文藝 2018年冬季号

  • 河出書房新社
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 14
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・雑誌 (680ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309979571

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 芥川賞候補作、高山羽根子著「居た場所」読了。亡母のいまいちな煮物の味まで似た小翠との、以前一人暮らしをしていた場所への旅。黄緑色の液体の無味。小さいサイズの島。タッタ。不思議世界に迷い込んでいるのにずっと淡々としていて好感。

  • 語り手の妻である異国の女性が、かつて初めて一人暮らしをした土地を訪ねたいと願い、語り手とともに数日間旅行するという物語。
    一人暮らししたところを再訪するのであって生まれた場所ではない。また異国は、中国名の女性なので中国かと思っていると、そうでもない。
    全体的に、特に異国での出来事はとらえどころがなくふわふわしている。
    微生物の話。語り手はおそらく酒屋で、酒造りにも人間の中にも微生物がいると妻に語る。妻はいまいちその概念が理解できず小さな虫みたいなものだと思っている。
    黄緑色の液体の話。女性の故郷で遺跡の発掘調査があり、そこで見つけた液体を飲むと、有害ではないが耳から黄緑色の液体が出てくる。これは訪ねた先の街で、かつてのアパート?でも再登場する。女性の体内から出てきて、語り手もそれを舐め昏倒した。
    他、異国の地では移転する市場、市場での腐敗した魚のガスによる爆発、真偽の程は分からないがその国の入植者のミイラなどが出てくるが、全て、現実としてはあまりに不可思議なことも、同じ調子であくまで淡々とかかれているし、語り手も疑問を挟まない。そういうものとして受け入れられている。そしてそういえばタッタ、という動物も実在しない。
    本書のテーマは何であろうか?
    居た場所の共有、歴史の共有、微生物の共有?

全2件中 1 - 2件を表示
ツイートする