ミスコン女王が殺された 〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]
- 東京創元社 (2018年9月21日発売)
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感想 : 5件
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感想・レビュー・書評
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アメリカ南部ルイジアナ州。バイユーにワニの生息する人口300のシアフルという小さな町。こんな静かで平和なはずである町に、CIAでへまをやらかした女スパイ、フォーチュンが身を潜めてからいきなり事件が連続するようになった。わけありのおばあちゃん二人アイダ・ベルとガーティとのトリオでの活躍シリーズ第二弾。
先日の翻訳ミステリー札幌支部のZOOMによるリモート読書会では、このシリーズ翻訳は三作目までなされたけれど、この後の続巻は売れ行き次第とのこと。たいていの翻訳シリーズ物は三作までの版権を得て、その売れ行き次第で出版を続けるか否かを決定するということが、出版事情に明るい方により明らかになった。
なのでぼくもささやかながらこのシリーズの力になるべく既訳の三作は読むことにする。あまりユーモア・ミステリに食指を動かされるタイプではないが、主人公の若い姉ちゃんフォーチュンは、ある意味ハードボイルドな戦闘的主人公であり、男顔負けの戦闘能力に長けているわけで、ユーモアと言いながら男性読者を十分に引き連れてゆける魅力に富んでいるのだ。アイダ・ベルとガーティの老女二人も然り。
タフでハードな女性トリオによる本編はタイトル通り。バナナプディングに関する競争相手(一作目ご参照)シーリアの娘であるミスコン女王が殺害される事件が発生。殺害状況その他が不明ななか、戦闘女トリオはイケメン保安官助手カーターの目線を潜り抜つつ隠密捜査を展開、ドタバタアクションで読者を爆笑させつつ真相に迫ってゆく。
この作家の天才を感じるのはこのあたりの展開だ。あらゆるシーンが爆笑要素とスリルに満ちている。
それでいてカフェ店員アリーという普通の女の子も登場させ、ドライで孤独なヒロイン、フォーチュンに普通の世界を体験させることで、改めてこの町での日々によるヒューマニズムのような感触を彼女自身に感じさせる。一冊二冊の作品展開のなかでも、少しだけ鋼鉄の戦士に温かい血が流れ、心が通電するような微妙な変化が生まれる。このあたりの描写も素晴らしいのだ。
特に保安官助手カーターとの間に生まれそうで生まれない、女性として初めての恋愛感情の卵のような意識。このあたりも繊細で可愛らしく、あくまでハードボイルドなヒロインがこの先18作くらい続いてゆくシリーズでどれくらい人間化してゆくのかというプロセスもなんだか楽しみでならない。
ちなみにこのシリーズ10作を越えても3か月くらいしか経過しないという。邦訳されている三作だけでも10日ほどしか経っていないらしい。フォーチュンがこの町に来てからいきなり事件が連続し、保安官事務所はいきなり忙しくなってしまうのだ。こんな無理な展開でも中身が詰まっていれば読者は食いつく。さて続けて三作目にとりかかろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ワニ町シリーズ、第2段。
前作に輪をかけて面白くなってきた。
前作の感想で、ひと夏しかない潜入?期間でどうシリーズを構成するのだろうかと書いたけど、本作は前作事件の翌日からスタートする展開。これまで平穏だった町がフォーチュンが来た瞬間に殺人ドタバタ大混乱になるって、まさにありえないだけにすごい!滞在期間延長なしに続くのはまだ信じられないけど、どうだろう。
邦訳は今月新刊が出て6作目。本国では15作ぐらい出てて、毎年1巻の邦訳ではなかなか追いつけないが、毎年の愉しみが増えてうれしい。
本作は、タイトルどおり夏祭りの企画中にミスコン女王が帰還して殺されて、犯人の疑いをかけられた主人公がおばちゃんズと新たな仲間と組んで犯人解明に挑む、本筋のなかでお約束のようなドタバタ劇。小粒のロマンスもしっかり効いて、読書の最上の悦びを味わえる秀逸ミステリ。
あー楽しかった。 -
ワニの町へ来たスパイシリーズ第2弾。
前作の事件から次の日?地元のお祭りで子どもミスコンを開くことが決定。なぜなら地元のミスコン女王パンジーが戻ってくるから。彼女は年齢の近い男性ほぼ全員と関係をもったとも言われ、嫌われものだ。フォーチュンは一応ミスコン優勝の経歴があるので、共同で運営にあたるが、大げんかしてしまう。さらにその夜、パンジーが殺害された。
アメリカ南部、小さな田舎町。独特のルールや不文律がある。また、昔からある南部の礼儀作法もある。そこでドタバタしながら事件を解決していく様子。フォーチュンが下着姿になったら必ず保安官が登場してあられもない姿をみられる場面となったり、老婦人コンビのどんくさい方は必ずヘマをやらかす。昔テレビドラマにあったお決まりのシーンも多いけど、安心して読める。何より、アイダ・ベルと、雑貨店主人ウォルターが頼もしい。 -
シリーズ2作目はフォーチュンに殺人犯の疑いがかけられて汚名をそそぐ為に行動を開始する。
1作目より更に面白さアップ。
保安官カーターに見つからないために3人組が取る行動がとにかく可笑しくて読みながら途中で吹き出してしまった、楽しかった! -
ミスコン女王が殺された 〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
前作から休む間もない主人公。シリーズは
まだ続いているようなので、このままでは過労死するのでは?
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