発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書) [Kindle]

著者 :
  • SBクリエイティブ
4.06
  • (7)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 88
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (174ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私のようにASDとADHDが重複してる人のことが書かれた本。
    「ちょっとAS」で「ちょっとADH」な人は、発達障害だと診断されない可能性がある。そんなタイプの人が多いと著者は考える。
    「こだわり」と「不注意」のせめぎ合い、というのはとても身に覚えがある。
    オタクとAS、うっかりとADHの違いが興味深い。私はやっぱり診断通りASDでADHDだな。

    「仕事が忙しい時期でも、食事や入浴、睡眠の時間を削ってでも、やりたいことをしたくなる」というのはよくわかる。折り合いをつけられる人を尊敬する。
    「過剰適応」の問題は初めて知った。中学生の頃の不登校は、過剰適応に疲れた結果だったのか、と気付いた。

    特性に合わせた環境調整の仕方が書かれていて、とてもありがたい。
    でも相談スキルを高めていくのは重要だけど難しいな…。

  • 「発達障害」は「発達の特性」が強く、診断基準に入ってくるものである。
    つまり、発達の特性には「強弱」があるため、発達の特性は、診断基準未満でも持っている人がいる。
    自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などの特性を「重複」して持っている人もいる。
    発達「障害」ではなく発達の「特性」として捉えると、ほとんどの人が何らかの特性を若干は持っている可能性もあり、著者の言うとおり、発達の特性は「ふつう」と地続きのものであり、「障害」(少数派)と「ふつう」(多数派)の境界線はとても曖昧なものにも感じる。
    「すべて免除」という考え方は、配慮ではなく排除になってしまうが、様々な発達の特性を持つ人々(もしかしたら自分も含まれるかもしれない)に対して、配慮していくことがとても大切だと思った。

    人間は「やりたいこと」をやらなければ、納得できないものであり、また、健康に幸福に暮らすためには「自分のやりたいことをやる」ということに尽きる。そうすると、生産性は落ちることになるかもしれないが、「生産性は、人間の健康や幸福よりも優先されるべきものではない」と著者はいう。この部分はとても印象に残った。

    また、発達の特性を「~が苦手」という機能の欠損としてとらえるのではなく、「~よりも~を優先する」という「選好性の偏り」(大多数の人とは異なる選好性)としてとらえた方が自然なのではないか、とも言っている。「ふつう」は「多数派」、「発達の特性」は「少数派」なだけで、「普通」と「発達の特性」に「優劣の差はない」という部分にも考えさせられた。

  • 読みやすくわかりやすい具体例などが紹介され、専門書というよりは素人に優しく語りかけてくる感じが良い。障害者というよりマイノリティという捉え方。

  • かなり良い本でまとめて見直す価値がある

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。東京大学医学部医学科、東京大学附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院、横浜市総合リハビリテーションセンター、山梨県立こころの発達総合支援センター所長、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長を経て、2018年より現職。博士(医学)

「2020年 『障害者・障害児心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本田秀夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×