FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 山形さんのレビューを見て読みたかった。

    衝動的でエネルギッシュで、良くも悪くも中小企業の社長っぽいワンマンなトランプと、巻き込まれる側近の様子が活写されている。

    一方で他の政治家も、調整はうまいかもしれないけどはっきりした魅力は出てきづらく、ツッコむ常識的な側近も、常識の提示以外のことはできてない。トランプはとにかく軽はずみで吝嗇でバカなんだけど、天秤の反対側に何が乗るのかがいまいち出てこないのだ。
    (貿易についてはトランプの意固地が単なる思い込みで、ちゃんと貿易やったほうがアメリカは儲かるだろう、ぐらい)

    そして、トランプのわがままはほとんどが、側近の努力によって骨抜きになる。それはめでたいんだけど、代わりに何が行われるべきだったんだろう?

  • ”泡沫候補”と言われながらも選挙戦を勝ち抜き、アメリカ大統領に就任したドナルド・トランプ。
    過激な発言は選挙のため、という見方もありましたが、就任後もその言動は変わらず、米国のみならず世界を揺らし続けています。
     
    かたや、政権の中枢メンバーの入れ替わりが激しく、「どのようなことが起こっているのだろう、これからどうなっていくのだろう」と、不安と興味が入り混じった視線を集め続けています。
     
    そんなトランプ政権の内幕が書かれた本が出版されていること、そしてその著者が、歴代の米国大統領の評伝を書いてきた著名な記者であることを知り、読むことにしました。
     
    レポートは、トランプが大統領選挙で争っているシーンから始まります。
    そして本人ですら、「当選後」のことを考えていなかったという、まさかの結果。
    大統領就任後、人事や政策の検討がどのように行われていったかへと、話が進みます。
     
    国の指揮をとるようになった後は、前政権から残る宿題、自らが引き起こしたスキャンダル等々、次々と巻き起こる課題に対峙する姿が描かれていきます。
     
    各方面への取材の成果か、ホワイトハウス内部での会話を含め、政権の中枢人物たちの言動が生々しく再現されています。
    アメリカ大統領、特にトランプという人の周りでは、次々といろいろなことが起こるのだなあと、ただただ驚くばかりでした。
     
    そしてトランプ大統領に関する記述については、特に以下の点が印象に残りました。
     
    ・ニュースなどで伝えられて通り、もしくはそれ以上に、感情の振れ幅が大きい人物であること
    ・彼のツイッターは、広報担当などによるものではなく彼自身が発信しており、周りの人たちも困っていること
    ・北朝鮮、アフガニスタン、シリアなど、前政権が残した「負の遺産」が小さくなかったこと
     
    「入念に検討し、ルール通りの手順で意思決定する」という考えがない/嫌いなトランプ。
    このような人を相手にしていると、誰もが短期間で消耗してしまうのだと、本書を読んで理解しました。
     
    「相手を動かすこと」を目的に、行動する大統領。
     
    その評価は時間が経ってから行われると思いますが、同時代に生きている人間として、彼の言動には今後も、注目していきたいと思います。
     
    同じカテゴリーの本;
    『トレバー・ノア 生まれたことが犯罪!?』トレバー・ノア
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B07CMZRPXD
     
     .

  • 抑制的だが、端々に危機感がにじみ出る。本質的に大統領の器ではないことは明らかだが、言動にはトランプなりのロジックがあるという事。どんな部下も採用する時は思いっきり持ち上げておいて、やめるとなったらこき下ろすと言うのはなかなかあからさまだと思うが、そういう上司って時々いるなあと、我が身の周りを振り返ってしまった。

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著者プロフィール

米国を代表するジャーナリスト。1943年生まれ、イェール大学卒。50年間にわたりワシントン・ポスト紙の記者、編集者を務め、ニクソンからバイデンまで歴代大統領を取材・報道しつづけている。
ウッドワードは同紙の社会部若手記者時代に、同僚のカール・バーンスタイン記者とともにウォーターゲート事件をスクープし、ニクソン大統領退陣のきっかけを作ったことで知られる。このときの二人の活動から「調査報道」というスタイルが確立され、また同紙はピュリツァー賞を受賞した。ウッドワードはその後も記者活動を続け、2002年には9.11テロに関する報道でピュリツァー賞を再度受賞。
『大統領の陰謀』『ブッシュの戦争』『FEAR 恐怖の男』『RAGE 怒り』など、共著を含めた20冊の著作すべてがノンフィクション書籍のベストセラーリスト入りを果たしている。そのうち14冊は全米№1ベストセラーとなった。現在はワシントン・ポスト紙アソシエイト・エディターの責にある。

「2021年 『PERIL(ペリル)危機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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