- Amazon.co.jp ・電子書籍 (278ページ)
感想・レビュー・書評
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主人公はIT技術者の文椎(ふづい)泰洋。名前がどことなく著者と似ているのは偶然だろうか。なんでも屋を自称し、インターネットの自由を愛する彼が遭遇する5つの短編で構成されている。個人的には「行き先は特異点」が好き。
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「ハロー・ワールド」(藤井太洋)「Kindle版」を読んだ。
あいかわらず藤井さんの作品に出てくる男たち女たちはみんな爽やかで格好いいよなぁ。
守るべきは『矜持』ってやつかな。
「私ももう少し押し通すか。」みたいな活力が湧いて出てくる(ような気がする)のである。
あー面白かった。 -
なんでも屋エンジニアの文椎を主人公に、数年先の近未来を描いた連作短編集です。
作中に登場する技術は、現在の技術の延長線上にあるもので、とても興味深かったです。 -
この本はほんと面白く、ドキドキしながら読んだ。ここに書いてあることが、本当に来年や再来年に起こりそうで。
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普段ネットやスマートフォンを使っているが、ネットやITについて、あまり知らなかったのだなと自覚した。
IT技術で世界が広がったような気がした。面白い世界があるのだなと思った。 -
明日この世界の出来事が起きてもおかしくない。
未来なようで意外と近い、この距離感が絶妙。 -
以下のような短編集となっていますが、主人公・文椎は共通しています。
・ハロー・ワールド
・行き先は特異点
・五色革命
・巨象の肩に乗って
・めぐみの雨が降る
著者の作品を好んで読む方々には、ご存じのテクノロジーがふんだんに組み込まれていますので、うたい文句の「未来が体験できる静かで熱い革命小説」というよりかは、むしろ今、この世界にあってもおかしくない内容と受け取れる。
とくに今作においては、西海岸IT企業がそのままの固有名詞で登場しているため、その感を一層強くする。
法学部出の私には、ネット思想と現実の法適用に関する話(詳細は省略)がとても印象的であった。
現実世界において、今年は、海賊版対策の一環としてブロッキングに関する公の議論がなされた。
海賊版への対策はなされて当然であって、だが一方でその対策のためには個々のユーザーのプライバシーと衝突する。
ネットが治外法権ではないのはもちろんだが、かといってネットで何をしているか、アルゴリズムによってではあるものの、逐一チェックされていると思うと、それが我々の求めてきた社会であるのかはわからない。
確かに、現実世界において極めて多数の監視カメラが設置されていて、例えばある駅で乗り換え時に数えたことがあるが8台があってエスカレーターの乗り降り部分にあって回避不可能だし、車両にも設置されているものもある。
「安心のため」ということらしいし、そういわれるとそういう気がしないでもないけど、顔認識と組み合わせられると、著者のビッグデータ・コネクトの世界である。
さて、短編(の組み合わせ)であるがために、登場人物が限定されてしまうことや、時間経過、場所移動などに制約が生じてしまうのは十分予想されることであるが、本作においてはうまく処理されていると感じた。
それでもやはり、過去の長編作品のほうが、いろいろな面で深堀りされていて刺激的であった。
本作も読んでいて全く退屈することはないのであるが、オービタル・クラウドのような突拍子のない、だけどありえなくもない(つまりSF)作品と比較してしまうと、本作はだいぶ身近である。 -
なかなかにハードな近未来SF小説。
そもそもコンピュータやインターネットの知識がないと読み進められない。
あまりSFが得意ではないが、それでもなんとか読み通せたのは、ストーリーテリングのうまさか。
著者プロフィール
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