NHK 100分 de 名著 アルベール・カミュ『ペスト』 2018年 6月 [雑誌] (NHKテキスト) [Kindle]
- NHK出版 (2018年5月25日発売)
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感想 : 3件
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みんなの感想まとめ
深いテーマ性と重層的な内容が魅力の作品について、現代の状況と照らし合わせながら考察することができる一冊です。特に、コロナ禍を背景にカミュの「ペスト」を読み解くことの意義が強調されています。解説を通じて...
感想・レビュー・書評
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本体を読みたくさせる興味を引く紹介テキスト。
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コロナ禍を機にカミュのペストを読みたいと思って買ったこちらで予習。この手の解説本は原作を読む前と後とどっちのタイミングで読むか迷うが、これは事前に読んで正解。ペストという作品に込められた作者の意図やテーマなど一人で読み進めていたら気付かなかった事ばかり。昨今のコロナから人類は何を考え何を学ぶべきか深く考えさせられます。
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「ペスト」はまだ読んでいないが、こちらを先に読んだ。
本編を読んでからでもいいが、中条省平氏による懇切丁寧な解説を読んでからのほうが理解が深まる気がする。いずれにせよ、本編を読むのが楽しみになった。
アルベール・カミュといえば不条理文学である。
中条氏は不条理には二段階あると述べている。
第一段階は「異邦人」や「シーシュポスの神話」で書かれている、自殺やニヒリズムに陥る一歩手前の段階。
そして「ペスト」で書かれているのが第二段階。自己を客観視して、世界の不条理に気づいた人間の不条理性というものに気づいた人間が、ではどのようにして不条理を乗り越えられるか考える段階である。
本書では「ペスト」をどのように読み解くか、原書での単語の語源まで遡りながら解説されている。それを読んでいくうちに、本編がいかに重層的な作品であるかがよくわかる。
「ペスト」の底にあって、文学者カミュを不条理への反抗にむけて突き動かしていた根源的なモチーフ。地中海の光、自由を生きることへの幸福、そして寡黙な母親をはじめ、世界の悲惨の中で自分にできることを日々誠実におこなう無名の人々への愛。
本書の最後に書かれているこの言葉が、カミュの文学をよく表していると感じた。
