- 本 ・電子書籍 (259ページ)
感想・レビュー・書評
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こういう、本や書物が敬われていた世界を見るたびに思うのだが、かの時代は本それ自体の希少性が本の中身を担保していた。
つまり、全ての文字を人が書かねばならない世界では、逆説的に人が「書かねばならない」と思うようなものでなければ書かれ得ない。このマンガの世界は活版印刷が普及した世界らしいけれども。
そもそもhttpが普及するまで、編集・検閲を受けていない「書物としての情報」は、手紙や作文などのごく一部の例外を除いて存在すらしなかった。
そんな中、いま私がここで書いているように、突然、あなたも私も発信者になれる世界が現前した。これは素晴らしいことだ。私も、いま、こうやって、この本の感想をどこへともなく発信できる。
けれど、じゃあその情報の価値をどうやって担保するのか?という問題は、情報は多い方がいい、という直截な価値観に隠されて今日まで先送りにされていた。
その結果、書として、つまり文字の情報それ自体の価値が、ゆっくりと沈降している。小学生時代には500円のお小遣いで満足できたのが、大人になってからは10万円でもガッカリするように。
この、情報の価格破壊に対処する方法は、上の例と同じく多分存在しない。一度知ってしまったものを忘れることはできないから。だからこそ、この牧歌的世界は美しく、そして悲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
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いよいよ司書試験を受けるため村を旅立ち小さな出会いと別れを経験して試験に挑む2巻
読み応えがありました。
画面も美しい。 -
中盤までは旅行記みたいな感じだが、最後にシオの想いを裏付けるエピソードがあり、その熱さが良い。
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「図書館の大魔術師」2巻。
5巻まで出ているということで、一気に4巻まで買ったのですが、ゆっくりじっくり読んでます。
なんといっても、1冊の中に詰まっている情報と絵が多い!ものすごい細かい描き込みの旅の様子や街や衣装に圧倒され、さらに結構な量のセリフと内容、とにかく、1冊とは思えないぐらいの情報量ですね。
ファンタジー世界の物語なのだけれど、雰囲気は中央アジアから中東のあたり? 「本」や「司書」をめぐる物語なのだけれど、本は、すでに活版印刷が始まっているけれど、まだまだお高い存在。子供でも読めるような冒険物語も出版され、子供たちは図書館で本を借りて読んでいる。
1巻では、田舎の村に住む本好きの少年が司書(カフナ)になることを決意するまで。
希少な人種である耳長属(エルフ?)と人との混血の少年が主人公。見た目の違いから、村では蔑まれる存在で、本好きなのに図書館に入れてもらえないという迫害を受けている。そこに、中央図書館から司書(カフナ)が出張してきて、少年は中央図書館の司書に憧れ、司書になることを決意するまでが1巻。
2巻はその数年後。少年は成長し、村を出て「司書試験」を受けに中央図書館のある町に向けて出発する。途中の街で、同じく司書を目指す受験生と出会ったり、希少な動物を保護したり、色々とあって、最初の筆記試験を受けるところまで。
途中、1巻の終わりから、2巻までの間に、どんな出来事があったのか、などの回想も入ったりして、いろいろな情報が盛り込まれていました。
いやぁ、ほんと、それにしてもすごい情報量とすごい描き込み。他の作品を引き合いに出すのは失礼だとは思いつつも、世界観や描き込みの多さは「乙嫁語り」に似ている感じ。
5巻まで買ってあるので、1巻ずつじっくり読むつもり。さぁ、次は3巻。
ところで、この漫画、
原作「風のカフナ」著 ソフィ=シュイム 訳 濱田泰斗
と書かれているんですが、調べてみると、どうやらそういう「原作」は存在しないみたいなんですよね。ちゃんと調べきれてないし、細かいことは知らないけど、この漫画の主人公のことを書いた小説が、「後に出版される」という体のメタ設定っぽいですね。
いずれにしても、最終的に「書物」になるような「物語」の骨格を決めてあって描き進めている漫画ということで、期待できそうです。
(5巻まで出ている作品の2巻目を読んだところで考察するなんておこがましいですけどね…) -
山場を巻の最後に持ってきていて1巻と同じくらい強く引き込まれた。やばい3巻読みたい。人生においてまだ一度しかないけど、今までの全ての喜び、怒り、悲しみ、楽しみが溶け合って今に繋がっているんだと感じる瞬間がある。それを味わうと止まれないんだよなあ。
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好きだわー
こういう世界観 -
個人的な感想として、ちょっとくどい。中学生くらいだったらハマったかも
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これから物語が動く予感はあるがまだまだ序盤。
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