デス・バイ・アマゾン テクノロジーが変える流通の未来 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (274ページ)

感想・レビュー・書評

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  • アマゾンと、アマゾンに対抗する各社がどういう戦略をとっているのかを簡潔に纏めた本。
    とにかくサービス展開が速い、アジャイル。その背景にAWSという金のなる木を持っている、という強みなのだろう。採算を度外視して、テクノロジーを徹底的に活用した顧客体験を提供するアマゾンになかなか勝てる日本企業はないかもしれず。
    日本企業がよく言う「ものづくり」は大事だが、スピードとビジネスモデルがもっと大事な時代なのかもしれない。

  • どうしても日々の仕事に埋没されてしまうが、足を止めて真剣に考えねばいけない。着実に変化は訪れている。
    書籍自体は2018年発行のものなので、すでに数年が経過している。
    この数年でも着実にAMAZONは進化しているはずだ。
    次なる一手は何を打ってくるのか。
    その次の先まで、一体どこまでの未来を見据えているのか。
    我々自身も時には立ち止まって冷静に考えねばならない。
    ついつい普段の仕事を忙しくこなしていると、未来のことに対して目を瞑ってしまいがちだ。
    時間を作ってPCやスマホを遮断し、自己の内面を掘り下げることをすることが必要なのだろう。
    「未来はどうなるのか?その時に自分はどうするのか?」
    この数年の流れで考えれば、AMAZONのような強力なプラットフォーマーに対抗して、非中央集権化・分散化の流れが来ている。
    今後時代がどう流れていくかは分からないが、おそらく片方に寄ることなく、両立していくのだろうと思われる。
    プラットフォーマーが完全に駆逐される世界というのは考えづらいだろう。
    物事にもよると思うが、完全に分散化されるよりも、大きな一社が効率的に低コストで回した方が上手く行くこともあるはずだからだ。
    本書で紙面が割かれているが、そういう意味でもプラットフォーマーとしての本質は物流部分だと感じてしまった。
    未だに自動運転も、ドローン配送も一般化という意味では実現していない。
    しかしながら今後これらの技術が発展し、実用化に向かっていくことだけは間違いない。
    その時に、すべて自立分散で機能するとはどうしても思えないのだ。
    責任の所在という問題も大きいと思うが、物流の仕組みについては大きな会社が超効率的に運営をした方がよさそうな気がする。
    大きな意味で「移動」とは、今後のテクノロジーの核心部分になっていくと思う。
    モノが移動すれば物流であるし、人が移動すれば旅行になるかもしれない。
    いずれにしても両者とも「リアル」な物体であるから、移動は大変である。
    もしデジタル上の情報であれば、移動についても複製についてすらコストほぼゼロで、制約も少ない。
    それがリアルだからこそ、サイズも大きなものになればそれだけコストがかかるし、制約についても比例して大きくなる。
    結局ビジネスとは、価値の等価交換である。
    現状は何かモノだったりサービスだったりに対して、相応の金額を等価で交換している。
    交換するものがお金であれば、それは情報となってデジタル上での移転が今後益々滑らかになっていくだろう。
    しかしながら、モノやサービスがリアルである以上、その移転は制約があるままだ。
    おそらくAMAZONはその制約をドンドンと破壊していくのだろう。
    「モノの移転」という障壁を、テクノロジーを使って限りなく小さくしていくということなのだ。
    そうなると、他社よりもAMAZONは圧倒的に有利になっていく。
    一度でも取引をAMAZONに切り替えてしまえば、以前の取引会社にはもう戻れない。
    そうやって業界そのものがあっという間に駆逐されていくのだ。
    Dashボタンや、AMAZON Goが出た時はスゴイと思ったが、今後はそれらを上回る買い物体験が顧客に提供されていくだろう。
    すでにAMAZONが特許取得済みらしいが、「家主が思っただけで、モノが配送される」という世界が実現されていくらしい。
    朝起きてコーヒーを飲みたいと思ったら、すでに食卓に用意されている状態。
    それは家事ロボットが提供するのか、AMAZONが自動でデリバリするのかは不明だが、いずれにしても「朝起きたらすぐにお気に入りのコーヒーが飲める」という体験は実現されていくのだろう。
    「お腹が空いたら、食べたいと思ったご飯が出てくる」
    「欲しいと思ったら、それが瞬時に届く」
    AMAZONかどうかは別として、そんな世界が実現されるのはそう遠い未来の話ではない。
    生活者にとってはものすごく便利な世界となる一方で、我々は益々考えることが必要なくなっていく。
    「選択する」という考える行為をすっ飛ばして、テクノロジーがあなたに最適なものを最速で提供するからなのだ。
    これは最早テクノロジーの奴隷とも言える状態かもしれない。
    やっぱり我々は考えねばならない。
    こういう未来は確実に実現する。
    その時に我々はどうやって生きていくべきなのか。
    確かに今後もAMAZONはあらゆる業界を破壊していくだろう。
    その状況を漫然と受け身でいるだけなく、その一歩先を考えてみる。
    あらゆることが自動化された世界で主体的に生き残る道筋を考えてみる。
    答えがすぐに出ないとは思うが、立ち止まってこの課題を正面から解いてみたいと思う。
    (2022/8/16)

  • amazonが何をやっているのかの本。amazonは結構いろいろ手を出しているし、日本ではやっていない事もあるので、思っていたよりも知らないことが多かった。

  • 流通の未来に関心があったわけじゃないけど、
    比較的幅広く流通や小売について書いてあり楽しめた。
    Amazonが完全に一人勝ちをしても面白くないので、アマゾン・サバイバーには頑張って欲しいところ。
    とりあえず、Allbirdsのスニーカーは欲しくなった。

  • アマゾンの採用面接を受けるにあたり同社の強み、弱みを理解するために読了。

  • やむを得ないのかもしれないが、アマゾンに対抗する企業の内容が個別具体的に見え、真の意味でアマゾンに対抗できる気がしない。結局は、大局はアマゾンが抑え、その他は局地戦を戦うということか?唯一アマゾンに対抗できそうな気がしたのは中国企業くらい。彼らは顧客に真のサービスを提供することを徹底しており、本質的なところでアマゾンに対抗している。

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著者プロフィール

城田 真琴(シロタ マコト)
野村総合研究所 DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト
2001 年に野村総合研究所にキャリア入社後、一貫して先端 IT が企業・社会に与えるインパクトを調査・研究している。総務省「スマート・クラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT 融合フォーラム」パーソナルデータ WG 委員、経産省・厚労省・文科省「IT人材需給調査」有識者委員会メンバーなどを歴任。NHK Eテレ「ITホワイトボックス」、BSテレ東「日経プラス10」などTV出演も多数。著書に『FinTech の衝撃』『クラウドの衝撃』『ビッグデータの衝撃』『エンベデッド・ファイナンスの衝撃』 (いずれも東洋経済新報社)、『パーソナルデータの衝撃』(ダイヤモンド社)、『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞出版社)などがある。

「2023年 『決定版Web3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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