准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
3.73
  • (25)
  • (57)
  • (38)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 438
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (261ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昔々の子どもの頃から、怪奇番組が好きだった。心霊写真特集、あなたの知らない世界、などなど説明がつかない不思議な出来事がとても好きだった。しかしさすがにそれを突き詰めても食っていけない、ということは分かっていたし、割と貧乏な家庭に育っていたので、学者になる道がある、ということすら気づかない、うっかりした人間だった。結婚し、比較的時間に余裕のある生活になったころ、また育児で慌ただしい合間にネットの掲示板などを読みふけるだけの時間が出来た頃、再度不思議な話に興味を持った。
    「ジャンボジェットのねずみ」「ピアスの白い糸」などを読み、「百物語」も読破し、洒落怖サイトともお友達(もちろん、読むだけだが。確かROM専、という言い方だったような)。各地の伝説などにも興味があり、「遠野物語」も読み、旅行に行ったら、その土地の伝説や昔話の書かれた和綴の本を欠かさず買っていた。

    そんなバックグラウンドを持つ自分ではあるが、このお話はとても面白かった。
    「怪異は『現象』と『解釈』の二つで成り立っている」「大事なのは現象についてどんな解釈をするか」「不思議な話が生まれる背景にはそのまま語るには陰惨すぎる現象の事件があることが多い。人はそういう嫌な事件を伝説や物語に作り替えることで安心するんだ」
    これらの文章が出てくる。私もこれらの文章に非常に納得する。
    怪奇番組が好きな私だが、世の中で一番恐ろしいものは人間だと思っている。
    生きている人間が一番恐ろしいと感じている。
    高槻の経験したことも、深町が経験したことも、ひょっとしたら説明がつく事象として、本書で解釈されるかもしれない。それがバックボーンのシリーズだと思う。
    周囲に散りばめられる不思議な話、2ちゃんの「コトリバコ」「くねくね」なども単語としては出現して、ああ、自分が興味を持っていた分野だ、と今更ながら思い、安心感を持って読み進められる。幽霊画の展示がされる全生庵に関しては、行ってみたいと思うくらいだ。

    書籍は紙はだったし、今でもそうだが、小説に関しては電子でもいいかな、と思えるようになってきた。
    せっかくKindleアンリミテッドに入っていたのだから、読み進めようと思う。

  • 不思議な話があってもいいと思うけど、よくよく調べたら説明がつくことなんだろうな。

  • Kindle Unlimited 説明できないものを人は恐れる、というのには納得。そして怪現象をちゃんと説明していることもフェア。問題は主役の2人をどう解決するのか。続きを読もうかなとも思うけど、結構長いのだなと思うと迷う。

  • オカルト+推理ものという感じの作品で、田舎の夜祭であめを食べさせられたのでウソがわかるようになった学生尚哉と、神隠しにあった過去を持つ高槻准教授のお話。出てくるオカルト事象の殆どは人的原因があるのだが、尚哉の夜祭や高槻の神隠し真相が気になるシリーズ第1巻。2巻に進むほどではなかったかな。

  • 「幽霊」や「妖怪」を彷彿とさせる不思議な事件の謎を現実的なトリックとして解き明かしつつ、主人公コンビの持つバックグラウンドは普通じゃ説明がつかないような謎を孕んでいる。現実とファンタジーの狭間をいくような世界観のバランスが面白い。
    民俗学の知識としても、話の重さとしても割とライトで読みやすかった。

  • ドラマから原作に入りどハマリしている。
    ミステリと人間模様がうまく組み合わさった一冊。COC好きな人はハマると思う。

  • 民俗学に搦めた妖退治系かなと思ったら、全て犯罪の隠れ蓑としての民話、だけどバディとなる二人の過去に起こった事件は妖絡みのようで
    と現実と不可思議な現象がバランスよく両立していて面白かった

    准教授と学生のバディかと思いきや、実は准教授と警察の幼馴染バディが既に在る、というのも捻りがあって良かったです

  • サクサク読めて民俗学の小ネタも学べて面白い

  • 自分には合わなかった…

    何が苦手かというとこれでもかというほどのカップリング要素。
    ああ作者がこういうの好きなんだな…という描写が多く内容よりキャラクターの臭みが気になってあまり集中できなかった。

    元々ミステリと民俗学好きでそれを楽しみに読み始めたのだが期待に反してキャラクター推しな内容で肩透かしを喰らってしまったという点もあるかもしれない。
    商業BL好きにはおすすめかもです。

  • ・盆踊りは死者が集まる。生きた人間が迷い元の世界に戻る為には相応の代償を払う必要がある
    └歩けなくなる/目が見えなくなる/孤独になる…
    ・神隠しはある日忽然と消えどこか知らない場所から現れる。靴を履いていないが足裏は汚れてないのが特徴

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

神奈川県横浜市出身、在住。2016年に『憧れの作家は人間じゃありませんでした』で第2回角川文庫キャラクター小説大賞《大賞》を満場一致で受賞し、デビュー。同作はシリーズ化され1~3巻を数える。21年夏、「准教授・高槻彰良の推察」シリーズが実写ドラマ化され話題に。キャラクター文芸界再注目の作家。

「2023年 『憧れの作家は人間じゃありませんでした4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

澤村御影の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×