- Amazon.co.jp ・電子書籍 (319ページ)
感想・レビュー・書評
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涙なくしては読めない。
若年妊娠、不妊、養子問題など様々な重い社会問題のなか、確かな感動を与えてくれた。
映画も観ましたが、よかった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特別養子縁組という言葉は聞いたことがあったが、具体的に考えたことはなかった。複雑で重い内容だった。とても重要な制度だと感じた。
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辻村さんはこんなシリアスな本も書くんですね。
あまり現実感のない話をよく読んだので
作風の違いにびっくりしました。
読みながら「救いようのない話だったら嫌だな、、、」
と思っていましたが、最後はよい終わり方で良かったです。 -
感情を揺さぶられる場面が多すぎて。実話じゃなくても、応援したい気持ちになった。読んで良かった。
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生まれたばかりの子どもを託した側と託された側の二人の母を描いた作品。託した側の重なる不運はとても痛く感じたが、このようなケースが実際にあるとすれば、未成年が迷い道に足を踏み入れてしまったときに駆け込む受け皿があり、知恵を授けることが必要に違いないと思った。もちろん迷い道に入り込む前に、自身の子どもには、幼少期からあらゆる選択の局面において自分で選択させるなどして、自分の人生を自分で切り開き、結果にも責任を持つ自立心を小さな原因、小さな結果で済むところから養う必要があると考えている。
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ひかりの妊娠〜家出に差し掛かるあたりからぐっと読み易くなるけど、結局何も解決してないじゃん!と言いたくなるラスト。でも「母」そしてその可能性を秘めた「女」であることの嬉しさ苦しさ辛さ楽しさ、全部全部繊細な言葉や時に残酷な事象を織り交ぜて丁寧に綴られてある感じはやはり辻村深月さんだなぁって印象。
前半、夫の母親が頭を下げにくるシーンに胸が苦しくなった。
姑が謝る必要はないと思う一方で、もし自分に問題があったら彼女はどう思うのだろうか、自分の両親もこんな風になりふり構わず謝る事になるのだろうか、「子供ができない」という理由で…。いくら「家族」の形が多様化しているとはいえ、子を産まなければ嫁の価値なし、みたいな古い価値観はいつまでも根付き続けるんだろうなとも思ってしまう。 -
二人の母親の話だけど、どちらの母も子供のことを本当に大切に思っていることがひしひしと感じられて、何回も泣くポイントがあった。八日目の蝉は、生みの親の愛情を感じにくいストーリーだったけれど、この本は生みの親の愛情と葛藤が繊細に描かれていて、どちらかと言えば生みの親の話の方がポロポロと泣けた。日本の血の繋がり、家族に対する固定概念の強さを考えさせられるけれど、同時に家族の温かさも感じられる作品だった。最後の章だけ、物足りなさを感じて、それに至るまでの経過も丁寧に書いてたらなお良かったなと思う。
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晴れやかな気持ちになれる本ではなく、苦し過ぎて辛いくらいだったけど、最後の最後、あの一瞬がきっと救いなんだろうと思った。
最後まで読むことで読者も救われる。
最後まで読んで良かった… -
そちら側の視点があったか、と、ハッとした。
女であることに関し辛く思うことの多い世の中で、女性を癒せる女性の強さを思った。救いがあって、よかった。 -
特に最後の展開に感動。
それぞれの章の構成が丁寧に組まれていて、それぞれのストーリーにどんどん引き込まれつつも、全体のストーリーへもすっと戻ることができる安定感抜群の1冊。
内容を知らずに購入したけど、これはよい!嬉しいサプライズ。
自分の思いや考えも問われる内容で、本を読みつつも自分の意見について考えたり、
登場人物に感情移入したり、いろんな角度から楽しめた。
決して、楽しくワクワクする内容ではないけど、全体的に絶対的な愛情を感じられ、最後にどっと感動がやってくる1冊でした。 -
夫婦生活を通じて子どもに恵まれなかった40代女性・佐都子と、望まぬ妊娠をしてしまった中学2年生・ひかりのお話でした。
佐都子はまさしく絵に描いたような良妻賢母です。特別養子縁組の我が子(6歳)に対する接し方や、子自身の素直さから、いかに立派な母であるかが描かれます。一方、ひかりは昭和の教師の父母が考える「普通」に縛り付けられて生きてきて、彼氏と”進んだこと”をする優越感で姉や両親を馬鹿にさえしている。二人は非常に対照的な「親」と「子ども」です。
また同時に、ひかりの両親も佐都子とは対照的です。自分があるべきと考える理想的な子どもの像を押し付けて、だからこそひかりも反発し続けてしまう。きっと、ひかりの母親が佐都子のような女性であれば、ひかりは望まぬ妊娠をすることはなかったかもしれない、したとしてもこれほど転落した人生を歩むことはなかったかもしれない。解説では佐都子とひかりの対比でしたが、私にはひかりの両親と佐都子との対比もされているように読めました。
佐都子にとっては、先の見えない、長く過酷な不妊治療を続けた末に、ひかりにとっては、望まぬ妊娠以来、本当に心を許せる相手がいなくて自分でも知らないうちにいた夜半のような闇の中に、「朝が来る」。タイトルと子の名が鮮烈に作品を彩る物語でした。 -
深い小説。妊娠は若い子もしてしまうし、不妊治療をやっている夫婦も多いと思います。大人と若い女の子のやり取りがリアル。辻村さんはこういう小説を書くのが上手です。武蔵小杉に行ったことないですが、一度行きたいです。
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まるで映画のように、頭のなかに印象的なシーンがたくさん浮かんだとても好きな本でした。どうしようもなく、やるせなくなるような女性の生き方と、母とその子どもへの愛情に包まれた素敵な物語です
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不妊と未成年の妊娠という現代社会で身近になっている内容をそれぞれの立場で周りを含めた内容をリアルに描かれている。それぞれの立場になったときに自分はどう振舞えるか、そしてどう思うかを考えると共に終わり方が秀逸だと感じた。
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後半の描写がとてもリアル。
人生のしんどい時期は誰にもあるのかもしれないけど、しんどい内容、程度はそれぞれで、それでも誰の元にもそのしんどさから抜け出せる朝が来るといいなと思った。 -
全然違う、ふたりの女性の人生。
同じ作者が書いているとは思えないほど、温かく切ない描写の前半と、生々しい表現と環境に辛くなる後半。
でも違うようで実際は、どちらの女性も同じように、前向きに進もうとしているだけの、一生懸命自分の人生に向き合っているだけの存在で、共感しかなかった。
どちらにも(特にひかり)、この後は、ずっと幸せな人生が続きますように、と思わずにはいられない。 -
映画化されると知り読んだ。
現実に起こりうる特別養子縁組。
中学生で妊娠した子も、その母親の気持ちも、子供を望み続ける夫婦にも共感ポイントがあった。
なにより、子供が朝をもたらした、最後の数ページは安堵した。
産んだ人も、産めなかった人も幸せになっていい。
色んな家族を認められる社会になるといい、と思った。 -
せつないはなし
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★3.8
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どちらの母親の話も涙なしでは読めなかった。良かった。みんな一生懸命なのに、かけちがっていくのはそれぞれの運命なのかな