会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 財務諸表の読み方などは今までも多少読んできたが、会計の歴史をひもとくという発想そのものがなかった。

    私にとっては初めての分野であり、また、所々に歴史上の人物もちりばめられ、単純に読み物としても面白い。これから会計や経理を学ぶ人はもちろんのこと、そうでなくともすべての社会人にとってお勧めできる本である。

    以下の点は初見で、非常に興味深かった。
    時間のあるときに再読したい。

    ・リスクの語源
    ・銀行と簿記がイタリアで生まれたこと
    ・金の流れを把握し、と投資家に説明(account)するためのものであったこと
    ・持ち株会社の元祖ははメディチ家であること。
    ・減価償却の成り立ち
    ・監査という仕組みがアメリカ生まれ、audioとauditは語源が繋がっていること
    ・会計をめぐる国際的な争い
    ・規模を目指す経営から効率を目指す経営への変化
    ・インターナショナルとグローバルの違い
    ・原価主義会計から時価主義会計へ
    ・管理会計・セグメント経営の成り立ち
    ・のれん代とは買収時のプレミアムのことである。

  • なんにしても存在理由がちゃんとある。前から思っているが会計とは歪んだ算数。儲け話に群がった関係者の「俺の分け前をちゃんとよこせ!」という阿鼻叫喚が渦巻いた「大人の事情」満載の数合わせなのだ。その歴史を紐解けば、まあ(他人事だけに)面白いこと。よく売れてるらしいが納得だ。
    (続きはブログで)
    https://syousanokioku.at.webry.info/201906/article_1.html

  • とっつきにくい会計を歴史と結びつけて、会計という概念が生まれてから現代までどの様に変遷してきたかわかりやすくまとめた良書。
    イタリアで海上貿易に従事した船乗りとその出資者が成果をきっちり清算する為に生まれた簿記が、その後、覇権と共にオランダ・イギリスに移り、株式会社や株式市場、株主の為の財務会計が生まれた。産業革命では鉄道会社が誕生し、その大きい固定資産から減価償却や利益という概念が生まれる(それまでは利益ではなく収支のみ)。19世紀の南北戦争後のアメリカでは、遠隔地ヨーロッパの投資家が投資しやすい環境をつくる為に株主のみではなく投資家全体へ財務状況を開示することを定めた証券取引法が成立し、企業は経営判断を助ける為の管理会計を生み出し、規模→効率→価値を重視する経営方針を重視する様になった。現代では、かつての製造業ではなく、金融や情報などのサービス業が中心になったことによってバランスシートに載らない資産が登場し、過去だけに注目した簿記や財務会計だけでなく、将来のキャッシュフローから計算されるファイナンスという考え方が登場するところまで、歴史と結びつけて説明。

  • 会計の歴史というよりは、会計から見た歴史という感じかな。ルネサンス期イタリア貿易から始まって、オランダの東インド会社、イギリスの産業革命、そして20世紀アメリカの覇権までを、会計・ファイナンスの発展と絡めて概観していく。
    取り上げるのは誰もが知っている有名事象や有名人物だけど、そこに会計を交えることでちょっと目新しさが加わる。
    ど真ん中の会計の歴史を知りたい向きには合わないが、ちょっと毛色の変わったうんちくビジネス書的な読み物としては良く出来てると思う。

  • 会計学における歴史的重要性の高い概念について,イタリア・オランダ・イギリス・アメリカの歴史を組み合わせて解説した本。読み物として扱う分には,読みやすい本だと思う。

  • 流れって大事ですよね。それが感じられる書でした。

  • 2023/10

  • 会計学の生まれを歴史とともに学ぶことができる本。読者に会計の歴史を苦手意識を持たせず楽しく学ばせるような構成を目指して書かれたかと思うが、エピソードにおもしろさを感じることができなかった。

  • 会計がイタリアのルネサンスから大英帝国、アメリカ合衆国へ経済発展と共にどのように発達・発展したかを、講義と物語を混ぜたような形式で綴られていて分かりやすかった。会計を知らない人、歴史を知らない人でも楽しんで大枠を捉えることができるだろう。
    歴史を学ぶことで現在を知ることができる。小難しくなりがちな会計と歴史をエンタメ風に楽しく解説した著者・編集者に敬意を表する。

  • 抽象的な理論の説明よりも、(雑学的な)具体的なエピソードの紹介が中心で、とても面白く読めた

    会計の専門家じゃないから分かってないだけかもしれないけど、会計の歴史というよりは、ビジネスの歴史という感じ

    歴史の本というには、必ずしも時系列に沿ってない説明が多いように思うけど、その方が読みやすみとの配慮された構成なんだと思う

    面白かった

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著者プロフィール

1963年、三重県生まれ。作家、公認会計士。田中靖浩公認会計士事務所所長。早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆、連載を行う。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社)、共著に『お金にふりまわされず生きようぜ!レストランたてなおし大作戦』(岩崎書店)など多数。

「2022年 『会計と経営の七〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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