現代社会はどこに向かうか-高原の見晴らしを切り開くこと (岩波新書) [Kindle]
- 岩波書店 (2018年6月20日発売)
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感想・レビュー・書評
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2018年発行。1973年から2008年のアンケートで、世代の精神の軌跡、価値観の変化を基に、社会の変遷から行き先を探る。
2016年頃の生活スタイルの変化、高原を登った後の現代人の生きる目的の項がおもしろかった。確かに、当てはまる部分は多い。
「加速に加速を重ねてきた走行の果てに、突然目的地に到達して急停車する高速バスの乗客のように、現代人は宙を舞う。」とは辛辣。吹き飛ばされるか、何かにしがみつくのか。シートベルトは締められているか?
最近よく口にする「富と財」。金銭ではない価値をどう扱うか。
格差があるから、幸福が多様化して欲望や羨望になる。「欲しがりません勝つまでは」などの均一化や強制的な状況では、幸福が内面化して他人と同程度で満足させられる。
コロナ禍でのささやかな幸福のあっけない崩壊は、誰にも平等に降り注ぐ厄災に、脆弱な層から追い打ちをかけた。
大きく価値観が変わった今、「どこに向かうのか」をインターネット社会という「魔術」によって考えなければ、政治や社会に影響されてしまうと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p.2023/1/8
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