最後の証人 「佐方貞人」シリーズ (角川文庫) [Kindle]

  • KADOKAWA (2018年6月15日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • サクサク読めました。なんともやるせない話しで、、、。
    途中、えっえ〜!!となりましたが、あまり入り込めなかったです。

  • 凄く面白かった。リアルな法廷描写と複雑なキャラクターを通じて善悪の境界を探る点に魅力がある。単純な善悪ではなく、登場人物の動機や背景が深く掘り下げられ、倫理的な問いを投げかけられる。巧妙なプロットと驚きの結末が加わり、深い思考を促す作品だった。最後まで心が揺さぶられた。

  • 検事の本懐で検事だった佐方貞人が、弁護士になったサスペンスです。面白かった!
    佐方は、誠実で人物や出来事の見つめ方が深く、理論的で誇り高く、温かく爽快で、深いのだけれど、読後はまるで勧善懲悪の時代劇のように気持ちが良いから、つい、次を読みたくなってしまう。柚月裕子さんが描く中年から老年の男性の心理がなんとも魅力的なので、この人は女性の心理はどう描くのかなという興味が湧いている。あと2冊、検事の死命、検事の信義を読んだら、女性を描いたものを読んでみたい。

  • ひとり息子が塾の帰りに、車に敷かれて死んだ。
    一緒にいた友達は「信号は青だった。車を運転していた人からはお酒の匂いがした」と言っているのに、何故か不起訴に。

    母親が癌になり余命宣告を受けると
    加害者への復讐を企て始める。

    出だしの被告人は復讐を成し遂げた母親だと思っていたら、まさかそっちか!

    弁護士坂田が交通事故の担当刑事だった男に証人になってと説得するシーンが響いた。

    「一度目は過ち。2度目からはその人の生き方」だ。

  • 被告人被害者は誰なのか、またタイトルにある『最後の証人』とは誰なのか、想像しながら読むのが楽しかったです。残念ながら予想を超えることはありませんでしたが、子供を理不尽に亡くした親の絶望感は先日出産したばかりだったこともあり、強く感情移入してしまいました。柚木さんは本当に人の心情を書くのが上手だと思います。
    欲を言えば、佐方氏がどうやって真相に辿り着いたのかの流れをもう少し読みたかったです。

  • 以前から気になっていたシリーズの第1作。検事を辞めて弁護士になった佐方弁護士が主人公の法廷サスペンス。リーダビリティが高くてグイグイ読ませてくれるけど。ミスリードを誘ってるなぁという意図が露骨に見える書き方が少しばかり残念。第1作だからか、佐方弁護士本人の魅力もまだあまり感じられず。。事件側のもう一人の主人公と言っても過言じゃない高瀬光司さんのことを思うとやり切れないな。

  • ひとつの事件の裁判を描く話。
    検事視点の裁判のシーンと事件当事者の回想を織り交ぜながら徐々に話が進んでいき、最後に主人公である弁護士が真相を語るという流れ。
    解説にもあったが、この作者が動機を描く作家であるというのがしっくりくる内容だった。親子や夫婦の愛の描写は泣きそうになった。

  • はじめて柚月裕子作品を読みました。
    映画「孤狼の血」は観てました。

    どの作品から入ればいいのか分かりませんでしたが、裏表紙のあらすじから選びました。

    本格的法廷劇もあまり読んだことがないのですが、判決までの弁護士の最終弁論は見応えありました。
    佐方弁護士はシリーズものになっているようなので、次を読むのが楽しみです。

  • 同著者の作品の中で、一番好きかもしれない。
    それにしても、なんとやるせないことか。
    柚月裕子作品には、よく理不尽なことが描かれているが、こんなことが現実に起こって、泣いている市民がどこかにいるのだろうか。
    「最後の証人」は、最後の瞬間に一体何を思っただろうか。

  • 最近の推理小説にありがちな、どんでん返しが何回もあるような物語にはなっていないが、純粋に楽しめたし、読後感も良かった。法廷ものと言うと小難しいのではないかと思ってしまうが、全くそんなことはない。ストーリー展開も文章自体も非常に読みやすかった。このシリーズの他の作品も読んでみたいと思う。

  • 主人公の検事を辞して弁護士となった佐方貞夫は、ボサボサの髪に疲れたスーツ姿の冴えない容姿の男だ。
    ニコチン中毒でヘビードランカーの佐方は、報酬が期待出来る依頼にはさほど興味を示さず、自らが面白いと感じた事件の弁護を引き受ける癖がある。
    がしかし見てくれとは裏腹に、法廷では辣腕ぶりを発揮し、弁護士としての力量は相当のものを擁しているのだ。
    ミステリーともサスペンスとも云えるこの一冊の内容を伝えるのはとても難しい。
    そうは言いつつも、さわりだけをちょっと紹介すると⋯
    高瀬光治・美津子夫妻の一人息子の小学校5年生の卓が、自転車で塾からの帰り道、高速で交差点に突っ込んできたクルマに撥ね飛ばされて死亡する。
    一緒に塾通いしていた親友の直樹は、クルマは信号無視で交差点に侵入し、クルマから降りてきたドライバーからはお酒の匂いがしていたとの証言を警察で説明する。
    がしかし、何故か卓を跳ねたドライバーは不起訴となり、信号無視したのは卓にあって、事故原因の非を被せられる。
    両親は当然ながら納得できず、警察にも抗議をするのだが、警察と検察の壁は高く、真実は闇に葬られようとしていた。
    高瀬夫妻は、事故から悶々とした7年間を過ごすことになるのだが、母親の美津子はこのままでは卓に合わせる顔がないと夫の光治に強く訴える。
    卓の死亡事故から7年後、佐方貞夫弁護士は物的証拠と状況証拠のすべてが、どうみても被告人が犯人であることを示している厳しい裁判の弁護人を引き受ける。
    一見すると男女関係のもつれから生じた殺人事件のようだった。
    しかし、被告人の有罪判決は間違いないだろうと誰もが考えている法廷で、佐方弁護士は驚くべき弁護を展開することになる。
    この法廷と卓の交通事故死とどのような結びつきがあるのか、そして被告人に出された判決は⋯。

  • 裁判が被害者・加害者の名前を明かされる事なく進むので、それぞれが誰なのか?を考えながら読む楽しさがあった。加害者が、社会的地位がある人物のためもみ消された過去の悲劇が発端の今回の事件。主役の佐方の見せ場がないまま最終日に突入。やや唐突な解決ではあるものの、とてもドラマ性のあるラストだった。警察官と検事が正しい人間でなくて、どうするのか。この『最後の証人』にしたところで、定年になっていなければ証言していたかどうか…そして、残された被害者家族の事を思うと、やり切れない気持ちで読み終えた。それでも、佐方の仕事に対する信念がとても好きだ。

  •  
     読み終わってからシリーズものだと知る。

     読み始めはゆっくりと、
     中盤から終盤にかけては一気に読み進める。
     特に中盤あたりからの違和感が気になって気になって、
     ついついパラパラと終わりの部分をサッと読みしたり、
     とにかく続きが気になって…

     寝る前の少しの時間を読書に充てているので、
     寝る時間を削ってついついページをめくってしまった。
     そのくらい引き込まれた作品だった。

     今は、このシリーズの他の話も読んでみたいと思っている。


     

  • 『慈雨』も『盤上の向日葵』もそうだが、本作も人物描写が非常にしっかりしていた。現在の裁判の進行と過去が交互に描かれ、先が気になる構成。『盤上の~』でも同じ手法だが、本当にうまい。ページターナーだった。結末は予想されたものだが、キーとなる人物はあっというものだった。この人物かと。上記2作より先に書かれた本作。いい作品でした。

  • 知らない作家さんだけどストーリーがめちゃくちゃおもしろかった。「誰でも過ちは犯す 。しかし 、一度ならば過ちだが 、二度は違う 。二度目に犯した過ちはその人間の生き方だ」この作家の本を次々と読んでしまう予感。とりあえずシリーズ制覇か。

  • 間もなく全読破しそうな勢いの柚月裕子強化月間。
    ここでタイミング良く電子書籍化された「最後の証人」
    をチョイスしてみた。

    こちらは法廷ミステリー。
    元検事、いわゆる“ヤメ検”の弁護士、佐方貞人が主演
    を務めるシリーズ。ちゃんと調べたワケでは無いが、こ
    れがシリーズ1作目というワケでは無いらしいので念の
    ため。

    いやぁ、コレも唸った。
    まず凄いのが、終盤に入るまですっかりミスリードを許
    してしまった叙述トリックの巧みさ。ほぼラストの段階
    で思わず「へ?」という言葉が割と大きめの音量で飛び
    出してしまったのだから凄い。

    加えて、読んでいるだけで憤りを感じる過去関連事件の
    描写が生々しく説得力に富んでいるのもポイント。巻末
    で解説を書いている作家の今野敏が「柚月裕子は動機を
    書く作家」と評したが、この言葉は本当にストン、と腑
    に落ちる。この作家のすばらしさは、「動機描写の絶妙
    さ」も多分にあると思う。

    初期の作品のようだが、コンパクトにまとまった良作。
    柚月作品のファーストタッチには最適な気がするので、
    ちょっと気になっている人は価格も安く手を出しやすい
    この作品を最初に読むことをオススメします。

    ところでこのシリーズ、他の作品は未だ電子書籍になっ
    ていない。宝島からリリースされた作品は、この作家に
    限らず電子書籍化されていない作品が多い気がするのだ
    が、何故なんだろう?とにかくこのシリーズ全作品の
    Kindle化を強く望みます!面白いので。

  • 文体が普通。
    展開も並の範囲で、面白いけどワクワクしなかった。

  • 裁判ものだが、途中まで被告人がわからない。
    被告人の名前が判明した途端、物語が一気に展開する。
    昔の事件が新たな事件を呼ぶことが哀しい。
    ここに登場する警察の体質に問題があるのだが、現実世界でもここまでとは言わないが少なからず同じことが行われていると思っているから、物語にハマり込んだように思う。
    一方で組織でない警察、警察官はやはり気高いと感じさせてくれのものいい。
    最後のどんでん返しも含めて、良い終わり方で安堵した。最後の最後で主人公の事務員の言葉がとても良かった。
    面白かった。

  • 検事 vs. 弁護士の法廷物語。元検事だった弁護士の佐方貞人は、事件の真実を立証するため7年前の事件を知る人物に証言してもらうよう説得し続ける。その元警察官は証言台に立つことを決断する。
    解説で今野敏氏は、小説家の役割を「読み終わった読者が少しでも元気になれるような作品を提供すること」と書いているが、今野氏が自分と似たタイプだと言うように、著者による本書も読後が清々しく終わって良かった。

  • 「私ね、人間の絆で一番強いものは何か、って聞かれたら同志だって答えるわ。恋愛感情や友情より、同じ目的を持つ同志の絆が一番強いと思う」
    188ページ

    ーーそう、俺たちは同志だ。かけがえのない、唯一無二の同志だ。俺はお前を裏切らない。何があっても。
    283ページ

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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