未来職安 [Kindle]

著者 :
  • 双葉社
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感想・レビュー・書評

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  • 期待していたものの、意外にも全然おもしろくなかった。
    半分まで読んでやめた。

    BIが支給され1%だけが働く未来、は自分も指向していたので描かれる世界像を楽しみにしていたが、シミュレーションとしてはかなり底の浅いものだった。

    1%の「生産者」がステイタスになっているのが違和感。99%は「働かない人」というよりは「働けない人」のようだが、それにしては一人では生きられない額のBIとか、うーん、そうなるのかな…とか。

    マジメにシミュレーションしたというよりは、2010年代後半によく囁かれた言説(「責任をとるための仕事は残る」とか)を寄せ集めたような感じだった。

    監視カメラに人間が映り込むと解析に使えない、というのもまあ風刺としてはわかりやすいけど、現実はそんな問題はとっくにクリアしてるし。

    ただ、テクノロジーに詳しくない人向けに「なんとなく未来っぽい雰囲気を解説する」場合のトーン感というのは、一つ参考にはなったかも。

    事務所のキャラクターは、弱気っぽい女子事務員と、なんかオラついてるヤリ手っぽい個人経営者、というありがちな感じ。このくらいステレオタイプなのがかえっていいのかも。

    物語は起伏に乏しく、「ほのぼの系」路線なのだと思われる。

    こういう作品が好きな層がいるというのは理解できる。


    EOF

  • 横浜駅SFが面白かったのでコチラも購入。
    やっぱり面白い。
    話自体は正直そんなに面白いわけじゃないんだよね。
    わりとアッサリ終わっちゃうし。
    しかしこの人の書く「大したことない話をやたらと小難しく表現する」文章が非常によい。
    脳が楽しい。
    ホント無駄に小難しいよなあ。
    これもいくらでも続きが書けそうな感じなので、この小難しい感じでどんどん書いて欲しいなあ。

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著者プロフィール

2016年、小説投稿サイト「カクヨム」に投稿した『横浜駅SF』が第1回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞し、デビュー。著書に『重力アルケミック』『未来職安』『人間たちの話』『まず牛を球とします。』他。

「2022年 『SF作家の地球旅行記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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