グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行 (Kindle Single) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 量子コンピューターと繋がったゴーグルとグローブを使って、飛行船グラーフ・ツェッペリン号を追うSF短編。追いかけているうちに、過去と現在が、時間そのものが曖昧になっていく。地表の区別がなくなり浮遊していく。パラレルワールドど交錯していく。不思議な世界に入り込んだと思ったら、どんどん、どんどん深みに嵌まっていく。そんな描写が新鮮で面白かったです。
    「ほんとに、何ていうか、違う世界と他の宇宙の情報が行き来するような力場なんてあるのかなぁ。」
    気づけばどっぷり物語の中に。
    高野史緒ワールドおそるべし。

  • Kindle本。

    90年も前の飛行船、グラーフ・ツェッペリン号を、なぜか見た記憶がある高校生の夏紀。夏紀の母や祖母も、その飛行船の記憶があり。。。

    ここまでは、面白くなりそうだと思ったのだけど、量子コンピューターやら、プランク時間、相対性理論などの科学分野が、ストーリーを置き去りにしててんこ盛り(;´д`)

  • プライムリーディングで読みました。ジャンルはファンタジー。よく分からないところが多かったですが、ファンタジーで詩みたいなものだと思えば不快感はなかったです。題材となるものや土浦市のことについてはきちんと調べている感じがありました。

  • 現代の日本に突然現れた巨大な飛行船「ツェッペリン号」をめぐる、女子高生の夏紀とその従兄の登志夫の不思議な冒険物語です。このツェッペリン号とは、約90年前に世界一周飛行をした歴史的な飛行船のこと。世界一周の途中で、ツェッペリン号は夏紀の母親の故郷である土浦に立ち寄った記録が残っています。そして、夏紀は土浦を訪れたときに、ツェッペリン号を目撃したというのです。果たして夏紀が目撃したのは、90年前に存在したツェッペリン号なのでしょうか?それとも、何かの錯覚なのでしょうか?夏紀と登志夫は、量子コンピュータと拡張現実装置を使って、その謎に挑みます。

    本書のテーマは、「時空を超えた繋がり」だと思います。ツェッペリン号は、過去と現在、そして未来を結ぶ架け橋のような存在です。夏紀は、ツェッペリン号を通じて、祖母や母親、そして自分自身との関係を見つめ直し、そして、登志夫は、ツェッペリン号を通じて、科学と芸術の融合を目指します。ツェッペリン号は、二人にとって、自分の夢や願いを叶えるためのきっかけでもあります。本書は、そんな時空を超えた繋がりを描くことで、私たちにも自分の人生について考えさせてくれます。

    この本を読んで、私は、美しく迫力のあるツェッペリン号の描写に息をのみました。作者は、飛行船の歴史や構造、動作原理などを詳細に調べて、リアルに再現し、その上で、ツェッペリン号が現代の日本の空を飛ぶという、ありえない設定を、SF的な論理で説明しています。その結果、ツェッペリン号は、現実と空想の境界を曖昧にする、魅力的な存在として描かれています。

    本書は、その独創的な世界観と、巧みに表現された時空を超えた繋がりが印象的な一冊でした。

  • 内容は抽象的だけれど、爽やかな読後感だった
    ただ、印象的ではなかった

  • 2022.11.15 読了

    主人公の女の子は、グラーフ・ツェッペリンという飛行船を見た記憶を兄に打ち明ける。兄は研究中の最新機器を使い、その記憶を辿ろうとする。
    女の子がゴーグルをつけ、当時の飛行船を追いかけ始める。すると、現実世界に過去の様々な時代の記憶が重なり、引き込まれていく。飛行船が落下したかどうか、それを確かめるため、走る。

    たぶんその記憶は、女の子本人のものではなくて、代々受け継がれてきた家族の記憶だったのだと思う。

    私もふと「この景色見たことあるな」ってデジャブに思うことがあるけど、そういうもののいくつかは私自身のものではなくて、もしかしたら血の繋がった誰かのものなのかも、、

  • 大昔の飛行船グラーフ・ツェッペリンを追いかけるお話。量子学等の難しい話が分かりづらく、しかも時折入るモノローグが主人公なのかお兄ちゃんの方なのか分かりかねるシーンもあったので、ちょっと読みづらかった。全体の雰囲気はいいものの、個人的にはそこまで響かなかった。

  • 「グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行(Kindle Single)」(高野史緒)を読んだ。
    『ふーん・・・』
    で終わってしまった。
    もう少し何か肉付けがあったらよかったな。
    まあ量子力学の細かいこととか言われてもわからんけどな。
    随分前に購入したまま忘れていたやつ。

  • Amazonのprime readingにて読み放題となっていたので。
    普段はSFを読まないため、小道具?の部分はあまり理解できませんでした、、汗
    しかし中盤の、畳み掛けるように時を巡るシーンでは、まるで自分が体験しているかのような感覚がありました。これほどの没入感を味わったのは久しぶりでした。
    SFとして、この作品がどの様に評価されるのかは分かりませんが、
    私の中では2021年で1番です。

  • 2021年記念すべき1冊目。大晦日に友人に勧められたSF中編です。時間に関するお話です。時間って面白いな。現在も過去も未来も全部同じかもしれないし、言語化するほどの知能を持ち合わせていないんで悲しいんですが、奥が深いです、時間。

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著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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