ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV (電撃文庫) [Kindle]

  • KADOKAWA (2018年9月9日発売)
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  • 宇野朴人氏による本格戦記ファンタジーシリーズの完結巻。帝国とキオカ軍の決戦、そして主人公イクタの最後の戦いを鮮やかに描写しています。

    両軍は国境近くの平原で激突し、キオカ軍の爆砲の威力に帝国軍は苦戦を強いられます。イクタたちは塹壕戦で対抗するものの、敵将ジャンの知略に押され、戦線の後退を余儀なくされます。さらに、海戦においても帝国海軍は苦戦を強いられ、キオカ海軍の爆砲艦の前に撤退を開始します。

    本作の見どころは、イクタとジャンの知略戦にあります。ジャンは精霊通信を駆使し、戦場の全情報をリアルタイムで把握・対応する「完全な軍隊」を率います。これに対し、イクタは持ち前の知恵と経験を活かし、不利な状況を打開しようと奮闘します。両者の頭脳戦は緊迫感に溢れ、読者を飽きさせません。

    例えば、イクタが敵の精霊通信網を利用して偽情報を流し、敵軍の動きを操作するシーンがあります。この策略は、技術的優位に立つ敵に対して、人間の知恵で対抗する姿を印象的に描いています。

    また、本作では戦争の悲惨さと、それでも前に進もうとする人々の姿が丁寧に描かれています。戦場で仲間を失うイクタの葛藤や、戦争に翻弄される民衆の姿は、読者の心に深く響きます。

    シリーズ完結巻として、本作は各キャラクターの成長と決意を丁寧に描いています。イクタの最終的な選択は、彼の成長の集大成として納得のいくものです。また、サブキャラクターたちの活躍も見逃せません。

    私は、本書を読んで、戦争の無常さと、それでも希望を持ち続けることの大切さを強く感じました。イクタたちの奮闘は、困難な状況下でも諦めない人間の強さを示しています。同時に、戦争がもたらす悲劇と、平和の尊さも改めて考えさせられました。

  • 知識と情報の収集はやっぱり大事。
    新しいものをどう活用するか、相手がどう活用してくるか。
    慣れ親しんでるものが一番なんてのんきに構えてたら、あっという間に置いてかれて対処できなくなるね。

    昔を懐かしんだところでしょうがない。
    変わってしまった今の状況に適応しなければどこにいっても同こと。
    変われない自分が一番居心地がいい場所なんてどこにもなっていうのはそのとおりだよ。

    どんなことにも意味がある。
    という思い込み。
    よく引っかかるよ。
    なぜ?
    きっと意味があるんだろうと放置してたら、全く意味なくてただの見落としだったとか。

    自分も新しいものばかりに目が行きがちだけど、古いものもものによっては価値を見いだせるよね。
    デジタルよりアナログの方が動作が確実だったりすることもあるし。
    タッチパネルの反応が悪いときに「ボタン式だったら・・・・・・」ってよく思う。

    人間の集中力が持って一日4時間って言うのは度々実感する。
    本当に簡単な文章すら理解できなくなる。
    書いてあることは読めるし何を言っているかもわかるけど、それに対して自分がどうするべきなのかが全く思い浮かばなくなる。

    例えば、自分に向かって飛んでくるボールが見えていて避けなければ当たると分かっても、「避けるって何?」って感じになる。
    目に見えているものから自分が取るべき行動が、全然つなげられなくなる感じ。
    後から思い返すとゾッとするときすらある。

    で、結局国民はどんな損害を受けたんだい?

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著者プロフィール

2010年に「神と奴隷の誕生構文」(電撃文庫)でデビュー。「スメラギガタリ」シリーズ(メディアワークス文庫)、「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」シリーズ(電撃文庫)を刊行。

「2023年 『七つの魔剣が支配するXII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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