20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る [Kindle]
- 日経BP (2018年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (156ページ)
感想・レビュー・書評
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この本を読むとよく分かる。
合田社長は徹底的にリアル(現実)にこだわる。
だからこそ、何が「現実」で、何が「非現実」なのかと理解しているのだ。
本書上ではこの「非現実」を「ものがたり」と言い換えている。
決して「ものがたり=非現実」を否定しているのではなくて、「ものがたりを正しく作ることで、人は幸せになれる」と説いているのだ。
「ものがたり」は所詮人間が作り出したもの。
それを上手に作り変えればいいのだ。
その取り組みを合田社長は辺境の地、モザンビークで取り組んでいる。
確かに約20億人以上と言われる最底辺の暮らしをしている人々。
我々は本当に日本に生まれただけで恵まれていると思う。
まだまだ世界人口が増える中で、最底辺の暮らしを強いられる人々は増加していくだろう。
その中で、たった何か一つのインパクトでも起こせれば、少しは世界が変わるはずだ。
モザンビークでは現金を持つことが非常に大変なのだという。
そもそも3桁の算数が出来ないレベルの教育水準。
現金を保管しようにも、銀行もなければ、土に埋めて管理するしかない。
基本的に「出し・入れ」の概念がない。
経済を回すことで、社会が豊かになることから教えていく必要がある。
それを決して最先端テクノロジーではない、「現実的な」手段で実現する。
いや~、合田社長はスゴイわ。
当社の経営陣に「現実」が見えているのか?
モザンビークではない、教育水準も文化水準も高い日本の会社。
その経営トップですら、自社の現実が見えていないと感じる。
何が「現実」で、何が「非現実」なのか?
「ものがたり」をどうやって構築していくのか?
会社経営では、ものすごく重要な考え方なのだと思った。
(2018/6/27) -
2018年9月④