アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル[Blu-ray]

監督 : クレイグ・ギレスピー 
出演 : マーゴット・ロビー  セバスチャン・スタン  アリソン・ジャネイ 
  • ポニーキャニオン
3.42
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988013258617

感想・レビュー・書評

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  • アクが強くて自分勝手な人たちの話とも取れるし、周りの環境に振り回された女性の、悲運の話とも取れる。事実っていうのは、本当に色々な見方があるものだよなあ。

    映画のモデルとなったのは、実在の人物トーニャ・ハーディングという、元女子フィギュアスケート選手。この映画はそのトーニャ・ハーディングを始めとした関係者のインタビューを、映画のドラマの中に交え、彼女の半生や実際に起こった事件を再構成していきます。

    先にも書きましたが、主要な登場人物がまあ強烈。中でもトーニャの母親は凄い存在感。実際の彼女のインタビュー映像を観るだけで、忘れがたい印象が残ります。この母親、映画でもそこまで出番は多くないのですが、その存在感はずっと映画中に残り続けていたように思います。だからこそトーニャの無軌道な性格も、母親の影響を感じさせられ、なんとなく受け入れられます。

    そんな母親からスケート漬けの厳しい教育をさせられ、トーニャは徐々に頭角を現しオリンピックの候補選手になるほどに。しかし現実では、気性の激しい夫との度重なるトラブル、スケート協会との軋轢、そしてトーニャ自身の激しい気性も災いし、なかなか思うような評価は得られず……

    トーニャに感情移入できるか、と聞かれるとなかなか難しいところもあると思います。夫のこと、母親からの教育の影響と、同情できる部分もあるとはいえ、一方で「トーニャ自身、もうちょっと考えて行動しろよ」と思った部分もあることは事実です。

    ただ自分は、彼女を嫌いになりきれなかった。インタビューの部分で、トーニャが自身のスケート選手だった時代を振り返り、涙ぐむところがあります。そのシーンを観たとき「色々あったのだろうけど、少なくともスケートへの想いだけは本物だったのだろな」と感じました。そう考えるとオリンピック演技直前のメイクシーンや、その後の裁判シーンも色々な見方ができるように思えます。

    最後の台詞も印象的だったなあ。自分は事件当時の報道については、何も知らなかったのですが、映画だけ観てると「確かにこれは騒がれるだろうなあ」と思います。トーニャの悪役としてのキャラクターのちょうど良さは、インタビュー映像からも、ストーリーからも伝わってきます。

    マスコミが創り上げた「悪役」を無批判に信じ込み、叩いたあげくに正義面をするのは、自分も含めて多くの人が当てはまるのではないでしょうか。そしてその傾向はSNSの登場で、より強まってすらきています。トーニャの物語は、そんな世間や自分たちへの姿を、見つめさせるものでもある気がします。

    でも、少なくともトーニャはたとえボコボコにされても、それでやられっぱなしで泣いている女性、という印象も受けないんだよなあ。監督も実際にインタビューをして、そんなイメージを持ったんじゃないかな、と作品を観終えると感じます。

    ラストシーンは、世間に対しつばを吐き中指を立てながら、また立ち上がる彼女の強さを表しているようにも思えます。そして、ドラマ部分だけでなくインタビューなどを交え、作品をメタ的な創りにしたのも、フィクション以上に強烈な本物の人間たちの存在を、浮かび上がらせるためではないかと思います。

    多分トーニャと実際に会ったら、自分は苦手なタイプだとは思うのです(笑)それでも、どこか遠くから応援せずにはいられない人のような気もします。トーニャという圧倒的なキャラクター性を持つ女性を、ドラマとインタビューで再現するという面白い作品でした。

  • 構成がいい。インタヴューと回想をシームレスでつなぎ、それぞれの真実を伝えます。マーゴットはくせのある役が続きますね。存在感が際立ったのは、毒親ドディです。ロープ一本でマスコミを遠ざけたり、とても迫力がありました。名演です。スケートに身を捧げてきたのに、結局、取り上げられて、おぞましい環境から抜け出せなかった悲劇です。

  • 今も昔もフィギュアスケートの採点は政治的で作為的で碌でもない、というのが根底にある。
    この時期は私個人的には女子シングルにスターがいない時代で、男子がキャンデロロやウルマノフと入った王子様が華やかなのに対して女子は地味で興味が薄かった印象がある。
    そんな中ハーディングは今見ても確かに技術力は高い選手だったが、本人の振るまい生まれ人となりがアメリカ国民の求めるヒロイン像に当てはまらないという理由で点数を下げられる。これが今見ても胸くそ。
    確かにプレゼンテーションは低いかも知れないが3Aを含めた全ジャンプ成功してるんだからテクニカルメリットは6.0を出すべき選手だった。(今だに「技術」と「演技」が変に連動してるのが本当に嫌)

    映画としても面白いし、トーニャ・ハーディングという選手の再評価、フィギュアスケートという競技の不透明性を考える上でなかなかの良作。

  • アメリカのフィギュア・スケーター、トーニャ・ハーディングを題材にした映画。猛練習でオリンピックレベルのスケートを完コピした、というマーゴット・ロビーの熱演は凄い。

    母親は徹底的に娘を詰る強烈なる毒親ぶり。すぐ殴る夫ジェフに、虚言癖と承認欲求が暴走して事件を引き起こしたシェーンと、とにかく周りがひどすぎる。幼少期のトーニャを描く姿が結構キツい。
    トーニャのほどのスケートの才能があっても、母親のせいで自己肯定感が低いとうまく行かない、そういう人生の連鎖から抜け出せなかった、というのが、彼女の悲しいところ。コーチのダイアンだけは、彼女を支えようとしてくれていたんでしょうが。メディアの無責任さにも、苦しんだのでしょう。
    もちろん本当に彼女が事件に関わっていたのか、同情的なこの映画のスポットの当て方が正しいのかは当事者のみぞ知る、ということで。
    靴紐事件の2年前の、アルベールビル・オリンピックでメダルを取れていたら、また違ったのでしょうね。

    もうあれだけフィギュアスケートが人気スポーツになって、かつ若い年代しか勝てなくなると、彼女のような屈折した選手がオリンピックまで上り詰めることはないのかな、と思いました。そう言う意味でもトーニャ・ハーディングはフィギュア史上稀代のヒールかもしれません。
    「アメリカは憎む人間を欲している、でもそれって何?」というトーニャの言葉は、今やどんな人も簡単にベビーフェイスになり、簡単にヒールになる時代に向けたものかもしれません。

  • 実話だけに衝撃的な作品です。
    環境が人を作る。その意味では、虐待親とDV夫という最悪の人間関係の中で、よくぞメンタルを保ち全米代表を勝ち取ったものだと思う。ちなみに、本作では女子初のトリプルアクセル成功者となっているが、彼女は伊藤みどりに次ぎ2人目だった。
    なんとなく華麗で品行方正なフィギュアスケーターのイメージとは違って、トーニャの煙草や口の悪さ、すぐかっとなる体質は家庭環境かの影響なのは間違いない。スケーターでありながら、精神的肉体的には格闘家向きだったのも納得できる。実際に、その後プロボクサーもやっているし、夫への暴力行為で逮捕されてもいる。
    それにしても、周りがこれだけクズ男だらけというのもすごい。事件の真相は、夫仲間の勝手な暴走で、トーニャが積極的に関与していたとは考えにくいが、ナンシーへの脅迫が夫の冗談だと思っていても、やはり彼女が一言止めるべきだった。裁判では、ナンシーの襲撃で一番利益を得るのは誰?という発想から、トーニャ共犯説が揺るがなかったのだと思う。
    スケートしかやってこなかったトーニャが「服役するからスケートを続けさせてほしい」と裁判官への訴えた場面は泣けた。
    今では、考えられないZZトップの選曲でフリー演技していたのも驚きとブラボーです。他にも、シカゴ、スーパートランプ、ビージーズ、ハート、マーシャルタッカーバンドなどのヒット曲にもテンション上がります。

    『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(I, Tonya)は、2017年のアメリカ合衆国の伝記映画。監督はクレイグ・ガレスピー、主演はマーゴット・ロビーが務めた。 1990年代にフィギュアスケート界を揺るがしたスキャンダル「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の中心人物トーニャ・ハーディングの半生を描いている。
    トーニャを演じたマーゴット・ロビーは故郷オーストラリアでホッケーをしていたことから渡米後アイスホッケーチームに所属していた。本作が決まったのち、サラ・カワハラをコーチに、週5回、1日4時間のスケート訓練を4か月間行なった。スケーティングのシーンには二人のプロスケーターとCGも使用されている。
    ナンシー・ケリガンは「私はあの映画を見ていませんし、何か言うこともありません。」「自分の人生を生きるのに忙しいのです。」とコメントしている。また、ラヴォナ・ゴールデンは「トーニャの目の前で酒を飲んだことはないし、日常的に暴力を振るっていたということもない」という主旨のコメントをしている。本作の成功によりトークショーなどに登場したトーニャ・ハーディングは、映画の詳細はいくらか事実と違うと主張しながらも、自分に再びスポットライトが当たったことで嬉しそうであるという。

    ストーリー:
    1970年11月に生まれたトーニャ・ハーディングがフィギュアスケートを習い始めたのは4歳の頃。スケート教室に通ってわずか半年で大会で優勝し、12歳でトリプルルッツを飛ぶなど優れた才能を持っていた。一方、私生活では裕福ではない家で冷酷で粗暴な母ラヴォナに暴言を浴びせられる毎日で、心の拠り所であった優しい父はラヴォナとの諍いを切っ掛けに家を出て行ってしまう。
    15歳になったトーニャはジェフ・ギルーリーと出会うと、間もなくして恋人になる。ジェフとの関係は決して円満とは言えなかったが、ラヴォナと暮らしてきたトーニャにとっては然したる問題ではなかった。
    1986年。スケートアメリカに出場したトーニャはノーミスで演技を終えたが、ミスをした選手に負ける形での2位という結果に納得がいかず、トリプルアクセルに挑戦することを決める。ラヴォナは金をかけても結果を残せないトーニャに苛立ち、口論の末に投げたナイフがトーニャの腕に浅く刺さってしまう。トーニャは家を出てジェフと同棲を始め幸せな日々を送るが、選民的で高慢なアメリカのトップスケート界はトーニャに対して冷たい。ある大会での結果に納得できずジャッジにトーニャは暴言を吐き、コーチも解雇してしまう。やがてジェフと結婚したトーニャだが、ラヴォナには祝福されなかった。
    1991年の全米フィギュアスケート選手権。トーニャはアメリカの女子選手として史上初めてトリプルアクセルを成功させ、念願の優勝を果たす。それから間もなくジェフとの関係に嫌気がさしたトーニャは家を出て行くが、続く世界フィギュアスケート選手権で2位になると、翌シーズンのスケートアメリカでも優勝する。
    その後、ジェフとよりを戻し家に戻ることにしたトーニャだったが、アルベールビルオリンピックが近付くにつれ調子を崩していく。迎えたオリンピック本番、トーニャは全てのジャンプで着氷に失敗し、4位という結果に終わる。再びジェフとの関係は悪化し、2人は離婚した。
    トーニャが生計を立てるためアルバイトに勤しんでいると、かつてのコーチが現れてリレハンメルオリンピックの時期が早まったことを告げられる。再び彼女と組んだトーニャは真摯にトレーニングに取り組むが、結果は芳しくない。トーニャはオリンピックで結果を残すため、ジェフと一時的に復縁する。
    1993年。地区大会に出場するトーニャに脅迫状が届く。ジェフはそれが他の女子選手からの妨害工作だと思い、全米フィギュアスケート選手権を控えたナンシー・ケリガンに脅迫状を送りつけることを提案する。しかし、実はトーニャへ脅迫状を送ったのはジェフの友人ショーンであり、彼はケリガンに脅迫状を送る計画も勝手に襲撃計画へと変更していた。
    1994年1月6日、警棒を持った男がケリガンを襲撃し、膝を殴打する事件が発生する。翌日行われた全米フィギュアスケート選手権にケリガンは欠場し、一方のトーニャは優勝してオリンピックへの出場を決める。襲撃事件の捜査を始めたFBIはすぐに実行犯を逮捕すると、自分の手柄のように吹聴していたショーンも逮捕し、ジェフが首謀者だとの証言を得る。FBIの捜査に焦るジェフの様子から事件への関与を確信したトーニャはFBIに協力し、間もなくジェフも逮捕される。
    世間が事件に注目する中、ラヴォナがトーニャを訪ねてくる。トーニャは優しいラヴォナの態度に涙を流すが、真相を執拗に聞き出そうとするラヴォナがテープレコーダーを隠し持っているのに気付く。娘を売り渡そうとしたラヴォナを、トーニャは追い返す。
    オリンピックまで3週間と迫ったある日、トーニャは会見を開いてジェフとの関係について謝罪すると同時に、事件への関与を否定する。出場権を剥奪すると言ってきたアメリカオリンピック委員会には1000万ドルの訴訟で対抗した。
    なんとかオリンピックに出場できたトーニャだが、本番直前にスケート靴にトラブルが起き失格寸前の時間に登場すると、演技を開始して最初のジャンプミスを切っ掛けに演技を中断、ジャッジに嘆願して演技のやり直しが認められる。しかし、結果は8位と奮わなかった。
    オリンピック後、トーニャは裁判所から執行猶予3年、計16万ドルの支払い(罰金10万ドル、検事局の費用1万ドル、スペシャルオリンピックス基金への寄付5万ドル)、奉仕活動500時間、精神鑑定を受けることを命じられる。加えて全米スケート協会の登録は抹消され、協会主催の大会やイベントに参加することが生涯禁止となる。トーニャは泣いて「服役するからスケートを続けさせてほしい」と懇願するが、決定は覆らなかった。
    2003年。紆余曲折の末にプロボクサーとしてデビューしたトーニャが、何人かと対戦したところで物語の幕は下りる。(ウィキペディア)

  •  フィギュアスケート界の世紀のスキャンダル、ナンシー・ケリガン襲撃事件に関わったトーニャ・ハーディングの人生を映画化。

      事実と多少違うところもあるようだが、ハーディングが底辺ではないが底辺っぽい環境にいて周囲の人々が暴力的だったり短絡的だったりというのは実際そうだったのではないかと思う。ケリガン襲撃もまさにバカが起こした事件だったのだろう。
     マーゴット・ロビーは強いハーディングにピッタリ。音楽も良い。
     ハーディングが靴紐が切れたことを訴えた後に普通に最初から滑り直したことをすっかり忘れていた。やっぱりこういう出来事が映画になって再度日の目を見ることって大事だなぁ。。。

  • 実話ベースのフィギュアスケートの話って事だけの事前情報で見ました。
    なんか闇が深いなぁ。小さい頃から鬼のような親に育てられ、DV男と結婚し、波乱万丈すぎるよ。

  • スターチャンネル/アメリカ/2017年/クレイグ・ギレスピー監督/マーゴット・ロビー出演

    実話ものは、最後に本物が紹介されるが、こちらは最初から本物が流れて、ドラマに入っていく。斬新。時折本物と交えて進行する。ライバルを脅すために脅迫状をだそうとしたのに実行部隊のボディガードが負傷させてしまい大慌て。けっか自分の成績にも影響するという話を少しコミカルを交えて描く。なかなかうまい作劇だ。それにしてもみんな何と暴力的なことか。

  • こどもの頃からフィギュアスケートが好きだったので、
    もちろんこの事件のことは覚えている。

    今となれば、
    エキセントリックでアグレッシブなパーソナリティは、
    それを形成する幼少期の外傷的体験があるのだろうとすぐに想像がつくのだが、
    当時のメディアによるセンセーショナルな扱いでは、
    この作品で描かれるような心の景色は、
    まるで見えてこないのだと思う。

    現在だって、同様だ。
    なにひとつ変わっていない。
    本当のことなど、大衆は欲していないのだ。

  • 映画にするために脚色されているのはみてとれる。それをふまえても、ハードで、ある意味ピュアな人生だ。事件後の人生も破天荒。強い人間の姿はなんのかんのいっておもしろい。

  • 当時詳しくは知りませんでしたが、あのケリガン事件の真相がこのようなものだったとは・・・。子供は育つ環境を選べないとフロリダ・プロジェクトでも思い知らされましたがこれは悲しいせつない “現実” ですね。

  • スポーツマンシップって、ゆーて一定の層を対象にした言語みたいなとこあって、通じない奴を排除したいみたいのあるよなww特に金持ちしかできないやつ。そういうとこにフォーカスした伝記映画。
    母親・夫によるパワハラ・モラハラ・暴力のオンパレードで疾走感あった。殴られて当然て思ってる女の子って何なの?その主人公トーニャも相当強いが、強いが虐待児だからな…
    夫の親友の実家住みデブがなかなかキワってて好きなキャラ。親にスタトレ録ったビデオにCNN上録りされてるの根に持ってる。みんなに見下されてるの意識して脅迫相手の華奢な女の子の膝を棒で殴るなんてクズの天辺かな。
    なんも爽快なところはないけど、クズ展示会かつそのクズどもがみんな自己利益に突っ走ってるところが面白かったです。

  • 靴紐切れて泣きながら訴えてる場面はうっすらと覚えている。が、襲撃事件については全然知らなかった…ので、観ました。強烈だ。

  • 別途

  • 事件として記憶にあるけど、トーニャ・ハーディングが悪役でしかなく終わってた。

    自分がいい大人になってこの映画を観た時に綺麗ごとじゃないし、世論で書き換えられた物語があったんだということが痛いほどわかる。

    幼少期の環境は本当に大事。なんで!と私が思うことが普通ではないという事実を認識しなければ。

    事実は結局なんだったんだろ?と思うけど、当事者達にとってはどーでもいいのかな。

  • 「アイ、トーニャ」https://www.imdb.com/title/tt5580036/ … 観た、覗き見リアリティとして上出来。本人含む当時の関係者へのインタビューを元にトーニャハーディングの半生とスケーター襲撃事件を紐解くんだけど、こういうの見ると生活環境や人間関係は選べるなら選ばなきゃと思う。あとやっぱり知性って大事(おわり

  • ポートランド、ホワイトトラッシュ、フリートウッドマック。この映画とドナルド・トランプ。陰謀説。アメリカの演歌的な世界がここにあるんだろうなあと。なんか、田中邦衛の泥のついた1万円さつとか。

  • そりゃ私はおっさんですから、ナンシー・ケリガン襲撃事件のことはよく覚えてますよ。有名な「Why?」と泣き叫ぶニュース映像も再現してくれてて嬉しくなりました。当然あの事件の真相を知りたかったわけですから、克明に描いてくれて満足です。悪いのはあのデブだよな~。

    映画としては、主人公の特異なキャラクターの描き方がうまかったと思います。母親の虐待や夫のDVを受け続けた彼女は気の毒ですが、常に「自分が悪くない」という彼女の他責的な態度も気に食わず、「かわいそう」と「自業自得だろ」の間で、見ている我々の感情も常に揺れまくります。さすがに最後に「私からスケートを奪わないで」と訴えるシーンでは同情してしまいますが。転んでもただでは起きない彼女の幸福を願うのみです。

    マーゴット・ロビーは「フォーカス」を見て「次代のスター、間違いなし!」と思ったのですが、もうオスカーを掴みそうなレベルまで来たんですね。彼女のスケーティングも素晴らしかったです(どこまではCGがわからない)。

  • 劇場にて

  • 懲役の方がマシってすごいなと思いました。
    同時にスケートでしか価値を感じられなかったのが残念な。
    ラッシュでも思いましたが、やはり昔はアクが強い人が多かった印象。
    今はテレビだけじゃなくてSNSで世界中に騒がれるので品行方正な人が多いのも仕方がないのかもしれません。

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