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感想・レビュー・書評
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レニングラードがドイツ軍に包囲されていた冬。脱走兵のコーリャと共に、卵をみつけるという理不尽な命令に従う17歳のレフ。2人の笑いを伴う軽妙な会話のそばに横たわる数々の死。世界は今も、戦争を続ける。
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10年以上前の作品・・なのに、現代性を強く感じる。
筆者曰く メタフィクションというスタイル。
強烈な個性を持つ男 レフ
彼のモノローグの狂言回しを筆者の分身ともいえる人物が引っ張って行く。
今さらながら、レニングラードがロシア人に取り強烈な郷愁と愛国のシンボルとなっている香りが感じられ、対仏、対独他数々の戦を経て祖国を守り抜いてきた気概が物凄い。
今でも語られるようなロシア人のとてつもない耐える力、精神力。
人肉を貪る日々もあり、屍を超えて生きて行った今日。
会話にもチンコ、多摩、クソ、うんこが頻出はそういったエネルギーの奔流の一つかも。
ベニオフが語りたかったのは戦争というものが持つ愚かさ・・当然ながら、大半の個々人はこれを認識しているが、実際それを起こすのは権力者・・個人は無力で引き摺らざれるしかない現実も描かれている。
自分の脳みそのおしゃべりから逃れられない・・という一文は究極をついている感がする。
ラストで筆者が語る「包囲されたレニングラード」「壊れたヨーロッパ」も何れ読みたいと感じた。 -
第二次世界大戦中のロシアを舞台にした小説は初めて読んだが面白かった。その時代のヨーロッパを描いた作品が読みたくなった
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すばらしい