人生はどこでもドア―リヨンの14日間 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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  • 海外旅行の苦手な著者が一念発起、フランスのリオンに民泊。異国の地で2週間、普段と同じ節電自炊生活を試みた悪戦苦闘の滞在記。言葉の通じないアフロの東洋人は、果たして地元民と絆を結べるのか?

    「まさかリオンが銭湯だったとは!」、「ここには江戸が冷凍保存されていた」。これだけだと意味不明だな。まいっか(笑)。

    「お互いに「お金以上のこと」をどれだけやるかが大事なのだ」。これ、人にサービスをする際/人からサービスを受ける際の極意だな。

    著者の一生懸命な生き方、読んでるだけでなんだか力をもらえるな。リズミカルな文章もいい。著者のファンになりそう。

  • シリーズものといえば、こっちも最近の私のハマりシリーズもの、稲垣えみ子さんのエッセイ!

    「人生はどこでもドア―リヨンの14日間」を読みました。

    海外に行きたい。観光じゃなく暮らしたい。それも、日本で暮らしているのと同じように暮らしたい。

    ということで、リヨンに2週間民泊した著者さん。

    トラブルや嬉しい出来事や、いろんな乱高下と右往左往をした記録のエッセイでした。


    言葉が通じなくてもわかってもらえる「人との付き合い方」とか、言葉が通じないとやっぱり通じないこととか、本当に住んでいる人と短期間(観光目的ではないにしろ)フラフラしている人との違いとか、いろいろなことを感じることができたんだなー、すごいなー、と読ませてもらいました。

    クスッと笑えた(?)のは、リヨンの民泊でも、冷蔵庫と洗濯機を使わなかったらしいこと。
    すごい、「日常」を、海外でも貫くとは!

    なんだか温かい気持ちになりました。
    温かい心をありがとう。私も幸せになれた気がします。

  • 観光ではなく、生活者としてフランス、リヨンで二週間暮らした記録。二週間の間じゅうずっと、カフェやマルシェで、店員やお客から笑顔をもらうということに、全精力を傾けている筆者だが、続きが気になり、あっという間に読めてしまった。私もこんな経験がしたい。

  • 軽い気持ちで読み始めたが、
    人生やコミュニティーについて深い洞察が
    あり、興味深い。

    こんな旅にチャレンジしてみたい。

  • 「1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」の中で著者の方が読んだとあり、気になって読んでみた一冊。

    日本で暮らしているように、フランスで過ごす

    観光客の過ごし方ではなく、普段の生活を、フランス、リヨンで過ごすことをきめた稲垣えみ子さんのエッセイ。
    彼女の珍道中が、ほんわかと、面白く、楽しく書かれている。

    リヨンを訪れたことはないけれど、彼女の話を読み進めていくうちに、リヨンで生活している気分になってくる。笑

    若い時は「選択したい」と思っていたけど、
    今はご縁で動けていることが嬉しい

    常連に対する考え方、

    も、なんだか素敵だなと思った。

  • 読みながら、久しぶりに、海外でした旅のことを色々思い出していました。旅に出ると、とにかく「毎日生きる」という当たり前のことが、当たり前じゃなくなる。ものすごく研ぎ澄まされるし、「え?!嘘でしょ?」の連続も起こるし、本当にクタクタになる。でも、それが、すごく楽しいんだよね。やっと慣れて来たかな〜というあたりで、馴染んだお店、人、風景と、さよならするときの切なさも思い出しました。
    そして人生は続いていく。ほんの少しだけ旅慣れて、異国でも何とかやれた自分が好きになる。旅っていいよね。
    ありがとう、世界。
    そして、日本にいるときは、世界からやってくる旅人たちに、ニッコリ、心を開いていたいとあらためて思いました。

  • 早い人がザッと読めば2〜3時間あれば十分に読めるような本な気もするけれど、最近の私の精神的な状況ではやっぱりちょっと難しかったみたい。
    今までにないくらい並行して仕事をこなさないといけなくて、それも全部100%を期待されていて、それだったら私は120%で返したいと思うからますます自分で自分を追い込んで、周りが声掛けづらくなるくらい追い込んで。それなのに今月で辞める人がいて、その引き継ぎもしなくちゃいけなくて、もう自分でもだんだん訳が分からなくなってきて、逃げ出したくなって、台所の隅で蹲ってまま動けなくなってしまったり、横たわったまま起きられなくなったりするような精神状況だった。
    昔、同じようなことがあって、もうダメだってなったら、そのときにもらっていた薬を飲んで騙し騙しやってきていて、なんでここまでして仕事をしなくちゃいけないんだって思って、頭では分かっていているんだけど、抗えない自分がいて、精神的にはどんどん追い詰められていっている感じだった。
    でも、一度同じような経験していたからこそ、今回はいざとなったら休もうと思ってもいて、以前は上司と人間関係が出来上がっていなかったから話せなかったけど、今回はたまたま機会があって、上司に、支離滅裂だったけど今考えていることを話せたから、それでちょっとは覚悟がついた感はあった。
    そんな気持ちの中で相変わらずちょっとずつ部屋を整理していて、整理をしながら自分の気持ちと向き合って、「よし、今日ならちょっと読めるかな」ってときに少しずつ少しずつ読んで来た感じでした。
    で、昨日読み終わったときには、部屋もだいぶスッキリして、仕事の方もだいぶ整理がついて感じはあって、まだモヤモヤしたり情緒が安定しないところはあるけれど、自分がやりたかったこととか目の前のことが少し晴れてきた感じがありました。
    そう、結局私は、稲垣さんみたいな生活をしたかったんですよ。まあ、やっぱり電気やガスがないと困るけれど。
    「上を目指すのが当たり前」「やっぱりお金が欲しいでしょ?」みたいな価値観からはもう完全にドロップアウトしたいんです、私は。
    毎日、必要十分な分だけ買い物をしてご飯を作って、掃除をして、洗濯をして、自分のできる範囲で身近な人に恩返しをして。ちょっとした贅沢は行きつけのカフェでのご飯と食後のコーヒーで十分で、顔見知りのカフェの店員さんや常連客の人と少しおしゃべりをして、それ以外は読書でもして、少し思っている感じことをメモしたり発信したりして、それが誰かの救いになればいいな、なんてちょっとした自己満足に浸れればそれでいい。それ以上は何も求めないし、それ以上に幸せなことはないんじゃないかと思う。
    学生時代の私は「落ち着いていておじいさんみたい」とか言われてたのに、仕事をしてからは毎日毎日怒ったり、イライラしてばかり。たぶん、自分らしくないんだろうなぁと思う。
    周りの期待には応えられないダメ人間であることを認めるから、もう自由にさせて欲しい、そう思っているんだなということがよくわかったし、上司にもそのことはとうとう話してしまった。
    この本、本当に今の私には必要な本でした。
    本当に出会えてよかった。

  • 外国生活に憧れていた著者が、2週間Airbnb(空き室レンタルサービス)を利用してフランスの地方に滞在する体験記。
    普段美術館に行かない人が観光で美術館を見ても心から興味を持てない、ではいつも自分は何に一生懸命だろう……と考えて「生活すること」という結論が面白い。自分もそうだなあ、と思ったのは自分だけではないだろう。
    異国人である著者が2週間いかにフランスの日常になじむか、試行錯誤していく様子が等身大に書かれている。
    文章は軽快で共感できる部分も多く、楽しんで読める。
    そして、思った。
    やっぱり自分は外国で気苦労をしながら生活するより日本に閉じこもって生活したい、と。

  • 思わず同じところに泊まりたくなってしまいそうでした。2週間のフランス暮らし。とてもリアルに伝わってきました。自分も旅行に出かけたような気分になれる一冊でした。

  • とても面白く読ませてもらった。
    お金をかけなくても、十分に楽しめる旅行の
    アイデアがたくさんあった

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著者プロフィール

一九六五年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、二〇一六年に五〇歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る。『魂の退社』『もうレシピ本はいらない』(第五回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞受賞)、『一人飲みで生きていく』『老後とピアノ』など著書多数。


「2023年 『家事か地獄か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣えみ子の作品

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