魔眼の匣の殺人 屍人荘の殺人シリーズ [Kindle]

  • 東京創元社 (2019年2月22日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 前作ほどの衝撃はないのですが、推理が論理的に展開されるのは変わらず、最後の対決も読みごたえがありました。ただ、犯人の動機が若干、気になりますかね。前作もそう思ったのですが。でも、続編が出れば、また読みたいと思います。

  • 新進気鋭のミステリー作家今村昌弘さんによる、このミスで話題になった屍人荘の殺人シリーズ第2弾。

    前作ではまさかのゾンビネタ。今回は予言(予知)ネタを織り交ぜています。クローズドサークル内においての殺人。この微妙な緊張感の描写が素晴らしいです。

    前作の事件を引き起こした原因となった斑目機関の謎を追うなかで魔眼の匣という元機関の研究所だった場所の調査に向かう剣持と葉村。そこで出会ったサキミという女性は機関の元被験者で予知能力者。彼女は「2日のうちで男女2人ずつ、計4人がこの地で死ぬ」という予言を告げていた。


    描写が非常に丁寧で細部まで想像することができ、正直この歳になって恥ずかしながらかなり怖い思いをしながら読み進めました。

    読み進めていくうちに出てくるキーワードなんかは「おっ、これは重要だろ」と思ってしまうんですが、それがミスリードになっているような・・・完全に勘違いをしていました。

    推理をし始めてからどこか腑に落ちない感を抱きながら読んでいましたが、ところがどっこい。今回の事件の真相だけではありません。フーダニット&ワイダニットの心地よさが止まらない怒涛の終盤!

    まさかそこにもそこにもつながるとは・・・う〜ん、恐るべし。完全に予想外でしたが裏切られた感はなくすっと収まるようなこの読後感。素晴らしかったです。

  • 殺人動機にこんな理由が存在するのだ、と驚きでした。
    前作の『屍人荘の殺人』が大変楽しめたのでシリーズ続編も楽しみにしていました。
    前作のような殺人?スタイルとは大きく異なりますが、未来視(未来に起こる事件を予言する)できる老人が放った、自分が住む山奥の集落で4人の死者が出るという予言を受けての殺人事件。
    今までも予言が出され、その研究機関が様々な手を尽くしても事件は止められず、必ず起こってしまったという。
    予言地域に閉じ込められた人たち。
    心理的に追い詰められていく様子など、今回も楽しめました。
    最後の方で、更に続きを匂わせていたので、そちらも楽しみです。

  • 今度は予言、予知能力の存在を根底に物語が進む。
    明智さんが不在となってからも普段通りの大学の様子と、葉村くんと比留子さんの様子との違いに、明智さんの大きさを感じさせるところから物語がスタートした。
    すごい存在感。このシリーズがどんどん展開されたとして、ずっと明智さんの影は葉村くんはもとより、比留子さんにはずっとついてまわるんだろうな。

    班目機関を追って、とある山奥にいる予言者サキミに会いにきた二人と、たまたま居合わせた数人の男女が「11月の最後の二日間に男女が二人ずつ死ぬ」という予言とともに閉じ込められる。
    予知能力を持つ少女、老女、予言通りに起こる事故死、そして殺人……。

    スケールが大きくて面白かった。
    最初の周辺図を見たときから、有栖川有栖の某作品との関係を感じたりしたけど、全部読んでますますその思いを強くした。
    今風に書くとこうなるのかな、というか、うーん、私がファンだから牽強付会にそう思ってしまうだけかもしれないけど。
    とにかく面白い。
    今村昌弘って先行作品をものすごく研究して書くタイプなんだろうなと思った。
    「こういうの好きでしょ」って言われてる気がする。
    それに対し「好きです!面白いです!!」ってしっぽ振って読んでしまう~~。

  • 前回はちょっと設定が突飛すぎるような気がしていたが、今回の予知能力も突飛ではあるがこれくらいは現実として受け入れられる。設定にたいして推理は論理的で本格派、いろいろと細かく張られた伏線が最終的に効いてくるのはすごく良い。主人公と比留子さんがもう少し通じ合い、精神的に比留子さんを支えてあげてほしい。次回作も期待。

  • 純ミステリー
    前作のようなパニック感は無いけど古典的ミステリー感があって安心して読める
    今後もシリーズ化していきそうなので楽しみにしていきたい

  • 2019/03/16

  • 前作はゾンビ&クローズドサークル。
    今作は預言&クローズドサークル。

    最初に犯行の動機を知ったときは「そりゃないでしょう。ちょっと強引だよ」と感じたのですが。。。
    説明が進んでいくにつれ、伏線が回収されていって、最後は納得。

    さらには、それだけで終わらずに預言者の方にも謎があり、2度ビックリ。
    なかなかの良作です。

  • 一作目が面白かったので読んだ。今回も非現実的な要素を前提としたミステリーになっていて面白かった。

  • 3.5
    事件がおこるまでテンポは悪い
    そもそもこっちから読んで屍人荘の殺人を後で読んだので屍人荘の殺人のネタバレを若干くらった
    ラストは良かった
    超能力の論理をしっかりミステリに落とし込めているのは良かった

  • 映画化もされた「屍人荘の殺人」の続編。
    斑目機関により研究されていた予知能力。本作はその予知が行われる環境下での特殊設定ミステリともいえる。ミステリとしてはやや弱いが、探偵とワトソン役の人間関係、そして葛藤を含めた物語として、よく練られた作品と言えるだろう。

  • オカルトと本格ミステリをちゃんと混ぜ合わせながら意外なラストに向けて走っているし、このシリーズの裏側で暗躍しているものをうまく掛け合わせながら、まごうことない本格ミステリをしている。
    #2022年1冊目
    #旧作
    #今村昌弘

  • いまひとつ緊迫感がなくて謎解きのワクワクが少なかった。とは言え、十分に楽しんだ。比留子と葉村のやり取りが良い。この2人の言動を見てるだけでも面白い。途中、純が1人で森林に入って行ったのがよく分からない。まずは崖の方に行くのが自然では?

  • 第1作がセンセーショナルであった分、本作の舞台設定や伏線等に若干の物足りなさを感じた。特に、犯人を殺人に走らせた動機が、現実離れした設定が多々あった為か、可能性があることすら共感することが難しかった。ただ、その他の推理小説と比べると大いに読み応えのある本であることは確か。

  • 特殊設定ミステリvol.2

    前作ほどのインパクトはなかったか。

    比留子さんと葉村くんの微妙な関係の描写は、好きな人には良いですね。

  • 屍人荘の殺人の続編ということで読みました。面白かったと思います。読んだの昔なのであんまり覚えてないですけど。新作はまだ読んでないですが、早く読みたいです。

  • 前作、屍人荘に続く比留子&葉村コンビの二作目。
    予知能力とクローズドサークルによる本格ミステリ。
    前作のゾンビもだけど、予知能力という超常現象がトリックとして暴かれる対象でなく、事件を構成する重要な要素としてきちんと存在しているのがすごい。

    男女4人が死ぬと不可避の予言がされたクローズドサークル内で次々と起こる事故や事件。
    伏線も盛り沢山で、後からピタッとパズルがはまるように回収されていって読むのが楽しかった!
    犯人の動機も単純に作中で予想されたものだけでは済まなかったし、カギとなる予言者の真相にもびっくり。
    最後までノンストップで読める。

  • 最初ほどおもしろくないけどよくできてるとは思った。シリーズ3作目も読むつもり

  • 犯人が四人目ってとこまではまぁ想像つくよねーと思ってたら、最後にやられたー!
    途中から殺人の動機が「自分が予言から逃れるため」になっちゃってるけどほんとに?元々他に動機があったわけじゃなくて?と思ってたらほんとだった・・・
    でもそれも、なぞ解きを聞いてるとまぁそうかなと思える説得力がある

  • 今回はこう来たかという感じで前作よりは規模は小さいしそこまでパニックでもない。明智の存在の大きさを改めて突き付けられるのが切ない。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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