橋本治のかけこみ人生相談 (幻冬舎文庫) [Kindle]

  • 幻冬舎 (2018年12月6日発売)
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  • いわゆる人生相談本。
    一般(かどうかはわからないけど)読者から募った相談事に橋本治が答えていく。

    ある悩みに対する気の持ちようを変えさせようとする類のアドバイスではなく、氏は相談者に現実を直視させようとするアドバイスが多かった気がする。なまぬるい幻想を見させない。

    こちらがひやひやするほどだった。
    例えば母親と確執があり、帰省も憂鬱だと悩む女性に対し、
    氏は、あなたが嫌いだから帰省しないと母親に向けて言い続けるように忠告する。

    具体的にこれまでこんなにひどいことをされてきた。だからあんたのことが嫌いだ、帰りたくない、と。
    そうやって娘を奴隷のようにしか扱ってこなかった母親に抵抗するのだと。

    一種のショック療法だ。
    しかしこういう母と娘の関係というのは、娘の態度も母親のネガのようにもなっていて、それが母親のひどい態度の誘い水のようにもなりがち(でもそうなって当然だ)。

    おそらく氏は、「ほんとうにこの問題を解決したいのであれば」という前提で本気でアドバイスしているように見受けられる。だから気休めはいっさい言わない。

  • 橋本治は作家であり会社員をやったことはないはずである。結婚をしたこともないし子どももいないと認識している。
    その橋本がさまざまな人生相談に丁寧に答えていくのが本書であるが、自分の経験が及ばない内容にも適切なアドバイスができることに驚いた。
    こういった相談は、相談する側のピントがずれていることも多い。相談内容が分かりにくいことも少なくない。このような相談に対しても橋本は、相談者の状況を想像し、相談内容を解きほぐし、丁寧に答えていく。
    小説家というのはすごいものである。あらゆる年齢のあらゆる立場の人の気持ちが分からなければ、小説を書くことができない。
    まして、橋本治はただの小説家ではない。職業作家としてあらゆるものを書き、「知の巨人」と呼ばれるほどの作家である。本書にもその天才性が散りばめられていた。

  • このブログで紹介されて知った本で、これは新聞での人生相談の連載を単行本にしたもの。
    https://brevis.exblog.jp/29439101/

    悩んでいる人や人の話をもっとうまく聞けるようになりたいと思う人におすすめの一冊。

    私の人生相談のコラムのイメージは経験豊富なおじさん、おばさんが自分の経験を元に叱咤激励をするというものだ。だから、上のブログの冒頭では多分読まないだろうな、と思っていたが、あまりに紹介が魅力的だったので買ってすぐに読み切ってしまった。

    この人の人生相談の特徴は、まずは相談の文章から相談者の状況を肉付けしている点にあると思う。ある人には、こういう話しになるはずだけど、それが相談には書かれていないとか、相談者を労ったりしている。そして、必要に応じて具体的なアドバイスをしている。

    この本を読んで、筆者は相談者の文章を客観的に分析して、相手がどのような状況に置かれているのか、問題は何かをしっかり考えているんだろうな、と思った。

    そして、ある人には相談内容以外のところに問題があると指摘していたりする。これを1往復の文章のやり取りで行えるとは信じられない。

    友人や家族と話をしていて、何となく感じる違和感などを分析して、解決に向けて構成していった先にある理想形がこの本なのだと思った。

  • バカな自分には相変わらず頭が良いとの感想しかない。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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