代があると思ったことがありませんでした。~自分は20代で死ぬ。そういう根拠のない確信を抱いて生きてきました。

    P105 なぜあなたの人間関係は破綻してしまうのか?
    どんな人間関係も、短期から中期的に必ず破綻する。そんな人生を送っている人は多いと思います。
    ~あるひ突然相手が怒り出す。ある日突然相手から連絡を無視される。ある日突然連絡先をブロックされる。ある時から飲み会の誘われなくなる。こういったつらい経験が何度もあります。
     だから、人間関係を次々とホップしてこれまで暮らしてきました。

    見えない通貨
    人は与えたものに対価が支払われないと、怒る。
    ①褒め上げ ②面子 ③挨拶

    P146 今すぐ「茶番センサー」をとめろ
    いろいろなものを見ては「くだらない」「茶番だ」という印象を持ってきたのではないでしょうか。

    P162 アルコールと睡眠薬の飲み合わせは絶対にダメ。

    P182 薬と酒は、呑まれるな、飲め
    我々は本当に信じられないほど依存に弱いです。
    かつて、インターネットの世界には薬物乱用と放逸な行動、そして自傷や自殺未遂といった行為を繰り返す有名人が何人かいて、何人かがなくなりました。~正直なところ共感する気持ちもとてもありました。いえ、実を言えばいまでもあります。~彼らの死はこのクソくだらない社会への抵抗であるかのようにも見えました。
    ~僕の中には、どうやってもぬぐえない死への渇望があります。~僕は死にぞこないました。~実は僕の中にそれを恥じる気持ちがあります。「死ぬと思って生きてきたんだ。ちゃんと死ねよ、お前は死にたいんだろう」と僕のなかからはいつも声がします。

    P214 「死なない」はすべてに優先する。休め
    一番重要なことは、「それは最悪死に至る」ということです。~
    一度、重篤な精神的疾患を患ってしまうと、そこからの回復は容易ではありません。ほとんどの場合、なんとか社会生活が平常どおり営めるところまで回復するのに年単位の時間を要します。これは運のよいケースです。
     それを踏まえて、「逃げる」という判断は常に間違いではない。「休む」という決断はどんなタイミングであっても再枠の判断にはなりえないということを覚えておいてください。~逆に、辛さに耐えて耐えてついに限界に達した場合のダメージはそう簡単にはぬけません。
    ~まだ二次障害が発現していない発達障碍者の皆さん、あるいは発達障害を疑う皆さんもこのリスクは覚えておいたほうがいいです。そして、二次障害の回避には、とても高い優先度を設定しておくべきです。なにせ、命がかかりますから。
    生存はすべてに優先します。逃げていいし休んでいいのです。
    ~しかし、それでもなお生きていきましょう。生きているだけで、あなたは素晴らしいと思います。

    P241 僕は自分の能力の欠損を社会的な肩書やお金といったもので埋め合わせることを目指して30歳まで生きてきました。それは傍から見ると滑稽で無様な人生だったと思いますが、それでもそこには「前進をやめたら死んでしまう」という強烈な切迫感が存在していました。
    「自分は劣った人間であり、そのままでは人間としての価値を認められることはできない。だから成果を出して社会をねじ伏せるしかない」というモチベーションです。僕の人生の原動力は往々にしてコンプレックスそのものでした。
     大学入試も就職活動もそうですが、社会的地位や名誉を手に入れれば自分の欠損が免罪されるのではないかという大きな期待があったのです。そして得た成果から「僕はこれだけの結果をだしている。だから僕は自分を肯定していい、生きていていい」という自己肯定感を得ていました。

    P244 重いうつになってしまったらどうしたらいいか
    うつのどん底でできることは、服薬して眠る以外になにもない、ということです。

    P250 他者を見下して笑った自分の人差し指は、自分を突き刺す
    自分がなにかを(お金を、あるいは社会的地位を)持っていることで他者を見下して自己肯定感を得ていた場合、それが失われたときには間違いなく自己肯定感を失います。
    ~他者を見下す無意識の目線は恐ろしいです。それを他人に向けているうちは問題ないですが、自分が「見下される」側になったとき、まるで槍のように降り注ぎます。人間がうつの底で異様に謙虚になってしまうあの現象も相まって、本当に危ない状態に陥ります。
    ~「何もかも失われた」という状況は、きっと誰にでも確率の差はあれ、起こりうることだと思います。しかし、それは「起こり得る」ことなのだから、我々はそこからでも生をひろっていきていかなければならない。

  • 「自己啓発=エンタメ」ということを前提に感想。
    下手な自己啓発本を買うくらいなら本作を購入した方が良い。
    出し惜しみのないストレートな表現がとにかく面白い。

    内容は、発達障害(おそらく軽度)である筆者の自叙伝〜仕事ver〜。
    集団・組織・部族の中で生きぬくためのライフハック「自分を変えず、自分以外の物を変える」の考えが散りばめられている。

    「集約化」と「一覧性」という矛盾するような条件を満たした最高のビジネスバックには興味を持ったが、ビジネスバックを必要としない仕事をしている為、使用者の声をTwitterで調べてみようと思う。

  • まあまあ

  • 10-20代の、自分は発達障害の傾向があるのではないか、と感じる人には読んでもらいたい本。
    どこかしら必ず役に立つノウハウがあるはず。
    生まれつきのものなのだと考えることで、対策も取れるし、少し気が軽くなるはず。
    ただ、発達障害を免罪符のように考えて、ひとに迷惑をかけるようなことは慎んでほしいというのが最近の世の中で感じること。

  • 発達障害の方が上手に社畜を演じるためのノウハウ本だった。解説の方が書いている通り10~20代の若い人には役に立つ本だと思う。

    私は著者よりだいぶ年上なので新たな気付きは特に無かった。

  • 参考になる記述多し。
    「自分は今不調である。だから何もせず休む」というのは、意志ある行動なのだと理解して休んでいくぞ!!!!

  • 色々と役立つ知見が得られたので読んでよかった
    とりわけ、バインダー活用のハックと「部族」の話と「見えない通貨」の比喩はとても腑に落ちるところがあり、役立った

  • 感動したよー

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著者プロフィール

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。

「2018年 『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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