投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ランダムウォーカーと敗者のゲームの作者がタッグを組んで書いた本。当たり前にその2冊のエッセンス拾って構成されているので、概略を知りたい人におすすめ。もしくは2冊は読了済みで復習をささっと済ませたい人。
    読み終わったら情報の裏付けのために深掘りとして2冊に触れるのが良いと思う。

  • 近年は積み立てNISAやieCoについての解説本が多くあるが、インデックス・ファンドが金融庁のHPで対象として望ましい商品リストの大半を占める理由が分かる本。政府が若者に対して長期間複利を期待できる投資を勧めるのは、私が70歳になった頃には今の年金制度は全く違うものになるからだろう。老後資金がない人は若年層の頃にどんなに働いても積み立てていなかったということで自己責任と言われる時代が来るのだと思うと今後は老後格差が広がるだろうと予想する。私は積み立てNISAを利用しているが、分散投資(株式と債券の組み合わせ)の方針について年代別かつ目的別で分散投資の割合の方針が明解に書かれてあり、参考になった。高齢層で始める人でも、自分が受け取れるリターンではなく、子孫に残したいリターンを多くするには債権割合を抑えて(ほぼなしにして)株式の割合を高めるという20代・30代のポートフォリオと同じにするべきだという指摘は、年代によっても目的が違うと投資方針が変わる例の典型。今積み立てているお金が老後のための資金というのは、まだまだ働く年数が多い私にとっては機会損失の部分もある(そのお金があったらより多い経験ができる)。積み立ては若ければ若いほど複利の効果を得られるというのはもちろんだが、その分のお金で失う経験がもし若いときにしかできないものであれば、お金を使うという選択を取ることは何等不合理だとは思えない。いつか、積み立てていないことが自己責任だと言われる時代が来るとすれば、若い人たちを支援する政策も考えていかなければならないだろうし、数は少なくてもそうしたことを考えていくために若い人たちは投票で自分の意思を示していかなければならない。

  • どんな大暴落があったとしても分散投資、リバランス、ドルコスト平均法、インデックスファンドという4つの基本的な原則を守り続けることが大切だと改めて気づかせてくれる本。ページ数は少ないにも関わらず投資の基礎的な部分から本質的な部分まで学べる。

    本書では人気なS&P500よりも、全市場型や、全債券市場型インデックスファンドが進められている。

  • 分散投資、リバランス、ドルコスト平均法、インデックスファンドのたった4つだけ。それ以外のことは個人投資家にとって関わるべきではない、なんなら害になる理由を解いている。新NISAでよくある「オルカンかS&P500か」の答えも本書にある。

    ただし、米国の読者を想定しているため、米国と日本の事情の違いについて、訳者が注を入れるべきところで、注がないのが残念。例えば、本書には持ち家を推奨する下りがある。これは、中古でも家の価値が評価される米国だから当てはまることで、中古では家の価値がほとんど評価されない日本には、そうとは限らないはずだ。

    本書の共著者の一人、バートンマルキールの「ウォール街のランダムウォーカー」をギュギュッとまとめたような内容なので、どちらを読もうか迷ったら、ダイジェスト版の本書の方が読みやすくいいかも。ランダムウォーカーを読んだことがあれば、本書はあえて読まなくていいかも。

  • インデックス投資優位を謳ってきた「ウォール街のランダムウォーカー」と「敗者のゲーム」の著者の共著

    手数料の低い、世界の株式に分散されたインデックスファンドをドルコスト平均法で積立て、年齢に応じて債権とリバランスすることを指南する。

    債権とのリバランスが、加熱しすぎた相場からポジションを外すことに繋がり、パフォーマンスを向上させる点は目から鱗だった。

  • 億り人を目指せ!と煽るタイプの本とは対照的に、堅実に老後資金を稼ぐための基本となる考え方を繰り返し丁寧に説明してくれる本。読みやすくページ数も多くないので噛み砕きながら読んでも1日で読める。
    時間と複利の強さ、分散投資の大事さ、ドルコスト平均法、なぜインデックス投資なのか?特別な才を持たない我々のような個人投資家はどうするべきなのか?について、心に刻んでおきたい。
    本当に大原則となる考え方、当たり前のことかもしれないけど、これを読むと読まないとでは、確定拠出年金の運用一つとっても全然変わると思う。

  • 【文章】
    読みやすい
    【ハマり】
     ★★★・・
    【気付き】
     ★★★★・

    ・72の法則:72÷年利=元本が2倍になる年数

  • 非常にわかりやすく投資を行う前に知っておきたい大原則がかなり噛み砕いてわかりやすく書かれている。特に、リバランスがなぜリターンを上げるのか、自分の自信過剰が一番のリスクと認識すること、の2点が学びになった。

  • 「ウォール街のランダム・ウォーカー」の著者 バートン・マルキールと、「敗者のゲーム」の著者 チャールズ・エリスの共著。投資はこれさえ守っていればOKという内容ですが、基本的なことなので投資情報に詳しい方にとっては、特に目新しいものはないかもしれません。

  •  私は今年で50歳になり、定年まで残り10年になるので老後のお金のことを考え始めた。長く海外駐在員をしているので預金はそれなりに増えたが、海外居住者でいる間は投資などを実行するのが難しい。そこでまずはしっかりお金の勉強をしておくことにした。

     投資の参考書としては『ウォール街のランダムウォーカー』と『敗者のゲーム』が有名だが、その2冊の著者が共著で初心者向けに重要ポイントだけをまとめたのが本書だという。実際、思ったよりかなり薄くて、あっという間に読み終えてしまった。要点は以下の通りだ。

     1章は節約の勧め。カードローンは絶対使うな。2章はインデックス・ファンドの勧め。市場全体の動きが最も賢い。3章は分散投資とリバランスの勧め。資産種別や時間的にも分散せよ。 4章は大きな失敗を避ける心得。未来は予測できないものであり、予測しようとしないことが大事。5章は上記のまとめと具体的な指針(ただしアメリカ人向け)。6章はリーマンショック後に第2版で追加された章で、暴落があっても原則は変わらないことの検証。

     現在の株式市場は大部分が機関投資家による売買であり、彼らは24時間365日必死になって情報収集と投資判断をしている。市場における「現状」は彼らの判断の平均であり、これを越える“賢い”判断を継続的に下すことはまず不可能だ。これが、インデックス・ファンドを常に上回る結果を出せるファンドマネジャーがいない理由だとされる。もっともだと思う。

     証券会社の営業マンに対する評価が極めて悪いのは面白い。無料のアドバイスを受ければ高い商品を買わされることになるので税理士やフィナンシャル・アドバイザーなど有料の専門家に相談した方がいいと言うが、著者ら自身がそういう専門家だという点は差し引いて理解するべきだろう。

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著者プロフィール

プリンストン大学名誉教授
1932年生まれ。プリンストン大学経済学博士(PhD)。同大学経済学部長(1974-75、77-81)、大統領経済諮問委員会委員(75-77)、エール大学ビジネススクール学部長(81-88)、アメリカン証券取引所理事などを歴任。世界的な投信会社バンガードの社外取締役としても活躍。

「2023年 『ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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