真実は間取り図の中に　半間建築社の欠陥ファイル (角川文庫) [Kindle]

著者 : 皆藤黒助

• KADOKAWA (2018年9月22日発売)

感想・レビュー・書評

[銘々享楽さんの感想 · 2024年2月11日]

近隣の欠陥案件ばかり回ってくる半間建築社。イケメンだがだらしない代表と、新米大工の娘がお悩みを解決します。


※以下、第一話のネタバレ注意※
他の作品でもそうだったが、この著者はキャラを性格や生い立ちからではなく、作者の都合に合わせて動かすタイプのようで色々と無理がある。
・客に対して敬語を使わない自営業
・接客業の家で育ち、就職難を経験しておきながら同じく敬語を使わない大工
・"鬼"というキーワードから"鬼門"が浮かばない人気工務店社長(門外漢でも真っ先に浮かんだが)
・迷信に怯える心理学者

一番酷いのは原因不明の頭痛に悩まされていた依頼人。原因は電磁波過敏症だったわけだが、この依頼人は事前に何度も病院へ通った上で"原因不明"と診断されている。
さて、頭痛の症状で医師が最も危惧する病気は何だろう？ もちろん脳梗塞である。
ということはCTかMRI、もしくは両方で調べるはず。そこで頭痛が発生するのでは？世間にはMRIが原因で電磁波過敏症になったと言う人もいるぐらいだ。
脳梗塞を視野に入れていなくても、原因が分からない頭痛なら一度はMRIに放り込まれると思うが。

矛盾要素が一つ二つなら流して読めたが、あまりに多すぎる。
その上物語もテンプレなのだ。間取り図好きでもこれは厳しい。

[masahi-6さんの感想 · 2018年10月29日]

間取りから謎を解き明かすミステリ。
色んなバリエーションで意外と面白かった。

著者プロフィール

鳥取県境港市生まれ。『ようするに、怪異ではない』に始まる「よう怪」シリーズが人気となる。他の著書に『思い出の品、売ります買います　九十九古物商店』『やはり雨は嘘をつかない こうもり先輩と雨女』『真実は間取り図の中に　半間建築社の欠陥ファイル』『ことのはロジック』がある。

「2022年 『あやかし民宿の愉怪なおもてなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」