人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? Wシリーズ (講談社タイガ) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
4.17
  • (15)
  • (20)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 176
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (261ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • Wシリーズ最終巻。キョートで行われる国際会議でウォーカロン·メーカーのホワイトが人間の次世代問題に対しての解決方を発表すると話題に。司会のハギリ博士はそれを阻止する武力行為が行われると事前に聞かされる。しかし当日は予想外の展開に。人工知能は正しい未来を演算するがそれまでの道については考慮しない点が大爆発(物理でも)制御出来ない感情の発現や意味不明の行動とか“揺らぎ”が人間らしさと言えるのか。そこをウォーカロンのキガタではなく人間のウグイが見せてきたのが肝。なんですかあの背中痒くなる展開!ハギリ博士。月が綺麗ですね、を地で行くなー!

  • え、好きな人のことを考えて眠れないってなにそれ尊い…ご馳走様でした

  • 作品全体としての点数は星3とする。普段あまり小説を読まない上SFは海外の有名所しか読んだことがなかった状態で日本のSFの名著として名高いWシリーズに触れた。1巻の完成度は高く、SFを多分に含んだミステリとして読めた。ウォーカロンという人工生命体をめぐる複数の視点を少しずつ紹介していくことで私達がおそらく将来直面するであろう倫理問題を考えさせるのは流石だと感じた。ウグイとのやりとりや最後の場面等ラノベ的なお決まりを含め一巻の満足度は高い。
    一方ソフトウェア的な人工知能であるデボラが出現して以降は「人工知能はこう思うだろう」といった謎の推測を繰り返して話を進めていく。デボラが主人公へ味方し様々な困難や面倒を解決してくれるのは話の都合上非常に楽だろうが、緊張感は薄れ話の起承転結も毎巻似たような構成になり物語として面白みに欠ける。最強の使い魔を召喚するなろうと何が違うのか私にはわからない。
    マガタシキという天才を物語の起点にする必要が本当に合ったのか甚だ疑問だ。研究は複数の研究者が長年に渡ってつないでいくバトンだという価値観を示しておきながら何でもできた伝説の研究者というキャラクターを恥ずかしげもなく登場させるのはありえない。2巻以降マガタシキがどう考えたのかをいちいち気にしている様子が作者の人形遊びのように感じられて苦痛だった。
    また、なれるSE! を読んだ時にも感じたが、毎巻の起承転結をシステマティックに書くために毎巻同じような文章構成になっている。また、工学博士といっても人工知能に対する造詣はほとんど感じられず、いわゆる文系の作家が書くような人工知能観であるのは非常に残念だった。私がたまたまこの分野に詳しいために余計に現実の方向性とのズレを感じてしまったのかもしれない。森博嗣の研究領域は物性工学らしいので知らなくて当然であり勝手に期待した私が悪いといえばそうかもしれない。
    2巻以降は起承転結の物語を楽しむのではなく、その中で提示されているテーマのために物語が書かれていると思って読むのが良い。
    恋愛脳の私にとって最終巻は満足だった。

  • Wシリーズ一気読み。
    シリーズ初期の頃はこの世界の行末や、ハギリ先生の研究がどうなっていくのかが気になって読んでいたため、恋愛で終わった点は少し残念。ハギリとウグイは好きだけど、恋愛はサブ要素であって欲しかった。

  • Wシリーズ10つ目。
    今回は戦闘シーン満載。ハギリとウグイのいちゃいちゃは置いといて、アネバネかっこよすぎ。警官の後ろにまわっていつのまにか倒してるところとか、橋の上から船にジャンプするところとか、逆に減速した船から陸に上がるところとか、トレーラー付き三輪車を運転するところとか。キガタは若いのに言い方が古風でかわいい。「キガタが参りました」とか「積もる話が~」とか。
    アカマ君はとばっちりだったね。会場に向かう時はデボラに遅らされるし、帰る時はこれもデボラによって仕組まれた知り合いもどきに捕まるし。

  • 2020/10

  • Wシリーズ最終巻、10冊目。
    8,9巻と続けて読んで、ラストを取っておいたため、随分と時が開いてしまった。
    今回の舞台は日本のキョート。国際会議の途中でまあいろいろとあるわけだが…。
    人間と人工知能の、同じものに対する評価の違いが面白い。ああなんじゃないかこうなんじゃないかと自分でいろいろ考えて、事実に近いところまで行き着くハギリ博士の思考の過程を、側で聴けるウグイが羨ましい。そして、わたしも人工知能と親しくなりたい、味方になって欲しいと思ってしまう。
    次はWWシリーズに続くようだが、どう繋がっていくのか…?楽しみがこれからもあるのが嬉しい。
    森先生いつもありがとうございます

  • Wシリーズ最高。

  • ハギリとウグイのニヤニヤが凄い巻。
    リュウ博士の接近作戦という下敷きもあってか、珍しくそういう恋愛面が濃く出てた話だった気もする。
    人工知能同士の電子戦という話で、マガタシキも登場。桂離宮で皆でご飯という中々不思議なシチュエーションも堪能。

  • Wシリーズの最終巻。どうふうに終わるのかとワクワクしながら読み始めて……なーるーほーどーな!
    一周回った感があるけど、ハギリとウグイの関係は大きく前進。
    そして、やっぱり登場真賀田四季。もう、いろいろ超越していてすごい。透明感やばい。

    シリーズの中で描かれていた謎にはふわっとしか決着はつかなかったけど、人間と、ウォーカロンと、人工知能と……それらの立ち位置が描かれていたのが面白い。
    この先私たちは人工知能をどういうふうに迎え入れていくんだろう。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×