BANANA FISH(20) (フラワーコミックス) [Kindle]

  • 小学館 (1995年3月25日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 【⚠️本棚登録の都合上、1巻分のみの読了登録のため、アニメや最終話にも言及する重大なネタバレがあります⚠️】

    アナザーストーリーについてまとめて言及します。
    ・光の庭(19巻)
    ・Angel eyes(19巻)
    ・private opinion(20巻)
    ・Fly boy〜(20巻)
    ・うらbanana(20巻)

    アニメ、漫画ともに日常生活に支障をきたすレベルで、とんでもない作品。
    アニメ化に感謝。
    だけど今巻に収録のアナザーストーリーや、19巻収録の「光の庭」もアニメ化してほしかったな……


    【光の庭】
    「光の庭」は自分でも引くほど泣いた。
    アッシュがやっぱり死んでしまったのだと現実を頭に叩き突きつけられた。
    アッシュの死を聞いた英二くんはどんな気持ちだったんだろう。
    遺体を目にし、兄が殺したと知ったシンは?
    アレックスたちギャングは?
    考えただけで泣けてくる。結局自分が死ぬことよりも、置いていかれるほうが悲しみが深い。
    アッシュは幸福なまま死んでいったはずだ。

    英二はずっと亡霊を追いかけている。引きずっている。なぜ7年前、体を引きずってでも彼のもとへ行かなかったのかと激しい後悔とともに。
    唯一無二の親友を失った悲しみは、7年経った今でも抱えている。その悲しみが各所で感じる。

    伊部さんの姪、暁ちゃんが遊びにニューヨークへやってくる。自分の名前を好きになれない彼女に、「彼」の故郷ケープコッドで英二くんが話す場面………もう涙が止まらない。

    アスラン……アッシュの本名。
    意味は「夜明け」。
    暁……アーちゃんの名前と同じだね。

    ※奥村英二ファースト写真集に、大人になった暁とシンが結婚する姿が描かれている。

    シンがめちゃめちゃ大きく、頭も良くなってて感動した。他のキャラクターは出てこなかったけど、どうしてるのかな………
    あとは月龍と思われる人物が声だけで登場。

    「ぼくの魂は君とともにある」
    "奇跡のような生"であったアッシュに出会えた、英二くんの人生が、シンの人生が、美しく輝きますように。

    【Angel eyes】
    ショーターとの出会い。
    アニメと違ってショーターはモヒカンではなくハゲてる。超ツルツルハゲにサングラスというパンチの効いた少年。
    殺人で少年刑務所に入れられたアッシュは、美形のために囚人から狙われる、もはやバナナフィッシュにおいてお決まりの展開。

    しかしこの年頃の子って可愛いならまだわかるけど、"美しい"ってどんなだろうな……

    久々にショーターが見られて嬉しい。
    これからのことを思えばショーターとの出会いで、アッシュの人生がまた大きく狂いだしたに違いない。

    【private opinion】
    ブランカとの出会い。
    ゴルツィネのもとで英才教育を受けていたアッシュの、新しい教育係に呼ばれたブランカは、彼の才能と闇を知る。
    厳しい面ややはり軍人だと思わせる部分があるものの、英二くんと違った優しさを感じる。地獄の中で、最大限アッシュに寄り添っていたのはブランカだ。

    幼い頃から訓練し、妻をなくし、ある意味地獄の中で生きてきたブランカだからアッシュに寄り添えたのかも……
    最後のシーン、アッシュがなんとなく心を開いているように感じてとても良かった。

    マービンはどこまででもゴミだな……
    本編だけど死んでくれてよかった……


    【Fly boy, in the sky】
    英ちゃん17歳の話。
    意外と伊部さんと歳が離れていないことを気付く。
    こっちの英ちゃんは日本人って感じだなぁ…なるほどやはり童顔。
    なんか俺って言ってるのが年頃の男の子っぽい。

    でも確かに、こんなに生気のない奥村英二が、伊部さんとの出会いでニューヨークへ行き、そこからアッシュたちに出会っていくのだと思うと感慨深い。
    人生のほんの時間でも、人生を変える出会いというのは存在するものなんだなぁ。

    【うらbanana】
    これが私の救いだった……
    いろいろあったけど、なんだかんだ演者だったよみんな!という感じの締めくくり。

    泣いてばかりはいられない。
    死んでしまった者たち、残された者たちの言葉。それらを読むたびに大泣きしてしまうけど、私の人生も彼らの人生もまだ続いていく。

    ポップで明るいうらbananaで、私はまたこれからも生きていける……

    一生懸命、生きていこう。
    本当に素晴らしい作品をありがとうございます…

  • アニメ最終話がショックすぎて番外編を読みたく買いました。光の庭、むちゃ良いです。アッシュなんで…と思ってましたが、アッシュはあのまま生きていたら英二とはもう交わらないまま生きていたのではと思う。そうならば、英二の魂と共にあると心から感じて死ねた、本来の場所で自分の本当の姿になって死ねたということは幸せだったんだろうなと思った。
    シンが英二を支えて生きていたのがめっちゃ良かった……。英二はアッシュを忘れないけどそれが不幸せってわけじゃないっていうのにハッとしました。
    ※以下、自分語りですみません
    社会人になってから、自分自身の純粋な興味で勉強している時(英語の勉強とか)がいちばんの安らぎだと感じます。社員でも何でもないただの自分に戻れたと。心からの安堵と静かな喜びがやってきます。アッシュも図書館にいる時だけは争いや暴力、図り合いといった自分の置かれたどうしようもない世界から離れて本当の自分でいられたんだな、とても静かで穏やかでいられたんだろうなと謎の共感をしました。

  • やっぱり連載当時の時代背景でアニメ化してほしかった。
    なんでかというと、ブランカのプロフィールの核部分に関わってくるから。この番外編まではアニメ化しないとしても、東西冷戦の落とし子ともいえるブランカが、ベトナム戦争の悲劇の間接的な落とし子といえるアッシュと師弟関係を結ぶのが熱いのに!!
    ブランカ好きならそこはこだわりたいポイントなはず……
    それにしてもアッシュは相変わらずモテモテ。42歳女教師なら抵抗すれば拒絶できたんじゃ……とか、基礎的な攻撃マニュアルマスターしてたなら他の男性教師もはねのけられたんじゃ……成人男性に近寄られるたびアレだけ重篤な発作を起こしてたら、パパディノの時ホントどうしていたの……
    マービンはBLによく出てくるタイプのゲス。しかし10~17歳って、ストライクゾーンが広すぎる……その年齢って大きく見た目変わるんだけど、相手がアッシュなら年齢はどうでもいい域に入ってるんだろうか。
    ブランカは主役張れる位かっこよくてキャラ立ってるのに、コレで退場はもったいない。彼がピンで主人公の話も読んでみたかった……ソ連時代の逸話や奥さんとの馴れ初めとか。

    巻末のおまけでは制作の裏話や、アッシュと英二のざっくばらんなお喋りが楽しめる。パパディノとブランカの扱いの落差にくすり。19巻の感動の結末のあとにこっちに飛んで、胡坐でがははと笑ってるアッシュを見るとなんかほっこり。
    「昔のお前ってホント田舎の高校生なのなー」「そーゆー君だって元はイナカの子じゃん」て、やっぱ仲良しだなあ。

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著者プロフィール

同姓同名あり。

1. 吉田秋生 (よしだ あきみ)
1956年、東京都渋谷区生まれの女性漫画家。武蔵野美術大学卒業。1977年「ちょっと不思議な下宿人」でデビュー。1983年、「河よりも長くゆるやかに」及び「吉祥天女」で第29回小学館漫画賞を、2001年に「YASHA-夜叉-」で第47回小学館漫画賞をそれぞれ受賞。その他代表作に、「BANANA FISH」。
代表作のメディア化が多く、「吉祥天女」は2006年TVドラマ化、2007年に映画化された。「海街diary」は2015年に映画化されている。2018年には「BANANA FISH」がTVアニメ化された。

2.吉田 秋生(よしだ あきお)
1951年生まれのテレビドラマ演出家。学習院大学法学部卒業。

吉田秋生の作品

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