ベルリンは晴れているか [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 第二次大戦後の混乱するベルリンで起きたある殺人事件を追うミステリー。
     
    歯磨き粉に混ぜられた毒が原因で亡くなったクリストフ・ローレンツという一人の男。
    戦後で物資が窮乏する中、歯磨き粉という『高価』なもので殺されたらしい。
     
    ローレンツは誰にどうして、どうやって殺されたのか?
     
    恩人であるローレンツを殺したのはないかと疑いの目を向けられたドイツ人少女アウグステ。
    警察ににらまれながらもローレンツの甥であるエーリヒに訃報を伝えるべく旅立つアウグステだったが……
     
    聞き慣れないドイツ系の名前を覚えるのは難しいものの、最後の最後にいろいろな事象が一本につながると一気に理解が深まりました。
     
    長い話ですが、読み切った時に納得感があるので、最後まで諦めずに読んでよかった~、と思える作品です。
     
    重厚なテーマのミステリーを求めている方には特におすすめ。

  • 最後の謎解きに至るまでの展開は、これまでの伏線の回収があり、非常にスリリングだった。
    ただ、登場人物が非常に多く、少し混乱した部分があった。
    また、「当時のベルリンの様子を伝えたい」という心情があったのか、物語としては少し舞台描写等が不必要に冗長に感じた。

  • 最初は話が難しくて読むのが辛かったが、それを過ぎると物語に入り込み、一気に読め進められた。
    一言で言うと、信用と裏切り、人を人と扱わない仕打ち等、ヒトラー時代のドイツはひどい時代だった。
    アウグステとジギの掛け合いは、いつまでも読んでいたかった。

  • 第二次世界大戦終戦直後に発生した殺人事件をベースに、大戦中にナチスドイツがユダヤ人等に対して行ってきた差別などがリアルに描写された作品。読むのが辛いエピソードの数々ではあったが、歴史を繰り返さないためにも読み伝えていくべき本だと思う。

  • 第二次世界大戦下のドイツの苛烈な民族統制に身を震わせながら読んだが主人公アウグステの根幹にある健やかな精神に救われて停滞することなくグイグイ読み進むことができた。あの戦争におけるひとの醜さ愚かさを悪ときめこむのではなく自分自身に誠実が故にポッカリと空いた穴に転落してゆくやるせなさが心に突き刺さる。
    凄惨なシーンが多いが読後感はよい。

  • 圧巻でした。

  • 第二次世界大戦終盤にて過酷な運命に翻弄されるドイツ人の少女の物語。
    ベルリンを舞台に、様々な立場の人間が登場する上、いくつかの事件の真相を追う推理要素が含まれているため、盛り沢山な印象。
    凄惨な状況が続きすぎて、心を動かされるポイントがよく分からなくなった。

  • 新聞の書評で気になっていたので、書店で手に取る。

    舞台は第二次世界大戦直後のベルリン。
    「ヒトラー亡き後、焦土と化したベルリンでひとりの男が死んだ」(帯より)。
    そこから始まるたった二日間の話だが、濃密な時間が流れる。

    本書を読んでいると、この時代・場所にいるかのような錯覚、あるいは翻訳物を読んでいるかのような気分になった。
    なるほど、巻末にある筆者が読み込んだ参考文献の多さからもそれらが窺える。

    じっくり読んだ1週間。そして、圧倒的な読後感。

    問うても詮ないことかもしれないが、若い筆者がどうして、この時代・舞台を選んで、物語を紡ごうとしたかという動機を知りたい。

    偉そうなことは言えませんが、この物語で描かれている、人々の日常やそれらを取り巻く大きな問題は、現代の日本にも通じる問題だ。そういう意味において、もっと多くの人に読まれてもいいと思う1冊です。

  • このミス2位にふさわしい重厚さ。第二次世界大戦、敗戦後まもなくのドイツが舞台。敗戦後すぐの日本はこれまで色々と読んだが、同盟国だった彼の国を舞台にしたのは初めてで新鮮だった。しかし、日本は連合国の分割統治の憂き目にあわず本当に良かった。

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著者プロフィール

深緑野分(ふかみどり のわき)
1983年、神奈川県生まれ。神奈川県立海老名高等学校卒業。パート書店員を経て、専業作家に。2010年、短編「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ!新人賞の佳作に入選、作家デビュー。同作は2013年に単行本で刊行。2016年、『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、第18回大藪春彦賞候補、第13回本屋大賞候補に。2017年、第66回神奈川文化賞未来賞(奨励賞)を受賞した。2018年、『ベルリンは晴れているか』で第160回直木賞ノミネート。

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