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感想・レビュー・書評
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①投票等の社会的決定の方法(個人の選好から社会の選好を導く方法)、②非協力型ゲーム理論(というか囚人のジレンマのみ)に見られる効用に基づく個人の意思決定の方法及び③これら2つを踏まえた上での社会における倫理的な決め方のありよう、と複数の人間により営まれる社会における、文字通り「きめ方」の論理について、哲学的ではなく、簡単な数式を交えて考察している。
縦書きのため数式の展開を読む気になれないとか、ゲーム理論と言いつつ触れているのは囚人のジレンマのみとか(しかも非繰り返しゲームのみ述べているため、無限回繰り返しゲームにおける囚人のジレンマの解消に触れていない。まあこれは元が30年以上前に書かれた本なので仕方ないが。)、最後に倫理的な人間とか倫理的な決め方について無前提に言及していることとか、どうかなと思う点はいくつかあったものの、全体的には非常に平易な文体で書かれており、わかりやすく勉強になった。
特に①の点について、各種の論文を基に社会的決定の問題点や検討すべき事項について幅広い論点が提示されており、色々と思索を耽らせながら楽しんで読むことが出来た。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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