あまり期待せずに読み始めた小説。
思ったより面白く読後感も良かった。
タイトルと表紙がイマイチ。
まるで昔のティーンズ小説のようで、読みがいのないものだろうな~と思ったら、いい意味で予想を裏切ってくれた。
この物語の主人公は婚約破棄され、仕事も失い、相手の男に復讐を考えている女性。
彼女は公園で一人の男性と出会う。
彼はセレブご用達の「復讐屋」で、彼の事務所で再会した彼女はその事務所で働く事となる。
「サルに負けた女」
最初の話の依頼人はお金持ちのお嬢様。
復讐相手はサルの面倒にかまけて自分との婚約を破棄した男。
「オーケストラの女」
長い下積み後にオーケストラのコンサートマスターになった女性。
彼女の復讐したい相手は新しく指揮者となり、自分をコンサートマスターから引きずり落とした男と、自分の後釜に座った女性。
女性の方はメディアにも出ている有名人だが、ヴァイオリンの腕はさっぱり。
二人をオケから追い出して欲しいというのが彼女の依頼。
「なんて素敵な遺産争い」
勝手な家族に嫌気がさし、家出した妻を呼び戻して欲しいという老人。
その条件として遺産の一部を妻に渡すと言う。
「盗まれた原稿」
有名なシナリオコンクールで賞を取ったシナリオが実は自分の書いたものの盗作だという女性の依頼。
「神戸美菜代の復讐」
神戸美菜代はこの本の主人公の女性の名前。
つまり、彼女が自分を婚約破棄した男に復讐する話。
そして、意外な復讐屋、成海の過去の話も・・・。
どんな復讐をするのか?
そして、痛快な思いをさせてくれるのか?と思ったら違った。
どの依頼でも復讐屋は動かない。
だけど、どの話もおさまる所におさまる。
復讐をしない。
というのがこの復讐屋のポリシー。
まあ、こんなにうまくいく事なんてないだろう・・・とは思うけど、まあ、そうだよな・・・と納得できる事をコミカルにさらっと書いていた。
復讐をするなんてよくないなんて分かってる。
だけど、思い出すと憎たらしくてデスノートが手元にあれば・・・と何度思った事か。
人を傷つけたりいじめたりする人間は不幸だからそんな事をするんだなんて事も言うけど、実際は結構うまくやってて幸せそうにしてたりもするし。
それでも復讐はしない方がいいと、説教臭くなく説いている本だった。