おうむの夢と操り人形 (Kindle Single) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ロボットが職場や生活に進出しつつある世界、今の現実をモデルにしているSF短編小説です。
    人型ロボットに単純なおうむ返しを繰り返すプログラムを導入した主人公の山科。
    そのロボットの会話は好評で、多くの人に影響を与え始めます。
    人の会話というものが、複雑なようで案外単純な羅列ではないかと不安になりました。
    非常に短く纏められているのですぐに読了できてしまいますが、なかなか考えさせられる一冊。

  • Prime Readingにて読める藤井太洋氏のSF短編。この分量を「1冊読んだ!」と登録してしまって良いものか(笑
    短編ながら、コミュニケーションとは何なのか、人間の価値とは何なのかを考えさせられる1冊(1編)でした。シンギュラリティという語が少しでも引っかかって、かつPrime会員の方ならぜひ一度読んでみてほしいです。

    この物語の始まりは2023年。どう見てもペッパーとしか思えないパドルというロボット(ちなみにSBロボティクス社製。SBはスプリントブリューの略、だそうです…)が案の定不良在庫になっている世の中。
    主人公達がペッパー…じゃない、パドルの上手い使い方を考案し、そこから話が発展していきます。
    非常に役立つ機能を開発したものの、それって…?という話。

    この物語の核は、非常にブラック。ただ、同時に非常に明るい未来を暗示しているようにも見えます。コインの表と裏のような。。
    2045年のシンギュラリティを完全に嘲笑っていて、そんなんで世の中が回るんだったら今だってできるわ!とツッコミを入れたくなるような話で、我々が代替されてしまうんじゃないかと日々怯えている(?)AIって一体何なんだよ、と思ってしまう訳です。
    ただ、これによって実現される世界は完全にユートピアな訳で、ある意味ではとっても素晴らしい未来です。

    まさか、本著のような2045年が実現するはずはない!とは思います。が、日々の仕事を考えると本ロボットの機能で代替可能なコトはいくつかあるよなぁ。。
    仮にそうなった時に、どちらに流れるのか。ひょっとすると、残った人たちだけで世の中は回していけるのか?
    短編だけど、長編と同じ分量の感想が書けるくらいには考えさせられました(笑

  • ChatGPTがもてはやされている状況下で読むと、何とも考えさせられる。

  • プライムリーディングで読みました。ジャンルSF。SF的な世界設定の話と人間ドラマを融合させて書こうとしているのだと思いますが、人間ドラマの方が不自然な印象を受けました。SF的な要素の方はリアルに描けていたと思います。

  • 勝手にお喋りしたり歌ったりする犬のぬいぐるみを可愛がる実家の老夫婦を思うと、そんなに遠い未来じゃなさそうな気がする。
    とりあえず無能な上司は不要っちゅーことで。

  • だからなんだ?といった感じで文章に温度がなく、ただただ退屈。この著者はSFにも人間にも文章にも愛着がないのではないかとすら感じた。

  • AmazonのPrime Reading対象だし、短編でサクッと読めますので非常にオススメです。気に入ったら藤井大洋さんの別作品を読むとよいかなあと。

    ペッパーやAI(よわい)などがモチーフのSF。お仕事的なところもあって、テック系のリアルな話が好物な私にとって、技術要素が適切に散りばめられた作品は読んでてすごく楽しいです。たぶん、技術的なことを語るために小説を書いてる感が強いのではと思ってしまうのですが、そこが刺さるというか。

    このあたりの記事を読んでいるとより趣きがが感じられます。
    » ペッパー君さようなら 8割超が“もう要らない” (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット) https://dot.asahi.com/wa/2018102400011.html

    まあ、そう簡単に活かせないだろうなという感じはありましたが、そこは小説ということで… とはいえ、いつの世もこういうアイデアが世界を変えるんだと思います。シンギュラリティみたいな大層なものでなく、おうむ返しでよかったんや、というコロンブスの卵的な一つの未来予想図かなと。
    一方で、「AIだ!とにかくAIをやるんや!」とバズワードだけあげて騒いでる無能な人たちを人工無能で皮肉ってるのかなとも取れましたが… どうでしょうかね。

    と偉そうなことを言えるほど機械学習を理解しておりません。頑張って勉強してみようという気はありますので、5万円でペッパー君を売ってくれる方はご連絡いただければと思います(機械学習関係ない)。

  • SF短編。登場人物のセリフで途中どっち?となってしまった。未熟だ。SFと言っても近未来。経営者である自分の立場で読むとちょっとむなしいかな。組織ってうまく機能するようになるとマネジメントが自動化しちゃうのかな。

  • 短編なので入浴中に読み切れるのが良い。
    興味のある分野であり、かつリアルの素材をベースにされているようなので、ペッパーに大規模日本語処理AIとチャットGPTを組み合わせたら実現するかな?とか想像しながら読めたのも面白かった。

  • 朝読書「おうむと夢と操り人形」読了。

    ・ロボに感情はないを原則に「おうむ返し」
     中心の会話を形成するロボ
    ・介護に家族写真を使いロボ否定派患者を
     「騙す行為」に主人公反感。

    短編でサクッと読めた。

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著者プロフィール

藤井大洋:1971年鹿児島県奄美大島生まれ。小説家、SF作家。国際基督教大学中退。第18代日本SF作家クラブ会長。同クラブの社団法人化を牽引、SF振興に役立つ事業の実現に燃える。処女作『Gene Mapper』をセルフパブリッシングし、注目を集める。その後、早川書房より代表作『Gene Mapper -full build-』『オービタル・クラウド』(日本SF大賞受賞)等を出版。

「2019年 『AIが書いた小説は面白い?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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