群像 2018年 12 月号 [雑誌]

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レビュー : 7
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  • / ISBN・EAN: 4910032011287

感想・レビュー・書評

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  • これなんじゃないか?
    ・仮想通貨の「採掘」
    ・過去に先天性異常のある子供を中絶した経験のある女性との交際
    ・「駄目な飛行機」コレクションの話
    ・鬱病を発症した、小説家志望の「ニムロッド」
    ・「ニムロッド」の描く小説。バベルの塔。全知から、全能の世界。ユートピア。個人の消滅。人の欲望の終わり。

    人間が欲望し続けることでしか価値を持たない仮想通貨。しかしその実、人間の欲望は果てしないため、消えることはない。その欲望も、ニムロッドの小説の中では飽和して、そうなってしまうと個のないどろどろの中に人間が混じっていってしまう。
    人間の進歩のために必要だった(?)駄目な飛行機たち。ニムロッドも自分を駄目と思っている。彼も小説を通じて世界に自分を組み込ませたかった、しかし、できなかった。または、できない方向へ世界は否応なく進んでいる。田久保の言っていた優しい世界=駄目な人間でも生きられる世界。では、彼女の生まれなかった命は、「駄目」だったのか?ニムロッドの誰にも結末を見せないサリンジャーの小説は「駄目」だったのか?
    一方、世界は駄目なものを排除する画一的な方向へ。世界に無関心でいられることのできる人、できない人。ニムロッド、田久保は個人の「駄目」の経験の先に世界の未来を見てしまったので、東方洋上に消えてしまったのか?
    いくつかの要素を重層的に進めていく展開も、作品に広がりを与えていると思うし、文章も違和感ない。個人的には、ここまで読んだ中では最も優れていると思う。

  • 第160回芥川賞
    受賞作収録!
    二作同時受賞!あらゆるものが情報化する社会の中で、個々人の生が露わになる。新時代の仮想通貨小説。

  • 舞城王太郎「裏山の凄い猿」
    上田岳弘「ニムロッド」

  • 上田岳弘 ニムロッド 芥川賞受賞
    の掲載号。
    人間の信用に支えられる仮想通貨ビットコインと人間の欲望の象徴であるバベルの塔、そして人間の幻想の象徴として役たたずの飛行機コレクション。そして存在自体が疑われる生活感のない男女三人。
    導入部でサーバーやビットコインの説明をさらりと流していて、物語世界に入りやすい。

  • 第160回芥川賞受賞作「ニムロッド」のみ読了。
    今まで候補作になるたびに挑戦しては、自分には難しく純文学って難解だと思っていました。ですが、今作品は最後まで読むことができました。仮想通貨や飛行機と、文学の証明や人類の存在が繋がる様は興味深く、とても面白かったです。

  • 「ニムロッド」 上田岳弘

    2018年下期芥川賞受賞作を読んでみた。仮想通貨ビットコインを取り上げていて、「いま」に寄り添う芥川賞作かと期待して読み始めたけれど、数々の比喩はどこか陳腐だし、何より「物語として退屈」だった。もう芥川賞作に飛びつくのはやめることにした。
    (Ⅾ)

  • 芥川賞候補作、上田岳弘著「ニムロッド」。飛行機と塔と仮想通貨の話。田久保紀子はどうなったのだろう。フルネームの彼女の存在が気になる。

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