ずうのめ人形 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 都市伝説からのオカルト・ホラーもの。リングに絡めてあるが、リングシリーズははだいぶ昔に読んだものでうろ覚え。中学生の女の子の呪いが、その子の書いた私小説に乗り移り、小説を読んだ人を4日後に呪い殺すと言うとんでもな内容。前作では比嘉姉妹は2人だと思っていたら、真ん中にもう1人居て三姉妹。中学で亡くなっていたことが判る。藤間君と野崎さんがメインだな。真琴はあまり活躍していない。姉も最後にちょっと出てきただけだった。戸波さんがゆかりちゃんの母親だったとは、ミステリーとして読んだ方が面白いかな。昔、早川からモダンホラーセレクションというのがあって読み漁ったことを思い出す。クーンツやジョン・ソールとか、このシリーズで知った。

  • こっわ……\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/

    自分はこの類のホラーにびびるという事に気づいたよ……(-_-;)



    比嘉姉妹シリーズ第2弾!
    映画「リング」のような『呪い』の『小説』。

    ホラー雑誌の編集部に勤務する藤間。
    彼の担当するライターが不審死を遂げる。
    ライターの部屋にあった焦げ跡のついた原稿を、後輩が持ち出していた。
    手渡された原稿は、ある少女の中学生時代を綴った内容だった——。

    物語は原稿と交互に展開する。
    自分と近い境遇の主人公が徐々にのめり込む様子が伺える。
    そのため、感情が寄っていく描写にひっぱられないように注意していた。

    それでなくても澤村伊智さんの小説には、言葉尻に注意しながら読まなくては…という謎の使命感がある。
    めっちゃ警戒していたのに。笑

    それだけ気を張って読んだにもかかわらず、最後の最後は「く〜…そこは気にしていなかったよ…!」と、うれしい意表を突いた結末が待つ。

    ライターの不審死の原因である原稿を読むという作中作的な構成も好きだし、ずうのめ人形という変な名称の日本人形が怖さを引き立て、読んだ・知っただけで呪われるという理不尽な都市伝説も大好きだ。

    澤村伊智さんの作品は幽霊や霊現象のような怪異だけでは終わらない。

    「呪い」がテーマであるからという訳ではないのだが、ヒトコワホラーでもある。

    ひとつの作品に、いくつものホラー味が含まれる。
    この作品だけで2作にも3作にも細分化できるのではないかと思わせる。
    何とも贅沢な。ありがとう。

    ホラー映画や小説に関しての言及はごもっともで、共感しすぎて頷いていた。笑
    響くホラーの系統は年代によって様々で、個人の好みが大きい。
    つい最近も、他者にホラー映画や小説をお勧めする上で体感している。

    比嘉姉妹のキャラや関係性が最大の魅力であるのに、加えてめちゃめちゃ怖いなんて、最高の一冊。
    夜に読んで後悔した作品でした。笑

    次は『などらぎの首』
    また……などらぎって何だぁ…((((;゜Д゜)))

  • 澤村伊智の比嘉姉妹シリーズ第2段。
    比嘉姉妹シリーズという名前が良い仕掛け。

    オカルト雑誌の出版社に勤める藤間と岩田が、音信不通のライター湯水を訪ねると、そこには凄惨な死体と焼け焦げた原稿が。その原稿を読み進める内に、顔を赤い糸で巻いた人形が見えてくるようになり。。。

    一作目よりミステリ色の強いホラーミステリ。
    いや、ホラー色も強かったけど。読むと呪われる原稿。一作目のぼぎわんよりは弱いのか笑?(ぼぎわんが強すぎる?)
    間に挟まれる原稿の中身、いじめられている女の子の手記のようで、非常に陰鬱としたもの。そっちも読んでいくのが辛いほどだったけど。その中にしっかりと張り巡らされた伏線が良かった。意外な事実も用意してあり。

    いつか純粋なミステリも描いて欲しい(あるのかもしれないけど)。

    • 家計法廷さん
      こんにちは!コテコテのミステリ読みたいですよね!最近は短編集が多いみたいですが。。。
      こんにちは!コテコテのミステリ読みたいですよね!最近は短編集が多いみたいですが。。。
      2023/09/30
  • 前作に引き続き面白かった!一時はどうなることかと思ったけれど、真琴が幸せになって良かった。今作も複雑な家族関係が描かれている。人はどうしてこんなにも、自分の都合のいいように解釈してしまうのか。人間の弱さが垣間見える。そして最後まで読んでやっと、戸波さんが藤間に熟女モノのエロDVDを贈る理由が分かった。切ないな…。藤間が想像していることを実行に移さないことを願う。

  • 鳴り物入りデビューから最も注目され、真価が問われる2作目。読み終えて、、、いやはや、傑作だった。
    当然のことながら、ネタバレするので、具体的なことは書けないけど、比嘉姉妹が万能でないことが、ここでも有効。本作では、哀しい真実も明かされる。つか、本筋に強引に割り込んできてるけど、何の解決もできていないのが、他の作家と比べて面白いところ。ここでまず読者の安心感を不安定なものにしている。
    さらに、本編の根底にある流れというか問題提起は、前作と同様に、自分の行為の主観性と客観評価のずれの問題。人は皆、普段の行為が、実は他人から見ると許せない行為だと客観評価されることを恐れている。本人は誤解と思っているが、他人はそう感じないことも多い。主の語り手がその役割だと、それを読む者の不安感がざわざわと煽られるので、小節の地盤もどんどん不安定になっていく。
    小説技術としては、都市伝説怪談と実世界の物語が、入れ子構造のように進むという構成になっているが、構成の妙に加え、しっかりとした謎解きストーリーと絡んで、とても読み応えのある作品になっている。
    とにかく驚いた。清涼な読後感とは程遠いので、立て続けに読むとやられそう。趣を変えたいが、三作目に引き込まれそうで悩んではいる。。。

    • あかねにゃんさん
      もう読んだんですね
      いつもながら感想素晴らしい!
      私は次になどらきを読んだんですが、確か短編だった様な・・
      表題が結構好きな話です♪
      もう読んだんですね
      いつもながら感想素晴らしい!
      私は次になどらきを読んだんですが、確か短編だった様な・・
      表題が結構好きな話です♪
      2023/04/10
  • 比嘉姉妹シリーズの第二弾。ずうのめってなんだろう?題名が気になります。
    比嘉真琴にはもう1人美晴という姉がいた。美晴がどんな役割を果たすのかも面白い。名前に他の2人と異なることが気になる。

    オカルトライターの湯水が締め切り過ぎても連絡がないため、オカルト雑誌編集部の藤間とアルバイトの岩田が訪問、そこで湯水の変死体を発見する。その時、岩田が湯水の原稿を持ち帰ってしまう。これがことの始まりとなる。
    第一章サダコ、ビデオではなく、原稿が呪いになるのだろうか?野崎と真琴が婚約者だと藤間と岩田に紹介するが、真琴は藤間から人形を感じ取る。これがずうのめなのだろう。

    第二章ミハル、比嘉姉妹の真ん中の美晴、彼女について描写される。今後のこのシリーズの展開を左右するだろう。ずうのめ人形が何かがわかり始める。リングと同じ呪いなのか?
    野崎は交流ノートの存在を突止める。里穂とユカリについて、別路線で話題が進む。里穂とユカリは何者だろう。サダコは何者なのか?

    第三章ユカリ、ユカリが誰で里穂が何者かわかる。野崎と真琴、藤間の呪いを解くことができるのだろうか?
    本当の恐怖とは何かが語られる。それは誰しもの体内に持っているものかもしれない。二番煎じの模倣感は否めないものの、ホラー作品として秀逸だと感じた。

  • 「ぼぎわんが、来る」の続編。比嘉姉妹シリーズ2冊目。
    ああ、怖かった。発火条件が分かるまでの怖さで、途中でやめるわけにもいかず、一気に読み終えた。 前半の見えない・分からない怖さ、日本人形というモチーフの怖さ、人間の怖さ。もう許して。
    また真琴が倒れ、琴子が乗り出すパターンかと思っていたら、今回は琴子の登場はなし。霊能バトルもなし。ラストは割と呆気なかった。
    下の姉は美晴。名付けは琴繋がりではないんだね。前作によると兄弟姉妹は多かったようだが、1作に1人ずつ出て来たりして…。

  • ヤバイ怖いぞこれ『ぼぎわん』より怖いんですけどコレ…!うちに日本人形いなくて本当に良かった。それでも夜中トイレに行く時廊下の奥とか見るのが怖い。居そうで。

    今作は文章のトリックが巧みで前作よりミステリーとしての面白さも上がってる気がするなぁ。
    メールの間違いとか戸波さんとか。最後まで読んで「ああああ」ってなった…思い込みって怖いな…
    『来る』の続編来ないかな、と思ってたけどずうのめは映像化無理そうですね。

    普通に古典でもない最近の作品が作中に出てくる事にもちょっと驚く。参考資料『リング』と『残穢』。

  •  解説にもあったけれど、この作者のタイトルの言語センスがすごい。ひっかかる言葉選びで絶妙に怖い。
     リングを読んだり見ていると、より一層楽しめる気がする。絶妙にミスリードを誘われ、ホラーとしてだけではなくミステリ的な構成で楽しめる。

     この作品を読んでいて、自分は怖い話をなぜ読むのだろう、そんな疑問を抱いた。
     自分の力ではどうにもならないことに巻き込まれたい、そんなうすい破滅願望があるのかもしれない。人と人とのすれ違いを回復する物語や、力を合わせて困難を解決する物語ではなく、嵐の中に立ち尽くして、自分のすぐ隣を看板が飛ぶような光景を見たいのかもしれない。
     ミステリであれば謎は解決するし、ラブロマンスであれば恋愛は成就する。

     読み終えた後も心に残るようななにかを見たいのかもしれない。
     かといって本当に怖すぎると悪夢に見るので、ほどぼどにしてほしいというわがままである。

  • 比嘉姉妹シリーズ第二弾。

    「ぼぎわん」に続く今回の敵は、真っ黒な振袖に身を包み、赤い糸を操る「ずうのめ人形」。
    読んだら4日後に死ぬ原稿と非常にわかりやすい呪いでありながら、原稿自体が呪いの誕生の経緯や関係者やらについて書かれた小説。最終的には呼び出された怪物によって、目を取られ、赤い糸で殺されてしまう。もう人形が出てきただけで背筋がゾッとなってしまう!!そして藤間さんにも驚かされた!なるほどね!そう来たか!最後に琴子が出てきたのもまたよかったです。
    怖いけど面白く作者の澤村伊智に嵌まる一冊でした。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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