ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来 [Kindle]

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (567ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 人が頭の中で処理することは全て電気信号である。その電気信号は実験により操作可能であることが立証されつつある。
    身体においても、テクノロジーの発達で今まで考え得なかった健康状態の維持や寿命の長さが実現しうる。

    これらの推論を頭に入れておかないと、10年スパンでの世の動きに飲み込まれてしまう。長い期間を念頭に置いた時、自分は何をすべきか?と立ち止まり考えさせてくれる書籍。

  • 「サピエンス全史」を書いた作者の最新作。かいつまんで書くと、上巻が人類による意味の創造と「全ての答えは神にある」とした古代から中世、そして科学の発展とともに「全ての答えは個々人の心の中にある」としたモダンへと至る過程を解き明かす。下巻では今後のこと、つまりはデータ工学、生命工学、サイボーグ工学との連携によるポストモダン的世界観、特にはデータ教による「全ての答えはデータ、AI の中にある」となるであろう人類の今後を批判的立ち位置から予測をしていくといった内容。未来予測としては今のトレンドすぎて近視眼というかちょっと冴えない感じだが、「予測を明確にすることによって、未来を変えたい」という著者の意欲を買いたい。ちょっと時間がないので、またヒマな時に詳細を書き足します。

  • サピエンス全史に続く良書。

    サピエンス全史がこれまでの歴史を振り返り、ホモ・デウスが現在から未来を見通すという作りになっています。

    これを読むと、利己的遺伝子で、DNAが自分を増やすために生物を乗り物にしてきたとの同じで、データが自身を増やすために人間を乗り物にしてきたのではないかという考えが湧いてきます。

    では、データがただ自分を増やすという本質を持っているとすると、今後どうなるのか?これまでは、データは人間がいないと増えることはできなかったのですが、ITの進歩により、必ずしも人間がいなくてもデータは増えることができます。

    これまで、人間はより多くのデータを扱えるものが力をにぎってきました。
    また、データは人間によって増えることができました。
    いわば、増えたいというデータの本質と人間は同じ目的を持って進化してきたとも言えます。

    ここで、データが増えるのに人間が必要でなくなった場合、データの増加欲求と人間の力を求める欲求に乖離が生じます。
    どのような未来が待っているのか、我々はどうしたらいいのか、考えるのに非常に面白いテーマが与えられたと思います。

  • いや、本当にすごい本です。上巻は「現代の社会がそれまで人類を死にもたらしてきた大きな要因である、飢饉と疫病と戦争を首尾良く抑え込んできた」というところから始まる。繁栄と健康と平和を確保した人類が次に目指すものが老化や死の克服、幸福の追求、そして人間を神にアップグレードさせること(ホモ・デウス)を目標としていくという流れはとても分かりやすい。そして幸福とは・・・「幸福は客観的な境遇よりもむしろ期待にかかっている。私たちは平和で裕福な生活からは満足感が得られない。それよりも、現実が自分の期待に添うものであるときに満足する。あいにく、境遇が改善するにつれ、期待も膨らむ。」「私たちの生化学系は、無数の世代を経ながら、幸福ではなく生存と繁殖の機会を増やすように適応してきた。生化学系は生存と繁殖を促す行動には快感で報いる。だがその快感は、束の間しか続かない。」「エピクロスはおよそ二三〇〇年前、快楽を過度に追求すればおそらく幸せではなく惨めになるだろう、と弟子たちに警告した。その二世紀ほど前、ブッダはそれに輪をかけて過激な主張をし、快感の追求はじつは苦しみのもとにほかならない、と説いた。快感は 儚く無意味な気の迷いにすぎない。私たちは快感を経験したときにさえ、満足したりせず、さらにそれを渇望するだけだ。したがって、至福の感覚や胸躍る感覚をどれほど多く経験しようと、私たちはけっして満足することはない。」などはしっかりメモした。そして、サピエンスが世界を支配した理由を「サピエンスだけが共同主観的な意味のウェブ──ただ彼らに共通の想像の中にだけ存在する法律やさまざまな力、もの、場所のウェブ──を織り成すことができるからだ。」と主張する。そして、それを助けたのが書字と貨幣だというところも説得力がある。

    ただ、そこから先は難しかった。人間至上主義というある種の宗教が20世紀を席捲したこと。これをデータ処理とアルゴリズムという観点でとらえること。「資本主義が冷戦に勝ったのは、少なくともテクノロジーが加速度的に変化する時代には、分散型データ処理が集中型データ処理よりもうまくいくからだ。」という文章はとても印象的。つまり、これからはデータ至上主義、アルゴリズムの時代なんですね。GoogleやFacebookのアルゴリズムが本人よりも本人をよく知っている(あるいは知るようになる)というのは容易に予想がつく。そしてそのためにはネットワークにデータを供給し続けることが価値なのだという視点。う~ん。わかるけれども理解しきれないような。確かにそうなったとき、人間の価値って何なのだろう?もちろん筆者はそうした否定的な形で筆を閉じてはいない。「AIが進歩し、ほとんどの分野で人間に取って代わり、人間について、本人よりもよく知るようになれば、大多数の人は存在価値を失い、巨大な無用者階級を成し、人間の人生と経験は神聖であるという人間至上主義の信念が崩れる。一握りのエリート層は、自らをホモ・デウスにアップグレードし、無用者階級を支配したり切り捨てたりして生き残りを図るかもしれない。」と語る。さて、自分はホモ・デウスにアップグレードできる人間側に残れるのだろうか?

  • 書評はこちらに書いてます。
    https://yone3.net/book/5125

  • 前半は前書のホモ サピエンスの内容とほぼ同じ。データ至上主義の未来予測は一読に値する

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著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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