女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEEN 百年シリーズ (講談社文庫) [Kindle]

  • 講談社 (2017年1月13日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 百年シリーズ1作目。時は2113年ミチルとウォークアロンのロイディ訪れた人が死なない街で殺人事件が起きる。
    一種の洗脳状態に街全体が陥っている不気味さが面白い。これが真賀田四季が作る未来なのだろうか。
    人は死なず、眠りにつくだけ。コールドスリープで老いを止める技術もあり、自給自足で成り立っている犯罪もない幸せそうな街だが、みんな脳死状態のよう。どんなに完璧な世界でも、たった一人の人間により崩れてしまう結末が良かった。

  • 近未来SFとしての世界観、著者ならではの専門性をフルに駆使した想像力は圧巻。生と死が曖昧になったディストピアを舞台に繰り広げられる哲学的な問答と復讐サスペンスに心躍りました。一方で、本格ミステリの要素がノイズになっている気がします。謎自体にそこまでの魅力を見いだせず、物語の軸がブレて感じました。

  • 再読。
    森博嗣、素晴らしい。

  • 4か5しかつけられないから、4だけど、4.5にしたいくらい良い。
    これをミステリーと取るかではなく、森博嗣の世界への捉え方が良く出てる。

  • 発想が凄く面白い。
    未来技術と現代?を行ったり来たりする感覚
    死や信じてる事を穴はあるけど一応論理的にしてる所
    境界があいまい

    無免許だって笑った

  • 生と死の境界線が曖昧な閉ざされた街にて、若き王子の殺人事件が起こる。

    神とは何か、生死の境界線はどこに引かれるのか。

  • 著者の作品が好きなら必読。死ぬことが実質的な意味を持たないコミュニティにおける、特殊設定ものの本格ミステリ(ホワイダニットもの)としても、氏の未来予測を含んだSF小説としても読める。(あるいは社会論としても)まぁ面白いですよね~~~~

  • 理想郷をつくることは可能だけど、持続は難しい。

  • '「ロイディ。天気はどう?」
    「もうすぐ雨になる。今夜もかなり荒れるだろう」
    「こんなに天気が良いのに?」
    「現在は、風もなく、雨も降っていない」

    それくらいはわかる、と言い返したかったが、黙っていた。ロイディにとっては今の天気も、未来の天気も、ほとんど同じ確かさなのだ。人間だけが、今、自分が触れているもの、見ているもの、聞いているものを現実だと信じる。そして、それが揺るぎない絶対の存在だと思い込む。その思い込みのために、過去を歪め、未来を見誤る。過去を恐れたり、未来に怯える。すべては、認識の誤差が招く幻だ。

    そう、わかっている。
    自覚はしている。その類の教育は受けた。

    しかし、メモリィに蓄積されたデータと、それらの相互関係が意味するもの、それらの連鎖が生み出すものを理解することは別問題だ。格納と処理くらい違っている。僕は、格納しただけで、まだ何も処理していない。どう理解したら良いのか、全然わかっていない。

    愛という言葉の意味を知っていることと、愛すること、愛されることは違う。それくらい差がある。

    溜息。

    また、変なことを考えているな、と思った。'


    '関係ないと思えば、すべてが関係ない。
    関係があると思えば、世界中のことが僕と結びつく。
    結局のところ、自分で線を引く以外にない。

    そのときどきで、これは自分、これは他人、と選り分ける。
    意地と惰性だけで、区別する。
    その選り分けこそ、人のプライドだ。

    最も尊いもの。
    それをなくすことは、死に等しい。
    僕はそう思っている。

    辺りが暗くなってきた。'

  • 幻想的なSFかと思ったら…またしても密室。
    S&Mシリーズ、Vシリーズとは違った、若干静かでシリアスな雰囲気が気に入った。
    性別の区分を問題としない点、惚れた腫れた話に流されないモリヒロさんの作風は、とても清潔な感じで大好き。
    肉体を含めた物質的問題点の大半が解決され、逆に天然の食べ物や自然環境、紙の本が非常な貴重品となっている。紙の本を読むだけでセレブ気分が味わえるおまけ付き。
    勧誘マネキンなど、ちょこちょこ挟み込まれる近未来アイテムも魅力的。
    殺人から、生と死そのものにテーマが拡大したような気もする。

  • 図書館で借りて読了。
    初森博嗣でした。
    これもディストピアもの…そして3部作だったかと思うんですが1冊目読み終えた時点でこれが三部作の1作目ってこの後どのように…?と純粋に疑問に…
    構成とかすごいと思うんですが今ひとつ入り込めずそこはかとなくnot for meでした

  • あっという間に読んだ、感覚的には飲み干したに近い。
    設定が好き。完全にコントロールされた世界、に見える設計。とても良い。

  • 閉鎖されたコミュニティの独特のルールに基づいた、ミステリだった……。

  • 相変わらず中二全開だけど流石森先生、面白い!最後は2段オチ(3段?)かな、ここで変態理系来るー!って感じ。久し振りの星5つかな。
    そしてまた名言をひとつ。
    関係ないと思えば全てが関係無い。関係あるとおもえば、世界中のことが自分と結びつく。結局は自分で線を引く以外にない。そのときどきでこれは自分、これは他人と選り分ける。意地と惰性だけで区別する。その選り分けこそ人のプライドだ。最も尊いもの。それをなくすことは死に等しい。

  • ラノベ感覚で読める。主人公のミチルが訪れる、女王が支配する楽園のような小世界、その世界観とミチルの過去の葛藤が錯綜する。登場人物の人間性と、近未来感を醸し出した世界観が不思議なくらい魅力的に感じました。 SFというかファンタジーというかなんともいえない雰囲気の作品。

  • CY19-01
    Wシリーズを読んだ後に再び。
    四季シリーズ、Gシリーズ、そしてWシリーズとのつながりを再認識。
    色々忘れてるなー。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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