カササギ殺人事件 下 (創元推理文庫) [Kindle]

  • 東京創元社
3.92
  • (14)
  • (20)
  • (12)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 146
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (357ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ミステリーの楽しみ方は人それぞれだと思いますが、私が重視するのは、トリックとその整合性、物語自体の面白さです。
    本書はミステリー7冠という金字塔を打ち立てた名作で、文庫本では上下2巻からなっており、上巻を読み終わった後では、なぜそれほど傑作と称賛されているのか正直ピンときませんでした。そして下巻を読み始めて、下巻の登場人物が上巻とは大きく違っているのにまず驚き、さらにこれはシンクロする劇中劇という趣向だというのに気づきました。時系列的には作者の次作となる「メインテーマは殺人」の書評でも指摘しましたが、作者の描写力と読者への誠実さはこの時点から健在で、この作品はさらに(15年をかけた)構想力という強力な武器まで備えていました。とはいえ、これは殺人トリック(例えば、島田荘司「占星術殺人事件」「奇想、天を動かす」など)を楽しむよりも、作品構想の妙味を楽しむべきミステリー(例えば、カルロス・ルイス・サフォン「風の影」のような)だと思います。もちろん、殺人もあり、しかるべく伏線回収もあり、その謎解きには納得できるものの、ミステリー自体の意外性に欠けてしまうきらいがあります。この点をどう評価するかで、本書のミステリーとしての好き嫌いは違ってきます。
    とはいえ、これだけの話題作ですので、読まない手はありません。ご自身の評価がどうなるにせよ、まずは一読をお勧めします。

  • 上巻を読み終わった時点でカササギ殺人事件というのが、推理小説作品中の推理小説作品という二重構造になっていることを失念しており、下巻を読み始めた時は正直に言って戸惑ってしまった。
    しかし、読み進めるにしたがってその2つが交差し絡み合っている設定にグイグイ引き込まれ、一気に読了した。面白かった!

  • 上巻とのつながりを期待していると、
    全く違う時代、全く違う世界での話が始まる。

    作品の構造自体が凝っていて、メタフィクションのように、
    主人公がカササギ事件を読む編集者と同じ目線で、
    一緒にミステリを解いていくのが面白い。

    ミステリーとしてもよく出来ていて、
    一度で二度美味しい、
    作品となっていた。

  • なるほどねえ~~
    最後はまあるく収まって
    よかったじゃん

  • こういった構造のミステリは初めて読んだと思う。
    登場人物の多いフーダニットは私が最も好むミステリとは言えないのだが、この作品はかなり楽しめた。
    小説の中の小説、という始まりからも興味をそそられたし、解決の仕方も納得。
    ミステリの古典、名作を下敷きとしたネタが散りばめられており、それに詳しい人はもっと楽しめるのだろうな、と少々悔しい思いもしました。
    ピュント(ヘンテコな名前だなとは思っていた)とアランの人柄の落差がなんだか切なかったな。
    名だたるミステリ作家もアランのような葛藤があったと記されている。皮肉なものだ。

  • ページをめくると、いきなり意表を突く展開!
    上巻はゆったりとしたアガサ的(ブラウン的?)なイギリスの田舎での殺人事件だったが、後半は、現代と小説での物語がリンクして、二重の事件が鏡像のように展開される。

    アクロバティックな設定なのに、貼りまくってある伏線を上手く収め、意外な犯人が設定され、さらには小説のオチも、現在の事件のオチも文句ない出来。

    これだけ凝りに凝った作品は珍しく、各賞受賞もうなずける。小説としてはホームズや007が有名な作家だが、この人の脚本によるドラマも見たくなる。

  • 総じて面白かった、けど、ここまで話題作になる理由についてはピンとこなかったかな。
    クリスティ(というよりポアロ)が好きで、作中作の『カササギ殺人事件』はなんだか懐かしい印象。

    上下巻の切り方は「そうきたか…!」って感じで、おかげで下巻にうつるときにちょっと飽きるような失速感?はなかった(ただ下巻の出だしを読んで「そっちいくの!?」とも思ったけど。笑)

    犯人はどちらもわかりやすい、というか、なんかあやしいな、と思った人がそのまま犯人。これもクラシカルな作品にはよくあるし、これはこれで個人的には好き。

    じゃあ、何が自分の中でいまいちなのかなー…と考えてみると、キャラクターにいまひとつ魅力的なタイプがいなかったのかなー。ある意味とても現実的(ただある側面ではとても物語的)なキャラばっかりで。欠点が多いとか二次元的格好良さがないとかそういうことではなくて(ポアロが好きなのだから当然)、作中作の「探偵」も、本編?の主人公も、「次作が読みたい!!」とまでひかれなかったというか。

    ただ上下巻にもかかわらず、あっというまに読了しちゃうくら文章は読みやすかったし、この作者の著作はまた読んでみたいとは思った。次の作品は作者本人がワトソンだと聞いたので、シリーズ化する予定なのかな。探偵役次第なんだけど、ちょっと楽しみ。

  • あわてて下巻を開くとあれ??
    カササギ殺人事件は劇中劇みたいなことなの?
    と思いながらもどんどん読み進めていくと、なんか二重構造みたいになっていて、こっちはこっちで面白いけど、カササギ殺人事件のラストも読みたかったなあと諦めきれず。
    でも最後の最後には結末も無事見つかり、結婚か仕事かの二択も解決し、スッキリしました‼️

  • 「カササギ殺人事件〈下〉」(アンソニー・ホロヴィッツ:山田蘭 訳)を読んだ。
    うーん、面白いっちゃ面白いんだが、わたし的にはそんなに大騒ぎするほどには〈下〉は盛り上がらなかったかな。
    作中作の『カササギ殺人事件』はすごくいいのだが、本来のほうの物語がありきたりな感じなのだよ。
    ちょっと笑ってしまっのが、〈上〉の感想で『わかった、執事が犯人だ。』なんてジョーク書いたけど、〈下〉の中にこんな文章が。
    『あんなものに価値などないね! 八万語を費やして、結局は執事が犯人でした、なんて話にすぎないじゃないか』って。
    なんたる偶然。
    (これに執事は出てこないのだが)

  • 夢の中で夢を見るような二重箱ミステリー。アガサをオマージュした作中ミステリーや現代編では実存する(した)有名人を登場させたり、韻を踏んだり、アナグラム、作中登場人物は鳥の名前、など遊び心満載で、楽しめました。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1955年生まれ。イギリスの作家、脚本家。世界で1900万部の人気を誇る「アレックス・ライダー」シリーズや、コナン・ドイル財団公認のシャーロック・ホームズ・パスティーシュ『絹の家』『モリアーティ』を執筆するなど、多数の著書がある一方、「刑事フォイル」など脚本家として数多くのテレビ・ドラマ作品を手がける。18年『カササギ殺人事件』は年末ミステリランキング4冠を達成。

「2019年 『007 逆襲のトリガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アンソニー・ホロヴィッツの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
又吉 直樹
伊藤 計劃
米澤 穂信
辻村 深月
ジェイムズ・P・...
村上 春樹
村上 春樹
米澤 穂信
ピエール ルメー...
有効な右矢印 無効な右矢印

カササギ殺人事件 下 (創元推理文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×