人間アレルギー―なぜ「あの人」を嫌いになるのか―(新潮文庫) [Kindle]

  • 新潮社 (2018年1月1日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 読書メモにたくさんメモしました

    あ、これ私のことかも...と思うこともあり、
    自分のことを省みる良い機会になりました

    決して人間関係を築くのが上手いタイプではありません

    少しでもトラブルなく、心穏やかにこれからの人生を歩めるようにしていきたいと感じました

  • 面白い表題の本を見つけた。『人間アレルギー』。最近心の病ということに関心があり、読書セラピーから、問題意識を掘り下げている。ニンゲンという存在は実に怪奇で奥行きが深い。ニンゲンは、戦争という名前のもとで多くのヒトを殺す。なぜ、そんなことができるのか。また、ヒトは、自分の生命を意識的に断つ。
     さて、精神科医が、『人間アレルギー』を説いているが、どうも状況証拠ばかりで、科学的なファクトが追いついていないような気がする。でも、おもしろい仮説だ。なぜ、あの人を嫌いになるのかを、解明しようとする。
     花粉症は、アレルゲンが引き金となって引き起こされる。過剰な免疫反応がなせるワザである。免疫反応は、異物と認識することとその異物を拒絶や排除しようとする。結局は、排除する必要のないものまで異物として認識し、排除し、攻撃をする。人間アレルギーとは、排除する必要もない他者を受け入れがたい異物とみなして、心理的、行動的な拒絶や攻撃によって排除する状態だといえる。基本的には「心の免疫機構」の過剰反応が起こっている。
    なるほど、そう言われると自分の経験からも納得するところがある。言葉にならないものを言葉にすることによって、病気の本質がわかるように、人間アレルギーという言葉があると、説明しやすいのである。花粉症のアレルゲンに感作(反応)するように、心理的なアレルゲンが、感作して人間アレルギーを起こすのだ。
    その感作する要因を究明すればいいのだ。
    人間アレルギーを抱える人は、対人関係で過敏で傷つきやすい。ネガティブな感情に囚われる。また、信頼や親しみを持てない。寛容さや受容性が低下する。そのために、接触を避け、自分の世界に閉じこもる。心身の不調と依存行動にのめり込んでいく。傷つきやすさ、共感性の低下、自己への執着、極端さが負のスパイラルになっていく。人間アレルギーの症状は、①社会不安障害、②適応障害、③パーソナリティ障害、④気分変調症、⑤強迫性障害、⑥身体醜形障害。ふーむ、表面から症状をつけるんだね。精神医学というのは、科学として未成熟な感じだね。
    荀子「人の性は悪、その善なるは偽なり」、マキャベリ「人間は邪悪な存在」、ホッブス「他者とは悪意を持った油断のならない敵」、ルソー「優劣の自覚から生じる嫉妬心」、フロイト「父親という最初の異物」、ニーチェの先人たちの意見を人間アレルギーの視点で見ると整理される。ここで紹介される萩原朔太郎の『僕の孤独癖について』(青空文庫ででている)は、いい本だった。「私の愛する親友」と言おうとして、「この馬鹿野郎」と言ってしまう自己矛盾。なんとなくわかる。
    著者の核心的提議は、「愛着障害」におく。1歳半まで、母親との安定した愛着関係が結べないと愛着障害が起こりやすい。それを解決するには、愛着を担うオキシトシンを活性化させる。優しさを培う。自ら「安全基地」を作って支える。
    小麦や大豆に強いアレルギーを起こす子供でも、同じ食品で発酵処理をするとアレルギーを起こさなかったりする。人間も、加齢や成熟によって、人間アレルギーの抗原生、アレルゲンが失われることがある。そうか、歳とってから攻撃性がなくなるのはこういうことか。何事も、発酵と熟成が必要なのだ。人生の熟成期に来ていることを痛感する。ふーむ。面白い本だった。
    岡田尊司は、『脳内汚染』という著書の中で、「ゲームは麻薬」と言って、物議を醸し出した人のようだ。日本神経科学学会の会長は「このような書は、脳神経科学への信頼を失わせる」と言ったとか。まぁ。人間の心の問題は、科学で説明しきれないことが多いのだろう。

  • 職場で苦手な上司へなどなど、人間アレルギーを発症したら①相手の立場に立って想像すること、②自分の行動を客観的に振り返ること、素直な気持ちが大切。それでもだめだったら支え役が期待される人に頼る。話を聞いてもらう。安全基地が形成されて余裕を持つことができる。本質的な価値観が合わないなと思ったら諦める。大前提として、人は変わる。60歳で子供を持つ決心をした筆者の友人の男性の例。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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